資料作成の外注費用はいくらが相場?自作とのコスパを検証

資料作成の外注費用はいくらが相場?自作とのコスパを検証


近年、営業資料や提案書、IR資料、セミナー用スライドなどを外部の専門家に依頼する企業が増えています。その背景には、ビジネスのスピード化と情報量の増加があります。

自社で資料を作ると膨大な時間がかかり、デザインの統一感や構成の論理性を保つのが難しいと感じる企業が多いのです。また、オンライン商談やウェビナーが一般化した今、資料が「営業担当者の代弁者」となり、完成度の高いスライドが成果を左右するようになりました。

専門の外注サービスを利用すれば、構成からデザインまで一貫して整った資料を短期間で仕上げることができます。社内の作業時間を削減しつつ、成果を出すためのストーリーを設計できる点が、外注の大きな魅力です。

本コラムでは、資料作成を外注した場合の費用相場、コストを左右する要素、自作との違い、外注のメリット・デメリットなどを整理し、最終的に「どちらが得か」を考察します。ぜひ最後までご覧ください!

本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案や資料作成に関する豊富な経験を有する。

資料作成を外注した場合の費用相場

資料作成を外注する際の費用は、依頼内容や目的によって大きく異なります。一般的な目安として、10〜15ページ程度の営業資料で5万円〜15万円前後が相場です。これには、構成の見直し・デザイン調整・修正対応などが含まれます。

より戦略的な内容設計やグラフィック要素を多く取り入れる場合は20万円〜30万円程度に上がることも珍しくありません。

たとえば、提案書・営業資料など顧客向けのスライドは10万円〜20万円が主流で、ブランドトーンを意識した採用ピッチ資料やIR資料では、デザイン性と表現力が重視されるため、30万円以上かかることもあります。対して、社内研修資料やマニュアルのような内部資料であれば、テンプレートを利用して5万円前後で制作できるケースもあります。

料金体系にも2つのパターンがあります。1つは「スライド単価制」で、1枚あたり3000〜1万円が目安です。もう1つは「パッケージ料金制」で、ヒアリングから構成・デザイン・修正までを一括対応するプランです。

納期や修正回数も費用に影響します。通常納期(7〜10営業日)であれば標準価格ですが、3日以内の特急対応では1.5〜2倍の料金になるのが一般的です。また、修正回数が多いと追加費用が発生します。

結論として、外注費用は 1ページ=1万円前後 が目安です。

費用を決める3つの要素(ボリューム・デザイン・構成)

資料作成の外注費用は、主に3つの要素によって構成されています。

1つ目は ボリューム(ページ数) です。スライドが多ければ多いほど、当然作業量が増えます。10ページと30ページでは工数が3倍になるため、費用も比例して上がります。加えて、グラフや図表を多用する資料は1ページあたりの制作時間が長く、単価が高くなる傾向にあります。

2つ目は デザインの複雑さ です。テンプレートをベースに整えるだけの簡易デザインであれば数万円程度で済みますが、ブランドカラーやフォント統一、ビジュアル演出を含めたフルカスタマイズデザインを求める場合は、10万円以上が一般的です。

3つ目は 構成(ストーリー設計) です。ここが最も費用差が出やすい部分です。依頼者が既に構成案を持っており、それを整えるだけなら安価に済みますが、ゼロからヒアリングして構成を設計する場合は、戦略的思考やライティング力が求められるため、料金が倍近くになります。構成設計を含む外注では、単なる資料ではなく「プレゼンの流れそのもの」を設計するため、成果に直結する価値を持っています。

したがって、同じ10ページの資料でも、構成を自社で作るか・外注するか、テンプレートを使うか・フルデザインにするかによって、5万円〜30万円まで価格が変わることがあります。

自作との比較|時間コストと成果の違い

自作資料と外注資料の最大の違いは「時間と成果のバランス」です。

自分で資料を作ると、コストは一見ゼロですが、実際には多くの時間が費やされます。一般的に1スライドを作成するのに30〜60分かかり、10ページなら5〜10時間、構成やデザイン調整を含めると20時間を超えることもあります。もし社員の時給を3000円と仮定すると、社内コストは6万円に達します。これは、外注費用の半分〜3分の2に相当します。

さらに、自作では「伝わる資料」に仕上げることが難しいという課題があります。社内の視点だけで作成すると、情報が多すぎて要点がぼやけたり、専門用語が多くなりすぎたりすることがよくあります。その結果、相手に正しく伝わらず、商談や提案の成果に影響します。

一方、外注では第三者視点で「伝える順番」や「見せ方」を設計してくれるため、読み手にとって理解しやすく、印象に残る資料が完成します。

たとえば、ある企業が提案資料を外注したところ、受注率が1.8倍に上がったという実例もあります。プロの構成力とデザイン力は、時間短縮だけでなく成果を変える力を持っているのです。

外注のメリット・デメリット

資料作成を外注する最大のメリットは、時間を節約しながら高品質な資料を得られる点にあります。

社内リソースを営業や開発に集中できるため、生産性が向上します。さらに、プロの手によってデザイン・構成・表現が統一され、クオリティの高い成果物が短期間で納品されます。特に営業資料や採用資料のように第一印象を左右する資料では、外注の効果が顕著に現れます。

一方でデメリットもあります。

まず、一定の費用がかかることです。社内制作と比較するとコストは発生します。また、依頼内容を十分に伝えられないと、完成資料が意図とずれるリスクがあります。そのため、目的・ターゲット・使用場面などを明確に共有することが欠かせません。

もう一つの注意点は修正対応です。修正依頼が多いとスケジュールが延びたり、追加費用がかかることもあります。発注時点で修正回数・対応範囲を明確にすることで、トラブルを防げます。

ただし、これらのデメリットは適切な準備で解消できます。目的を明確にし、信頼できる外注先を選べば、コスト以上の成果を得られるケースが多いのです。

コストを抑えつつ質を高める外注のコツ

コストを抑えながら高品質な資料を作るには、依頼範囲を戦略的に決めることが重要です。すべてを外注せず、「構成は自社で、デザインだけ外注する」といった部分依頼を活用すれば、費用を半分程度に抑えられます。

さらに、初回発注時には、目的とゴールを明確に伝えることが大切です。たとえば「3分で概要を伝える資料にしたい」「商談で使うため印象を重視したい」といった具体的な情報を共有すれば、修正工数が減り、コストを最小化できます。

また、外注業者の得意領域を見極めることもコツです。営業資料が得意な業者、IR資料が得意な業者など、強みが異なります。自社の目的に合う外注先を選ぶことで、同じ費用でも成果が大きく変わります。

外注先の種類と特徴(代行サービス・デザイン会社・フリーランス)

資料作成の外注先には主に3つのタイプがあります。

1つ目は「資料作成代行サービス」。最も手軽でスピード対応に優れ、構成・デザイン・修正までをパッケージで請け負うことが多いです。費用は5万〜15万円が中心で、初めて外注する企業に向いています。

2つ目は「デザイン会社」。ブランド戦略や広告制作も行う会社で、ビジュアルの完成度が高く、統一感のある資料を求める場合に適しています。費用はやや高めで、10万〜30万円程度です。

3つ目は「フリーランス」。費用を抑えやすく柔軟な対応が可能ですが、スキル差が大きいため、ポートフォリオや実績を必ず確認することが重要です。個人事業主やスタートアップが短納期で依頼したい場合に適しています。

選び方のポイントは、目的に応じた強みを持つ業者を選ぶことです。総合力を頼りにしたいのであれば代行サービス、とにかくデザインのみを重視したい場合はデザイン会社、費用だけで考えるならフリーランスが有効です。

外注の流れと注意点(依頼から納品まで)

資料作成を外注する際の流れは、①ヒアリング → ②構成提案 → ③デザイン制作 → ④初稿確認 → ⑤修正対応 → ⑥納品という6段階で進みます。

中でも最も重要なのはヒアリングです。目的・ターゲット・使用場面・希望のトーンを具体的に共有し、過去の資料や参考デザインを提示することで、完成度が大きく変わります。

構成提案では「何をどの順で伝えるか」をすり合わせます。この段階で方向性が固まっていれば、デザイン制作はスムーズに進みます。

その後、一部デザインを制作してもらってイメージをすり合わせ、残りのスライドをすべて仕上げて初稿を完成させます。

修正依頼の際は、「印象を明るく」など曖昧な指示ではなく、「背景を白に」「フォントを太字に」など具体的に伝えるのがポイントです。

また、納品後のトラブルを避けるためには、修正回数や追加費用の有無を契約時に明確にしておくことが大切です。納期には余裕を持ち、最終確認に時間を確保しておくと安心です。

外注を成功させる鍵は、依頼者と制作者の情報共有にあります。発注側が目的を丁寧に伝え、外注側がそれを的確に形にすることで、初めて伝わる資料が完成します。

外注と自作、結局どちらが得なのか?

外注と自作のどちらが得かは、目的と時間の使い方で変わります。短期的にコストを抑えたいなら自作が有効ですが、長期的な成果を重視するなら外注が圧倒的に有利です。自作では費用こそ発生しませんが、作成に10〜20時間を要するため、人件費換算では数万円規模のコストが発生しています。

外注は一時的な支出が増えるものの、構成やデザインが体系的に整理され、営業成約率や採用効果などに直結する成果が見込めます。さらに、外注資料は社内のテンプレートとして再利用でき、次回以降の制作効率を高めます。

理想は、両者を組み合わせることです。初回に外注で高品質な資料を作成し、その後は社内で内容を更新していくハイブリッド運用を行えば、品質とコストのバランスを維持できます。外注は単なる経費ではなく、成果を高めるための投資として考えることが重要です。

まとめ|費用ではなく「投資対効果」で考える資料作成

資料作成を外注するか自作するかは、単なる費用比較ではなく「投資対効果」で判断すべきです。 資料は企業の印象を決め、成約率や採択率を左右する重要な資産です。プロの外注を上手に活用すれば、社内リソースを節約しながら成果を最大化できます。費用を支出としてではなく、成果を生み出す投資として捉えることこそが、これからの時代の資料作成の在り方です。

ちなみに、「自分で資料を作るのは大変・・・」「プロの力を借りたい!」という方は、「Business Jungle資料作成」をご利用ください!1枚3,000円から、あっと驚く資料作成のお手伝いをさせていただきます。まずはお気軽にご相談くださいませ。

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