【記入例・テンプレート付き】動物病院の事業計画書を徹底解説

【記入例・テンプレート付き】動物病院の事業計画書を徹底解説

動物病院は、医療機関であると同時に、サービス業としての側面も強く求められる事業です。

診療行為そのものは専門性が高く、判断の正確さが最優先される一方で、飼い主の感情や期待に応えるコミュニケーションも欠かせません。この二つを同時に成立させることが、動物病院経営の難しさにつながっています。

さらに、動物病院は人の医療と異なり、公的保険制度に守られていません。診療内容、価格設定、設備投資の判断など、多くを自院で決める必要があります。その自由度の高さは強みである一方、判断を誤ると経営への影響が直接的に表れます。

事業計画書は、医療方針を説明する資料ではなく、経営としての戦略を整理するための資料です。動物病院という特殊性の高い事業だからこそ、感覚ではなく戦略として、段階的に整理することが重要になります。

ちなみに、今回ご紹介させていただく事業計画書は初心者向けの簡易的な内容になりますが、自分なりに改善余地を考えていくことで、より良い事業計画書に仕上げることができます。

こちらはわたしたちBusiness Jungleの事業計画書サンプルですが、デザインなどを工夫すれば、こんな資料も手に入るかもしれません!

Business Jungleと一緒に、こんな事業計画書を作成したい方はぜひご連絡ください。刺さる事業計画書を9,800円から作成代行させていただきます!

本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業計画書作成や事業戦略立案に関する豊富な経験を有する。

動物病院の事業計画書テンプレート

さっそくですが、本コラムをご覧になってくださった方のために、事業計画書のテンプレートからプレゼントさせていただきます。こちらは、コラムの中でご紹介させていただく内容をまとめたものになっておりますので、ぜひご活用ください!

ただし、テンプレートはあくまでも「こういう風に書けばいい」という例示に過ぎません。あなたの事業にとって、最適な記載内容があるはずですので、本コラムの内容をきちんと理解したうえで、テンプレートをもとに改善を繰り返していきましょう。

そうすることで、あなただけの最高の事業計画書が完成するはずです。頑張ってください!

事業計画書の10つの構成要素

まず、事業計画書に決まりきった型はありません。しかしながら、事業計画書に盛り込まれることが多い基本的な項目は存在します。

本コラムでは、日本政策金融公庫の創業計画書で登場する10つの項目を例にとり、それぞれについて詳しく見ていきます。これらの構成要素を網羅することができれば、事業計画書としては大きな抜け漏れがなくなるはずです。

難しく感じるかもしれませんが、ひとつひとつ丁寧に見ていけば怖がることはありません。

自分自身の事業整理のため、金融機関に提出するためなど、事業計画書を作成する理由はさまざまですが、こうした要素をおさえれば、あなたの目的はきっと達成されるでしょう。

構成要素概要
①創業の動機「なぜ創業しようと思ったのか」という、事業に対する根源的な思いを整理します。
②経営者の略歴等経営者の簡単な経歴を、資格保有や許認可取得の状況とあわせて整理します。
③取扱商品・サービスどのような事業を行い、なぜその事業が成立するのかを、市場・競合・自社の差別化ポイントといった観点から整理します。
④従業員常勤役員や一般的な従業員など、人員状況を整理します。
⑤取引先・取引関係等販売先・仕入先・外注先など、取引関係を整理します。
⑥関連企業自社に関連する企業を、自分自身あるいは配偶者が経営している場合は整理します。
⑦借入の状況借入を行っている場合は、代表者個人の借入状況を含めて整理します。
⑧必要な資金と調達方法事業で必要になる設備資金と運転資金、そしてそれらをどのように調達するかを整理します。
⑨事業の見通し創業当初から1年後(または事業が軌道に乗った後)の財務計画を、算出根拠と合わせて整理します。
⑩自由記述欄他項目では表現できていない事業のアピールポイントを整理します。

動物病院の記入例① 創業の動機

創業の動機では、動物が好き、獣医として独立したいといった理由にとどまらず、なぜ自分で経営判断を担う立場を選ぶのかを整理します。

動物病院は、診療の是非だけでなく、設備投資、人員配置、診療範囲の設定など、経営的な判断が日常的に求められる事業です。

勤務医として働く道がある中で、あえて経営を引き受ける理由を言語化することが重要です。診療に集中したいのか、医療環境そのものを自分で設計したいのかによって、動機の質は大きく異なるでしょう。

このように、あなたの想いをあらかじめ整理しておくことで、創業後の経営判断がぶれにくくなります。

動物病院の記入例② 経営者の略歴等

経営者の略歴では、獣医師としての経験年数や専門分野だけでなく、どのような診療環境で判断してきたかを整理します。一次診療中心だったのか、二次診療に近い環境だったのかによって、想定している病院運営の形は異なります。

また、診療技術以外の経験も重要な要素です。スタッフとの連携、飼い主への説明、トラブル時の対応など、対人調整の経験は経営に直結します。

略歴は実績を誇示するためではなく、自分が担える役割と、今後補う必要がある部分を把握するための項目です。自分自身の経験を棚卸ししましょう。

動物病院の記入例③ 取扱商品・サービス

取扱商品・サービスでは、まず自院が置かれている地域の市場環境や、周辺の動物病院がどのような診療を行っているかを整理します。診療科目や価格帯、対応している症例の傾向を把握することで、地域全体として不足している役割や、過剰になっている分野が見えてきます。

そのうえで、自院がどの領域を担うのかを決定します。すべてのニーズに応えようとすると、設備投資や人員負担が急激に増加し、結果として中途半端な体制になりやすくなります。競合との棲み分けを意識し、どこまでを自院で対応し、どこからを他院に委ねるのかを明確にすることが重要です。

市場と競合を踏まえて選択した診療領域に経営資源を集中させることで、診療の質と運営の安定性を両立しやすくなります。取扱商品・サービスは理想像から決めるのではなく、地域における自院の立ち位置を踏まえて戦略的に整理することが、無理のない病院運営につながります。

動物病院の記入例④ 従業員

従業員の項目では、人数そのものを通して、組織としての役割分担を整理します。

動物病院では、獣医師、動物看護師、受付スタッフが連携して初めて診療が成立します。特定の人に業務や判断が集中すると、欠勤や退職時に運営が不安定になります。そのため、どの判断を誰が担うのかを明確にしておくことが重要です。

従業員計画は人を増やすことが目的ではなく、診療と運営が滞らない構造をつくるための準備として考える必要があります。

動物病院の記入例⑤ 取引先・取引関係等

取引先・取引関係等では、まず自院の診療がどのような流れで成り立っているのかを分解し、その中で関わる販売先・仕入先などを整理します。

動物病院の場合、販売先は飼い主であり、診療行為だけでなく、継続的な通院や予防医療を含めた関係性として捉える必要があります。来院頻度や説明の機会が、経営の安定性にどのように影響しているかを整理する視点が重要です。

仕入先については、医薬品や消耗品、医療機器など、日常診療を支える供給体制を確認します。価格条件だけでなく、納品の安定性や急な欠品時の対応力が、診療の継続に直結します。特定の仕入先に依存している場合、その依存度が経営リスクになっていないかを把握しておく必要があるでしょう。

動物病院の記入例⑥ 関連企業

関連企業の項目では、代表者や関係者が別事業を行っている場合、その内容を記載します。そうすることで、動物病院単体だけでなく、関連する企業全体を通して事業の在り方を検討することができます。

関連企業が存在しない場合は、本項目を記載する必要はありません。ただし、将来的に別事業を検討している場合は、その可能性を自覚しておくだけでも、経営の見通しは変わってきます。

動物病院の記入例⑦ 借入の状況

借入の状況では、法人としての借入だけでなく、代表者個人の借入を含めて整理することで、事業の現状をより正確に把握します。資金調達の全体像を可視化することで、現在の経営判断がどのような前提の上に成り立っているのかを確認することができます。

借入を事業と切り離して捉えるのではなく、返済負担や資金繰りが日常の経営判断にどの程度影響しているのかも整理することが重要です。個人の借入を含めて把握することで、事業単体では見えにくい制約や余力が明確になります。

本項目は、現状を評価するためのものとしてはもちろん、将来どのような事業の在り方を目指すのかを検討するための土台となる項目です。借入状況を正しく整理しておくことで、今後の投資判断や経営の方向性を考えるための基礎が整います。

動物病院の記入例⑧ 必要な資金と調達方法

必要な資金と調達方法では、まず設備資金と運転資金を分けて整理します。設備資金では、診療に必要となる医療機器や内装、什器などを洗い出し、それぞれがどの診療方針を支えるための投資なのかを明確にします。すべてを最初から揃えるのではなく、開業時点で本当に必要な設備と、将来的に検討する設備を切り分ける視点が重要です。

次に運転資金では、来院数が想定より少ない期間が続いた場合でも、診療の質や人員体制を維持できるかを確認します。人件費や家賃、医薬品の仕入れなど、削減しにくい支出を前提に、どの程度の期間を耐えられる設計になっているかを整理する必要があります。

調達方法については、資金をどこから調達するかだけでなく、その返済条件が日常の診療判断や休診日の設定に影響を与えないかを確認します。

動物病院の記入例⑨ 事業の見通し

事業の見通しでは、まず売上・原価・費用をそれぞれ洗い出し、収支構造を整理することから始めます。

売上については、来院数や診療単価を前提にしつつ、どの診療行為が主な収益源になっているのかを把握することが重要です。予防医療、一般診療、検査や処置など、売上の内訳を整理することで、事業の特徴が見えてきます。

次に原価では、医薬品や消耗品、検査費用など、診療行為に直接紐づく支出を整理します。売上が増えたときに比例して増える費用と、そうでない費用を区別することで、利益構造を正しく理解しやすくなります。

そのうえで、人件費や家賃、水道光熱費などの固定的な費用を含め、全体の収支計画を立てます。

本項目は楽観的な成長を描くためではなく、売上・原価・費用を整理した結果として、どの水準で事業が成り立つのかを確認するためのものです。数字を通して収支のバランスを把握することで、無理のない事業の見通しを立てることができます。

動物病院の記入例⑩ 自由記述欄

自由記述欄では、これまでの項目では数値や構造として表現しきれなかった考え方や、事業を行ううえで大切にしたい姿勢を整理します。診療方針や経営判断の背景にある考え方を補足することで、事業全体の理解が深まります。

たとえば、飼い主との向き合い方や説明の姿勢、地域との関係性、日々の診療で重視している価値観などは、他の項目では断片的にしか触れられません。本項目では、そうした要素を一つの考えとしてまとめることができます。

自由記述欄は、計画を美しく見せるための場所ではなく、事業の根底にある思いや判断の背景を言語化するための項目です。ここまで整理してきた内容と一貫性を持たせながら記載することで、動物病院としての考え方がより明確になります。

まとめ

動物病院の事業計画書は、理想的な医療を語るための資料ではありません。医療と経営が常に隣り合う事業だからこそ、思いを経営の視点からまとめていくことが大切です。

全体を通して重要なのは、うまくいくという理想を描くことではなく、迷いや負荷が生じたときにどう判断するか、どのような状態であれば事業を進めていくことができるのかを言語化することです。

事業計画書は一度作って終わりではなく、運営の節目で見直しながら使い続けることで、初めて価値を発揮します。構造を理解し、自分たちに合った運営を検討することで、動物病院という事業を長く、安定して続けるための土台が整うでしょう。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
わたしたちBusiness Jungleでは、事業計画書の作成をお手伝いしております。

今回ご紹介した「簡易版の事業計画書」はもちろん、パワーポイントを使用した以下のような「本格版の事業計画書」も作成可能です。ぜひ、私たちと一緒に、最高の事業計画書を作成しましょう。

本格版の事業計画書(記載内容はサンプル)

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※簡易版の事業計画書は、日本政策金融公庫の「創業計画書」のフォーマットに基づいて作成させていただきます

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