同じ内容のスライドでも、フォントを変えるだけで印象はまったく異なります。やわらかく親しみやすい雰囲気にも、落ち着いた知的な印象にもなるのがフォントの力です。特にビジネス資料やプレゼンテーションにおいては、フォントの選択が信頼感・読みやすさを左右します。
見やすいフォントとは、視認性が高く、長時間見ても疲れにくいものを指します。信頼感のあるフォントとは、形が整っていて安定した印象を与えるものです。PPTでは、スライドごとに要点を的確に伝えることが求められるため、フォントはデザイン要素というよりも、情報を伝えるツールとして機能させる必要があります。
本コラムでは、ビジネスシーンで特に評価の高い3つのフォントを厳選しました。いずれもPowerPointとの相性が良く、企業プレゼンや報告書、提案書など幅広い用途に適しています。それでは、PPTで信頼感を与えるフォントランキングTOP3を見ていきましょう。
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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案や資料作成に関する豊富な経験を有する。
第3位:MSPゴシック|読みやすく安定した伝統フォント
MSPゴシックは、Windowsに標準搭載されている代表的な日本語フォントです。角ゴシック体の中でも線が太く、可読性が高い点が特徴です。長年ビジネス文書に使われてきたため、見る人に安心感・標準的で整った印象を与えます。
特にプレゼン資料や社内報告書の本文に適しており、文字がくっきりしているため遠くからでも読みやすいという利点があります。プロジェクター投影でもつぶれにくく、フォントの太さが均一で、どんなレイアウトにも馴染みやすいことから、多くの企業で採用されています。
ただし、デザイン性という点ではやや古さを感じる場合があります。線が太いため、タイトルや見出しで多用すると重く見えることがあります。
MSPゴシックは、派手さはないものの、安定感と信頼性を両立したフォントです。初めて資料を作る人や、社内共有用の報告書を整えたい人には最適な選択と言えるでしょう。

第2位:游明朝|上品で知的な印象を与えるフォント
游明朝(ゆうみんちょう)は、Microsoft Officeに標準で搭載されている日本語明朝体フォントです。細い縦線と端正なデザインが特徴で、落ち着きのある知的な印象を与えます。特に企業のビジョン資料、研究発表、教育系プレゼンなどで高い評価を得ています。
明朝体は可読性が高く、行間を広めにとることで紙資料にも適します。游明朝は旧来の明朝体に比べてモニター表示の最適化が進んでおり、デジタル画面でも見やすいバランスに設計されています。これにより、文字がにじみにくく、美しく整った印象を維持します。
使う際のポイントは、本文全体を游明朝に統一すると重く見える可能性があるため、タイトルや小見出しなど、強調したい部分に限定して使うことです。ゴシック体の本文と組み合わせると、視覚的なコントラストが生まれ、全体の印象が引き締まります。
游明朝は、知的・誠実・高級感というキーワードにぴったりのフォントです。堅めのテーマや公式文書に最適で、プレゼンに上品さを加えたい場合におすすめです。

第1位:Meiryo UI|読みやすさとデザイン性を両立した万能フォント
堂々の第1位は、Meiryo UIです。Microsoftが開発したメイリオの改良版で、デジタル環境に最適化されたゴシック系フォントです。Windows 8以降の標準フォントとして採用されており、そのバランスの良さから多くの企業・官公庁が使用しています。
Meiryo UIの最大の特徴は、文字の間隔と高さが均一で、どのサイズでも高い可読性を維持できる点です。プロジェクターや大型モニターでも文字が崩れず、遠距離からの視認性にも優れています。また、行間が広めに設定されており、文字が詰まって見えないため、長文でもストレスなく読めます。
さらに、デザイン的にも現代的で洗練された印象を与えます。角がやや丸みを帯びており、堅すぎず、柔らかすぎない中間的な印象です。ビジネス資料、学会発表、社外向け提案書など、どんなシーンにも違和感なく使えます。
タイトル・見出し・本文すべてを1つのフォントで統一できる点も大きな魅力です。特別な装飾をしなくても、全体が整って見えるため、PPT初心者にも扱いやすい万能フォントといえます。
Meiryo UIは、見やすさ・信頼感・汎用性を兼ね備えたバランス型フォントです。迷ったらこの1つを選べば間違いありません。

まとめ|フォント選びがプレゼンの信頼性を高める
フォントは単なる文字ではなく、情報のデザインです。MSPゴシックの安定感、游明朝の知的さ、そしてMeiryo UIの万能性。それぞれに強みがあり、使い分けることで資料の完成度は大きく変わります。
重要なのは、読み手の立場で見やすいか・安心して読めるかを考えることです。PPTのフォントを整えるだけで、同じ内容でも印象は劇的に変わります。ぜひこの3つのフォントを使い分けて、信頼感と美しさを両立した資料作りを実現してください。
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