IR資料のデザイン完全ガイド|投資家に伝わる構成と見せ方のポイント

IR資料のデザイン完全ガイド|投資家に伝わる構成と見せ方のポイント


IR資料は単なる会社説明ではなく、投資家に向けて企業価値と将来性を伝える大事な資料です。

そのため、正確な情報を開示するだけでは不十分であり、読み手が理解しやすい構造と、判断に必要な情報へ自然に視線が誘導されるデザインが求められます。同じ内容でも見せ方によって投資家の印象は大きく変わり、資料の完成度が企業評価に影響を与えることも珍しくありません。

特に近年は、透明性の高い情報開示や戦略と数字の一貫性、財務データの分かりやすさが強く重視されるようになり、デザインが果たす役割はかつてよりも大きくなっています。情報が複雑化し、提示すべき内容が増えるなか、視覚的な工夫を取り入れることで、読み手の理解を助け、企業の誠実さを示すことができます。

本コラムでは、IR資料に必要なデザインの観点を体系的に整理し、投資家に評価される資料づくりのポイントを詳しく解説します。成功企業の共通点や実践的な改善手順もまとめていますので、自社のIR資料を見直したい企業にとって、実務に役立つ内容となっています。

それではさっそく、投資家が重視する6つのデザイン観点を詳しく見ていきましょう。

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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案や資料作成に関する豊富な経験を有する。

デザイン観点1:情報整理と情報構造の組み立て方

IR資料で最も重要なのは、内容そのものはもちろん、情報の整理と構造化です。資料の骨格である情報構造が適切に設計されていると、読み手は自然に内容を理解でき、企業の全体像を短時間で把握できます。逆に、情報が散乱している資料や、論点ごとのつながりが弱い資料は、投資家に不安を与えてしまいます。

情報整理では、企業が伝えるべきテーマを明確にし、資料全体を事業概要、強み、戦略、財務、リスクなどの構成に分けることが基本となります。それぞれの章に必要な情報を振り分け、内容の重複を避けつつ、全体が一つのストーリーとしてつながるよう調整します。

また、情報構造を整理する際には、読み手の理解負荷を軽減するために、複雑な内容を階層化することが重要です。章、節、項目の階層をつくり、スライドごとの論点やメッセージがひと目で理解できるようにすることで、資料全体の流れが格段にスムーズになります。

デザイン観点2:レイアウトと視線誘導の設計

良いレイアウトは、スライドを見た瞬間に何を伝えている資料なのかが分かる構造になっています。これは投資家の理解を助けるだけでなく、企業の資料づくりの成熟度を暗に示すことになります。スライド全体の配置を整え、視線の流れをコントロールすることで、重要な情報に自然と注目してもらうことができます。

具体的には、左上から右下へ流れる視線の動きを前提に、タイトルや主要メッセージ、図表の配置を設計します。スライド内の情報密度を適切に調整し、余白を十分に取ることで、読みやすさが大幅に向上します。特にIR資料は情報量が多くなりがちなため、余白の役割が非常に重要です。

また、ページごとのレイアウトが統一されているかも大切なポイントです。フォーマットが統一されていない資料は、読み手の視線が迷いやすく、内容理解の妨げになります。反対に、ページ全体が統一感を持っている資料は、企業としての信頼性も高まり、投資家に安心感を与えます。

デザイン観点3:図表・グラフによる財務データの可視化

IR資料において財務データは不可欠ですが、数字をただ並べるだけでは投資家に意図が伝わりません。重要なのは、数字の意味を理解しやすく視覚化することです。例えば、売上推移は折れ線グラフ、構成比は円グラフや積み上げ棒グラフ、セグメント別比較は棒グラフなど、目的に合わせた図表を選択することが大切です。

視覚化の際には、比較軸を明確にすることが重要です。前年との差、計画値との差、競合との比較など、読み手が意図を理解しやすい形に加工することで、資料の説得力が増します。また、数字の背景にある要因を図表と併せて説明すると、投資家は資料の意図を深く理解できます。

過剰な装飾や色使いは財務データの本質を見えにくくするため注意が必要です。あくまで主役は数字であり、見せ方は数字を理解しやすくするための手段です。簡潔で整った図表は、IR資料の信頼性を高める大きな武器となります。

デザイン観点4:色使い・フォント・トーンの統一

IR資料では、色やフォントの統一が読みやすさだけでなく、企業のブランドイメージ形成にも影響します。スライドごとに色が変わったり、フォントが統一されていなかったりすると、資料にまとまりがなく見え、企業の姿勢にも疑念を与える可能性があります。

色使いに関しては、メインカラーとアクセントカラーの2〜3色に絞ることが一般的です。重要なポイントをアクセントカラーで示すことで視線を誘導しやすくなります。また、明度差や彩度差を活用することで、情報の階層が分かりやすくなり、資料全体が整理された印象になります。

フォント選定では、可読性の高さが最も重要です。特にIR資料は専門用語や数字が多いため、細すぎるフォントや装飾が強いフォントは避けるべきです。資料全体を通して同じフォントを使うことで、安定感と信頼性を表現できます。

デザイン観点5:事業・戦略・数字の一貫性

IR資料において企業のストーリーが一貫していることは、投資家の信頼を得るうえで極めて重要です。事業構造、競争優位性、戦略、財務目標が矛盾なくつながっている資料は、企業としての成熟度を強く印象づけます。

例えば、成長戦略を掲げているにもかかわらず、財務データがその方向性を示していなければ説得力がありません。戦略の実現によってどのような数値結果が期待されるのか、その関係性が視覚的に整理されている資料は、投資家にとって納得感が高くなります。

また、数字の裏付けとなる施策や市場要因が整理されていると、企業の計画実行力が伝わります。戦略と数字の整合性を高めるためには、情報構造とデザインの両面から資料を構築することが求められます。

デザイン観点6:リスク・課題の見せ方

投資家は企業の強みだけでなく、直面するリスクや課題も重視します。そのため、IR資料ではリスクを隠さず、誠実に開示する姿勢が求められます。とはいえ、リスクをただ羅列するだけでは不安をあおる資料になってしまうこともあります。

重要なのは、リスクの重要度、影響範囲、対策の方向性を整理し、読み手が正しく理解できるようデザインすることです。例えば、優先順位別に整理した表、原因と影響を整理した図、リスクごとの対策マトリックスなど、視覚的に理解しやすい形で開示する方法があります。

リスクを正しく見せる資料は、企業が現状を客観的に理解し、改善する能力があることを示すため、投資家からの信頼を高めます。透明性をデザインで伝えることは、IR資料の質を高めるうえで不可欠な観点です。

成功企業に共通するIR資料デザインの特徴

成功している企業のIR資料には、いくつかの共通点があります。

まず、資料全体を通して一貫したメッセージと視覚デザインが維持されていることです。構成が整っている資料は、読み手が内容に集中でき、企業価値を正確に理解しやすくなります。

また、重要な情報ほどシンプルに見せる工夫がなされています。複雑な財務データをわかりやすく図表化し、戦略と数字を一体で見せるスライドが多い点も特徴です。説明の根拠が丁寧で、読み手が納得できるよう補足情報が整理されている資料は、投資家から高く評価されます。

さらに、企業の世界観やブランドが資料に反映されていることも共通点です。色やフォント、余白の使い方から企業の姿勢が垣間見える資料は、読み手の印象に強く残ります。こうしたデザインの積み重ねが、投資家の信頼へとつながっています。

自社のIR資料を改善するためのステップ

IR資料を改善する際は、まず現状の課題を洗い出すことから始めます。情報構造、レイアウト、図表、色調、ストーリー、リスク開示などの観点から、資料がどこで読みづらくなっているかを整理します。

次に、資料全体を通して伝えたいメッセージを言語化し、章立てと構成を再設計します。そのうえで、戦略と数字の整合性を確認し、必要な図表を洗い出します。情報の取捨選択を行い、スライドごとに主張を絞ることで、読みやすさが格段に向上します。

デザイン作業では、フォントと色調を統一し、レイアウトを整えます。重要な情報ほどシンプルに伝える意識が必要です。また、第三者に資料を確認してもらうことで、客観的な改善点が見つかるため、社内外のフィードバックを取り入れることも有効です。

これらのポイントをおさえておけば、自社のIR資料をより一層素晴らしいものに仕上げることができます。

まとめ

IR資料のデザインは、企業価値を正しく伝え、投資家からの信頼を獲得するための重要な要素です。情報整理、レイアウト、データ可視化、トーンの統一、ストーリーの一貫性、リスク開示など、複数の観点を総合的に整えることで、質の高い資料が生まれます。

成功企業の資料に共通するのは、読み手の理解を徹底的に意識したデザインです。資料構成が整い、視線誘導が自然で、数字の背景まで伝わる資料は、投資家に安心感と信頼感を与えます。

自社の資料改善においても、今回紹介したデザイン観点を取り入れることで、企業の魅力が正しく伝わり、投資家とのコミュニケーションが大きく前進します。継続的な改善を続けることで、企業価値の訴求力はさらに高まり、長期的な関係構築にもつながります。

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