資料作成に時間がかかる最大の理由は、やみくもに作業を始めてしまうことです。目的やターゲットが不明確なまま作ると、あとから方向性を修正する必要が出て、何度も手戻りが発生します。さらに、スライドのデザインや文章の表現に迷いながら作業すると、考える時間ばかりが増えてしまいます。
本記事ではこの流れに沿って、誰でも今日から取り入れられる具体的な時短テクニックを10個紹介します。単なるスピードアップではなく、品質を保ちながら効率化する方法を解説します。ぜひご覧ください!
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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案や資料作成に関する豊富な経験を有する。
時短テク①:目的とターゲットを最初に決める
資料作りの最初の一歩は、目的とターゲットを言語化することです。「何を達成したい資料なのか」「誰が読むのか」を明確にすれば、必要な情報と不要な情報の線引きができ、無駄な作業が減ります。
例えば社内報告なら現状と課題を簡潔にまとめるだけでよいですが、営業資料なら課題提起から解決策、導入メリットまでストーリーとして見せる必要があります。ターゲットの知識レベルに応じて説明の深さも調整しましょう。経営層向けには結論と数字を先に、現場向けには具体的な手順や事例を多めに入れると効果的です。
ここでしっかり決めておけば、作業途中で迷うことが減り、後から大幅に作り直す手間を防げます。

時短テク②:情報収集を効率化し、不要な調べ物を減らす
資料作成時間の半分近くは情報収集に費やされると言われます。効率化するには、まず必要な情報を洗い出し、優先順位をつけてから調べることが重要です。目的とターゲットを明確にしておけば、探すべき情報の範囲も絞れます。
社内データベースや過去の資料は最も効率的な情報源です。すでに存在する数字や実績を活用すれば、ゼロから調べる必要がなくなります。外部情報も政府統計や業界団体のレポートなど、信頼できる定番ソースをあらかじめ決めておけば、検索にかかる時間を短縮できます。
集めた情報はただ貼り付けるのではなく、目的に沿って整理し、必要な部分だけ残します。情報過多はかえって混乱を招くため、削る勇気も時短の重要なポイントです。

時短テク③:アウトラインを作り、手戻りをゼロに近づける
アウトライン作成は手戻り防止の強力な武器です。いきなりスライドに向かうのではなく、章立てとスライドごとのメインメッセージを先に書き出しましょう。ストーリーの抜けや重複を早い段階で発見でき、全体の論理が整います。
可能であれば関係者とアウトラインを共有し、方向性の合意を取ります。これにより「作ったけどやり直し」といった無駄を防げます。さらに、各スライドの役割が明確になることで、本文作成もスピーディーになります。
アウトラインは紙でもデジタルでも構いません。重要なのは「構成を決めてから作る」という習慣をつけることです。

時短テク④:テンプレートや過去資料を再利用する
資料作成を時短する最大のコツは「ゼロから作らない」ことです。表紙、目次、まとめページ、グラフのデザインなど、繰り返し使う要素はテンプレート化しましょう。
社内でよく使うスライドをストックしておけば、構成やデザインを考える時間を大幅に削減できます。フォントや色、レイアウトも統一しやすくなるため、見た目の整合性も保たれます。
再利用可能な形で資料を整理しておくと、次回以降さらに効率化できます。チーム全体でテンプレートを共有すれば、メンバー間の品質差も減り、レビューの時間も短縮されます。

時短テク⑤:ショートカットキーで操作スピードを倍速化する
作業スピードを上げるには、マウス操作よりキーボードショートカットを活用するのが効果的です。コピー&ペースト、整列、スライド複製、グループ化など頻繁に使う操作をショートカットキーで行うと、数秒単位の時短が積み重なります。
最初は覚えるのに少し時間がかかりますが、一度身につければ毎回の作業効率が大幅に上がります。毎日使う操作から少しずつ覚えると定着しやすいです。
結果として1時間かかっていた作業が30分で終わることも珍しくありません。まさに「投資対効果の高い時短術」です。

時短テク⑥:図表・グラフ作成をパターン化する
図表やグラフは資料の中でも時間がかかる部分です。よく使う形式をあらかじめ決めてテンプレート化すると、作成スピードが一気に上がります。
棒グラフ、円グラフ、フローチャート、マトリクス図など、用途ごとに色やフォント、サイズのルールを作っておくと迷わず作業できます。複雑なデータもなるべくシンプルに表現し、見る人が直感的に理解できるようにすることがポイントです。
パターン化は資料全体の統一感を高める効果もあるため、チェックや修正もスムーズになります。

時短テク⑦:AIや自動化ツールで文章と構成を補助する
近年はAIツールを活用することで資料作成が格段に速くなります。ChatGPTなどにアウトライン作成や文章の言い回し調整を依頼すれば、たたき台を数分で用意できます。
特に定型文や説明文は一度AIで作らせてストックすると、次回以降の資料作成が楽になります。もちろん最終的なチェックは人間が行う必要がありますが、ゼロから考える時間を大幅に削減できるのが魅力です。
AIだけでなく、グラフ自動生成ツールやデータ可視化サービスも活用すると、作業のスピードと品質を同時に向上させられます。

時短テク⑧:デザインルールを決めて迷わない仕組みを作る
デザインに時間をかけすぎると資料作成が長引きます。フォント、色、レイアウト、アイコンの使い方などをあらかじめルール化しておくと、毎回迷わず作業できます。
見出しのサイズ、本文フォント、強調色などを決めたスタイルガイドを作り、社内で共有しておくと統一感が生まれます。誰が作っても同じルールで作業できるため、修正時間も短縮されます。
ルール化は一度作れば何度も使える資産になるため、長期的に見ても大きな時短効果があります。

時短テク⑨:チェック・修正を効率化するフローを作る
資料完成後のチェック作業は段階的に行うと効率的です。まず構成とストーリー、次に内容、最後にデザインと誤字脱字を確認する順序を決めると、やり直しが減ります。
レビューはツールで一元管理し、コメントや修正履歴を残すとミスが減ります。複数人でレビューする場合も、担当者を明確にし、重複や抜け漏れを防ぎましょう。
このフローを習慣化すれば、納品までのスピードが安定し、品質も向上します。

時短テク⑩:次回に活かせる時短ノウハウを蓄積する
一度作った資料は、次回のために整理してストックしましょう。フォルダを用途別に分け、図表やテンプレートを保存しておくと再利用できます。
また、よく使う表現や定型文をまとめておくと、文章作成のスピードが格段に上がります。チームで共有できる形にすると、メンバー全員の生産性が上がり、資料作成にかかる時間が組織全体で削減されます。

まとめ|今日からできる最初の一歩
資料作成の時短は特別なスキルがなくても可能です。目的とターゲットを決め、情報収集とアウトライン作成で準備を整え、テンプレートやショートカット、AIを駆使して作業を効率化する。そして作った資料を資産として残す。この流れを習慣にすれば、作業時間は確実に減り、残業やストレスから解放されます。
まずは紹介した10個のうち1つだけでも実践してみましょう。小さな改善の積み重ねが、長期的な大幅時短につながります。
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