【日本政策金融公庫】創業融資の審査内容を徹底解説|審査で見られる項目とは

【日本政策金融公庫】創業融資の審査内容を徹底解説|審査で見られる項目とは

日本政策金融公庫の創業融資は、創業前後の事業者にとって非常に重要な資金調達手段です。

設備費や運転資金を自己資金だけでまかなうことは難しく、多くの創業者が創業融資を活用することで事業をスタートしています。しかし、創業融資は誰でも簡単に通過できるものではなく、計画の精度や創業者の姿勢が審査結果を大きく左右します。

多くの創業者が不安に感じるのは、審査では具体的に何が見られ、どのような観点で評価されるのかという点。審査内容が分からないまま書類を作成しても、手戻りが発生したり、面談で十分に説明できなかったりといった問題が起こりやすく、結果として審査に落ちてしまうこともあります。

この記事では、日本政策金融公庫が創業融資で何を審査するのかに絞ってまとめ、審査内容を10つの観点からわかりやすく整理しています。創業者が準備すべきポイントを具体的に理解できるように構成しておりますので、創業融資の通過率を高めるための実践的な知識を得られる内容となっています。ぜひ最後までご覧ください!

なお、わたしたち「Business Jungle 創業計画書作成」と一緒に創業計画書を作成したい方は、いつもでご連絡ください。日本政策金融公庫の創業融資において、最も重要になる創業計画書を4,800円から作成代行させていただきます!

本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案や事業計画作成に関する豊富な経験を有する。

審査内容① 事業の実現可能性

まず、事業が本当に成立するのかどうかは、創業融資において最も基本となる審査項目です。市場規模、顧客ニーズ、競合状況、提供する商品やサービスの価値など、事業の確度を判断する材料が求められます。

ここでは、事業の実現可能性を示すためには、対象となる顧客が誰で、どのように集客し、どれほどの売上を見込むのかを具体的に説明する必要があります。市場調査や競合分析が十分でない場合、事業の成功確率が低いと判断され、審査結果にも影響します。

実現可能性の高さは、創業者の事業理解度にも直結するため、表面的な説明ではなく、根拠に基づいた論理的な説明が求められます。

審査内容② 収益計画の妥当性

収益計画は、融資担当者が最も丁寧に確認する項目です。根拠のない売上予測や過度に楽観的な収益計画は信頼性を欠き、審査でマイナス評価につながります。

売上予測の根拠には、顧客数、客単価、回転率、稼働率などの具体的な算出方法が必要です。費用についても、仕入れや人件費、固定費をどのように見積もっているかが問われ、数字の整合性が重要になります。

収益性が低すぎる場合や、損益分岐点が高すぎる場合、事業としての継続性に懸念が生まれ、審査では慎重に扱われてしまいます。数字は計画の骨格であるため、厳密な根拠と説明が不可欠です。

審査内容③ 資金計画と返済能力

創業融資では、事業の収益性だけでなく、返済能力も重要です。借入額に対して返済可能なキャッシュフローがあるかどうかを確認し、資金繰りの観点から事業が成立するかどうかを評価します。

資金計画の妥当性を示すには、設備資金、運転資金、開業費用をどのように算出したのかを説明のうえ、見積書や契約予定書などの根拠資料を揃える必要があります。

返済能力は、月々の返済額がキャッシュフローの中でどの程度の負担になるかによって判断されます。返済計画が無理のあるものであれば、創業融資は通りにくくなります。

審査内容④ 創業者の経験・スキル・姿勢

創業者自身の経験やスキルは、融資における非常に重要な判断基準です。事業内容と創業者の経歴が一致しているかどうかは特に注目されます。

全く異なる業界からの転身であれば、経験不足によるリスクがあると判断されるため、必要なスキルをどのように補うのかを説明する必要があります。

さらに、創業者の姿勢や誠実性も評価されます。準備状況、事業への熱意、長期的に取り組む覚悟などが面談や資料から読み取られ、審査結果に大きな影響を与えます。

審査内容⑤ 自己資金の状況と資金準備力

自己資金は、創業者がどれだけ事業に本気で向き合っているかを示す指標です。自己資金が少ない場合、準備不足と見なされることがあり、創業融資の審査では不利になることがあります。

日本政策金融公庫では自己資金が多いほど事業の安定性が高いと判断されます。総投資額に対して三割程度の自己資金が確保されていると、計画の信頼性が高まる傾向にあります。

また、審査のためだけに準備した見せ金や、短期的に借りた資金は認められないため、通帳の入出金履歴も確認されます。自己資金は創業融資の通過率に直結する重要な要素です。

審査内容⑥ 信用情報

信用情報は、創業融資の審査で最も厳しく確認される項目です。過去の延滞、クレジットカードの未払い、税金の滞納などがある場合、信用力に疑問が生じ、審査結果に大きく影響します。

創業融資は長期間の返済が前提となるため、安定的な支払能力を示す信用情報は非常に重要です。信用情報に問題がある場合は、早急に改善し、数ヶ月間適切な支払いを続けたうえで申請するのが望ましいと言えます。

審査内容⑦ 事業の継続性とリスク耐性

事業が安定的に継続できるかどうか、日本政策金融公庫は慎重に判断します。外部環境の変化、市場の競争状況、季節変動など、事業リスクをどう捉えているかが確認されます。

リスクに対してどのような対策を講じているのか、代替案があるのかなどを説明できると、事業の安定性が高いと判断されます。事業継続性の弱さは返済不能リスクにつながるため、審査では重要な評価項目です。

審査内容⑧ 仕入先・取引先・物件などの準備状況

事業を開始するための準備がどこまで進んでいるかも確認されます。仕入先や取引先との関係性、事業用物件の確保状況、契約予定の内容などが重要です。

準備が十分であるほど事業開始がスムーズに進むと判断され、審査で高く評価されます。逆に、物件が未確定であったり、仕入先の確保ができていなかったりすると、事業開始の不確実性が高まり、融資審査に不利になります。

審査内容⑨ 創業計画書の品質

創業計画書は創業融資の中心となる資料です。計画書の品質が低い場合、内容を正しく説明できていなかったり、根拠が不足していたりすると、審査を通過することは困難になります。

計画書では、事業の目的、提供する価値、競争優位性、売上予測、資金計画などが一貫した形で整理されている必要があります。論理性や読みやすさも評価されるため、計画書の完成度は通過率に直結します。

ここまで整理してきた審査内容を、創業計画書という成果物に落とし込み、融資担当者を唸らせるような内容に仕上げましょう!

審査内容⑩ 面談のパフォーマンス

面談は、創業計画書だけでは伝わらない創業者の理解度や姿勢を確認するための重要な場です。担当者の質問に対して曖昧な回答が続くと、準備不足と判断され、審査で不利になります。

逆に、面談で事業の背景や根拠、数字の説明がしっかりできると、創業者の信頼度は大きく高まります。事前準備を十分に行い、自分の言葉で自然に説明できる状態をつくることが重要です。

創業計画書と同様、ここまで整理してきた審査内容を面談時のパフォーマンスとして発揮して、融資担当者を感心させましょう!

創業融資の審査に通過するための方法

創業融資に通るためには、創業計画書の完成度だけでなく、事業そのものへの理解や、審査担当者に伝わる説明ができるかどうかが重要になります。

事業の実現可能性や売上計画の妥当性、資金計画と返済能力、創業者の経験や姿勢、自己資金の状況、信用情報、リスクへの向き合い方、準備状況といった審査項目の多くは、創業計画書と面談という2つの場を通じて評価されます。

そのため、創業融資に挑む創業者は、この2つを軸に準備を進めることが大切です。

まずは、創業計画書の段階で事業が成り立つ理由を丁寧に説明できる状態を整える必要があります。
誰に価値を届けるのか、どのように売上を積み上げるのか、競合と比べたときの強みは何か、どれほどの費用がかかり、どのように返済していくのかといった要素を、数字と論理を用いて整理します。計画書は審査担当者が事業を理解するための地図のようなものであり、読み手が迷わずに全体像を把握できる構成になっていることが重要です。

そして、もう一つの重要な場が面談です。
面談では、計画の背景や根拠を、自分の言葉で自然に説明できるかどうかが問われます。ここでは、創業者自身の経験やスキル、事業への姿勢が明確に表れます。なぜこの事業をやるのかという動機、想定されるリスクへの向き合い方、準備の進み具合などが、対話を通じて伝わるため、面談は計画書以上の説得力を持つ場でもあります。事業を深く理解している創業者ほど、数字の意味を語ることができ、事業の成功に対する確信を相手に伝えられるようになります。

まとめ

日本政策金融公庫の創業融資の審査内容は多岐にわたりますが、その本質は事業の実現性と返済能力を総合的に判断することにあります。この記事で紹介した10の審査項目を理解し、それぞれに対して十分な準備を行うことで、創業融資の通過率は大きく向上します。

創業融資は、創業者の挑戦を支える大切な制度です。必要な準備を丁寧に積み重ねれば、事業の未来は大きく開けていきます。本記事で説明した審査内容を踏まえつつ、創業計画書と面談で事業内容を正しく表現しましょう!

わたしたち「Business Jungle 創業計画書作成」は、勇気を出して創業しようとしている、あるいは既に創業しているあなたを応援しています。

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