成果を出すサービス紹介資料の作成方法|営業効果を高める5つのステップ

成果を出すサービス紹介資料の作成方法|営業効果を高める5つのステップ


営業活動における最初の接点であるサービス紹介資料は、成約率や顧客の印象を大きく左右する存在です。

営業担当者が直接会話を通じて伝えられる情報は限られており、商談後に社内で検討が進む段階では、残された資料が意思決定を左右するケースが少なくありません。そのため、効果的なサービス紹介資料を作成できるかどうかが営業成果に直結します。

本コラムでは、なぜサービス紹介資料の作成が成果を変えるのかを確認した上で、成果を出すための5つのステップを解説します。ターゲットの明確化から課題提示、差別化、事例活用、そしてデザインとストーリー構築まで、実務で即活用できる具体的なアプローチを紹介します!

本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案や資料作成に関する豊富な経験を有する。

なぜサービス紹介資料の作成が営業成果を左右するのか

サービス紹介資料は単なる説明書ではなく、営業活動の成否を大きく分ける要素です。その理由の一つは、顧客の意思決定プロセスにおける影響力にあります。

多くの場合、サービスを導入する際には複数の担当者や部門、個人の場合は家族が関与します。商談で直接説明を受けるのはごく一部であり、その後の検討は資料をもとに行われます。つまり、サービス紹介資料が顧客の議論をリードする存在となり、意思決定者に届く情報の質と量を左右します。

また、競合他社との差別化の観点でも重要です。顧客は複数の企業から選択できるため、内容が抽象的でわかりにくい資料は比較対象から外されやすくなります。逆に、課題と解決策が明確で、数字や事例に裏付けられた資料は、短時間で説得力を持ち、競合優位性を生み出します。

さらに、サービス紹介資料は営業担当者の力量を補完する役割も果たします。経験豊富な担当者でなくても、体系立てられた資料があれば安定した説明が可能ですし、担当者が交代しても顧客への印象がブレにくくなります。

このように、サービス紹介資料の完成度が高ければ高いほど営業成果は安定し、効率的に案件を進めることができます。営業活動をスケールさせたい企業にとって、サービス紹介資料の作成に投資する価値は非常に大きいのです。

ステップ1:目的とターゲットを明確にする

成果を出すサービス紹介資料を作成するためには、まず目的とターゲットを明確にすることが不可欠です。

資料を作成する段階で多くの企業が陥りがちなのは、情報を盛り込みすぎて焦点がぼやけてしまうことです。顧客にとって何を伝えたいのか、どんな行動を促したいのかを定義しないまま資料を作ると、結局は「何が強みなのかよくわからない」という印象を残してしまいます。

目的を設定する際には、営業活動全体の流れを意識します。初回商談でサービスを認知させるための資料と、最終提案で導入判断を後押しする資料とでは、内容も構成も異なります。例えば、初回接触ではサービスの概要と導入メリットに重点を置く一方、最終提案では価格モデルやROIシミュレーションなど具体的な情報が求められます。

ターゲットの明確化も同様に重要です。経営層向けには全体像と戦略的メリットを強調し、現場担当者向けには操作性や導入手順など実務的な観点を重視します。ターゲットごとに訴求ポイントを切り替えることで、相手に響く内容へと進化させることができます。

目的とターゲットを整理することは、資料全体の方向性を決める基盤となります。このプロセスを省略すると、いくらデザインや事例を工夫しても成果にはつながりません。したがって、サービス紹介資料を作成する際は、最初に「誰に、何を、どの段階で伝えるのか」を明文化することから始めるべきです。

ステップ2:顧客の課題を整理し、解決策を打ち出す

顧客に響くサービス紹介資料を作成するためには、顧客が抱えている課題を明確にし、それに対して自社サービスがどのような解決策を提供できるのかを提示することが不可欠です。営業資料の中で課題提示を軽視すると、顧客にとって自分ごとにならず、サービスが必要である理由を感じてもらえません。

効果的な課題整理の方法としては、まず市場や業界に共通する構造的な問題を提示することが有効です。たとえば「業務効率化が求められる一方で人材不足が深刻化している」といった状況をデータとともに示すと、多くの顧客が共感します。そのうえで、個別の顧客が直面しやすい具体的な課題を掘り下げ、自社サービスがそれをどう解消するかを具体例を交えて伝えると説得力が高まります。

課題提示の次に必要なのは解決策の提示です。ここでは単なる機能の説明ではなく「課題と解決策がどのようにつながるか」を強調することが重要です。例えば「手作業で行っていた業務を自動化し、処理時間を70%削減する」といった具体的な変化を数字で示すと、顧客は自分の業務に置き換えてイメージしやすくなります。

課題と解決策の関係を明確に示すことで、サービス紹介資料は顧客にとって価値のある情報源になります。結果として、顧客は「このサービスを導入すれば自分の問題が解決できる」と確信し、次の検討ステージへと進む可能性が高まります。

ステップ3:サービスの強みと差別化ポイントを構成する

市場には同様のサービスが数多く存在するため、サービス紹介資料では自社ならではの強みと差別化ポイントを明確に構成することが必要です。顧客は複数の選択肢を比較しているため、差別化が曖昧だと価格競争に巻き込まれやすくなり、成約率や利益率に悪影響を及ぼします。

強みを伝える際に有効なのは、サービスの機能だけでなく、顧客にとっての価値に置き換えて説明することです。例えば「独自のアルゴリズムを搭載している」という表現では技術的すぎて伝わりにくいですが、「従来のシステムよりも分析時間を半分に短縮できる」という形で具体的な成果に言い換えれば、顧客は自分の業務改善に直結するメリットとして理解できます。

また、差別化ポイントを明確にするためには、競合の特徴を把握したうえで比較することが欠かせません。競合が提供していないサービス範囲、価格体系の柔軟性、サポート体制の充実度など、自社が優位に立てる領域を明示すると効果的です。加えて、差別化要素を視覚的に整理したマトリクスやチャートを活用すると、顧客は短時間で違いを理解できます。

サービス紹介資料の役割は、単にサービスの存在を知らせることではなく「なぜこのサービスを選ぶべきか」を納得させることにあります。そのため、強みと差別化を軸にした構成を設計することは、営業成果を高める上で極めて重要なステップです。

ステップ4:事例・データを盛り込み信頼性を高める

顧客はサービス導入にあたり、リスクを最小化したいと考えています。そのため、サービス紹介資料に具体的な事例やデータを盛り込むことで信頼性を高めることができます。抽象的な説明だけでは「本当に効果があるのか」という疑念が残りますが、数値や実績が裏付けとして示されると、顧客は安心して検討を進めることができます。

効果的な事例紹介の方法としては、導入前の課題、導入のプロセス、導入後の成果を一連のストーリーとしてまとめることです。これにより、単なる成功談ではなく再現性のある実績として伝わります。例えば「導入前は業務時間が1日8時間かかっていたが、導入後は5時間に短縮された」といった具体的な変化は非常に説得力を持ちます。

データの活用も重要です。利用者数、リピート率、ROI改善などの指標をグラフやチャートで表現することで、顧客は一目で効果を理解できます。また、第三者機関の調査や受賞歴を資料に掲載することで、客観的な評価が加わり信頼性がさらに高まります。

このように、事例とデータを組み合わせることでサービス紹介資料は強力な営業ツールに進化します。顧客が「このサービスを選べば確実に成果が出る」と確信できる状態を作り出すことが、営業成果につながるのです。

ステップ5:デザインとストーリーで伝わりやすさを最大化する

サービス紹介資料は、内容が優れているだけでは不十分です。顧客に伝わりやすいデザインとストーリー構成があって初めて成果につながります。見やすさや分かりやすさはもちろん、視覚的な印象はサービスの信頼性にも直結します。

まず、デザイン面では統一感とシンプルさが重要です。フォントやカラーを統一し、1スライド1メッセージを徹底することで、顧客は短時間で要点を理解できます。余白を効果的に使うことも、読みやすさを高めるポイントです。

次に、ストーリーの流れを設計することが欠かせません。課題提示から始まり、解決策、強み、事例、未来への展望へと自然に展開していくと、顧客は無理なく理解を深められます。ストーリー性がある資料は、営業担当者が説明する際にも使いやすく、顧客が社内で説明する際にも再現性が高まります。

さらに、デザインとストーリーを組み合わせることで、顧客に感情的な共感を呼び起こすことも可能です。未来の姿をビジュアルで描いたり、実際のユーザーの声を引用したりすることで、資料は単なる情報伝達の手段を超え、相手の心を動かす武器になります。

サービス紹介資料の作成においては、デザインとストーリーが最終的な決め手となることを意識することが重要です。

まとめ

サービス紹介資料の作成は、営業活動において成果を左右する大きな要素です。本コラムでは、目的とターゲットの明確化、課題整理と解決策提示、強みと差別化の構成、事例とデータによる信頼性強化、デザインとストーリーによる伝わりやすさの最大化という5つのステップを解説しました。

どのステップも単独で重要ですが、すべてを組み合わせることで資料の完成度は格段に向上します。顧客にとって理解しやすく納得感のあるサービス紹介資料は、営業成果を引き上げる強力な武器となります。

自社の資料を改善する際には、今回の5つのステップを参考にしながら、自社の強みを最大限に活かした構成を目指すことが成功の鍵となるでしょう!

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