個人事業主として事業を始める、あるいはすでに事業を続けている中で、事業計画書は本当に必要なのか、何を書けばよいのか、どこまで作り込むべきなのかと悩んだ経験がある方は少なくありません。
しかし、個人事業主であっても事業計画書が果たす役割は非常に大きく、融資の可否や事業の安定性、将来の成長スピードにまで影響を与える重要な資料となります。
事業計画書は金融機関に提出するためだけの書類ではなく、自分自身の考えを整理し、事業の方向性を明確にするための設計図としても機能してくれます。
本コラムでは、個人事業主の事業計画書に焦点を当て、どのような場面で作成すべきか、どのような構成で書けばよいのか、実際の記入例や無料テンプレートの活用方法までを分かりやすく整理しています。
これから開業を考えている方はもちろん、すでに個人事業主として活動している方にとっても、一度立ち止まって事業を見直すきっかけとなる内容です。ぜひ最後までご覧ください。
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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業計画書作成や事業戦略立案に関する豊富な経験を有する。
個人事業主に事業計画書は本当に必要か|作成すべきケースとは
個人事業主の場合、事業計画書は必ず作成しなければならない書類ではありません。そのため、必要性を感じないまま、何となく事業を始めてしまう方も多いのが実情です。
しかし、事業計画書は融資のためだけの資料ではなく、事業の方向性や収益構造を整理し、将来の事業判断を支える重要な指針となります。
特に、以下のようなケースでは、積極的に事業計画書を作成すべきでしょう。事業計画書の有無が、融資成功や事業の安定性・成長性に大きな差を生むこともあります。
融資を検討している場合
個人事業主が融資を検討する場合、事業計画書は実質的に欠かせない資料となります。
金融機関は、売上や利益の見込みだけでなく、事業を始めた背景や今後の成長可能性、返済の実現性までを総合的に判断します。そして、その判断材料となるのが事業計画書です。
計画書が整理されていない場合、事業戦略が不明確と受け取られ、融資審査において不利になる可能性が高いでしょう。
これから開業・起業する場合
これから開業や起業を予定している個人事業主にとって、事業計画書は事業の羅針盤として重要な役割を果たします。
開業前はアイデアや意欲が先行しやすく、収益構造やコストを十分に検討しないまま進んでしまうことも少なくありません。
しかし、事業計画書を作成することで、誰に何を提供し、どのように利益を生み出すのかを整理できます。結果として、開業後の収益化をより現実的に進めやすくなります。
事業を大きく発展させたい場合
すでに個人事業主として事業を行っている場合でも、売上拡大や新たな取り組みを検討する段階では、事業計画書が有用です。
現状を客観的に整理し、次に目指す方向性を明確にすることで、判断の軸がぶれにくくなります。感覚や経験だけに頼るのではなく、計画として言語化することで、事業を安定的かつ継続的に成長させるための土台を築くことができるでしょう。

個人事業主が事業計画書を作成するメリット
ここまでで、事業計画書を作成すべきケースがご理解いただけたと思います。
事業計画書を作成することで、事業のゴールやそこに至るための方法が分かり、そしてその内容を第三者に分かりやすく伝えることができるようになります。
個人事業主であっても、大多数の方にとっては作成すべき資料であると言えるでしょう。
自分の事業のゴールが分かる
事業計画書を作成する最大の効果の一つは、事業の最終的なゴールが明確になることです。
売上や利益の目標、事業規模のイメージを具体的に言語化することで、漠然とした不安や迷いを整理することができます。
このようにゴールが定まると、短期的な判断に振り回されにくくなり、今何を優先すべきかが見えやすくなります。結果として、事業運営における軸を持つことができます。
ゴールにたどり着くための方法が分かる
ゴールが明確になると、次に必要なのはそこへ至る具体的な道筋です。
事業計画書では、売上を伸ばすための手段や必要なコスト、人的体制などを整理していきます。その過程では、現実的に実行可能な方法とそうでないものが自然と見えてきます。
感覚的な判断ではなく、計画に基づいて行動できるようになることで、無駄な試行錯誤を減らし、効率的に事業を進めることが可能になります。
第三者に事業の魅力を伝えられる
事業計画書は、自分のためだけの資料ではなく、第三者に事業の魅力を伝えるための重要な資料です。
金融機関や取引先、協力者に対して、事業の強みや将来性を客観的に示すことで、信頼を得やすくなります。
口頭では伝えきれない内容も、整理された事業計画書があれば、相手に正確に伝えることができます。これが資金調達や新たな事業機会、支援などにつながる可能性もあるはずです。

【簡易版】個人事業主の事業計画書の書き方・記入例
ここからは、個人事業主の事業計画書の書き方を、分かりやすいようにカフェ事業の記入例を交えながら見ていきましょう。
なお、事業計画書には決まりきった型はありません。本章では簡易版の事業計画書を想定していますが、ご紹介する項目にあわせて作成していけば、事業計画書としての抜け漏れを防ぐことができます。

記入例1:創業の動機
創業の動機では、なぜこの事業を始めようと考えたのかを具体的に記載します。単に独立したいという理由だけでなく、これまでの経験や問題意識、きっかけとなった出来事などを整理することが重要です。
個人事業主の場合、経営者本人の考え方や姿勢が事業の信頼性に直結するため、事業への思いや背景が自然に伝わる内容を意識すると説得力が高まります。

記入例2:経営者の略歴等
経営者の略歴では、これまでの職歴や経験を事業と関連付けて整理します。すべての経歴を書く必要はなく、現在の事業に生かせる経験やスキルを中心にまとめることが大切です。
個人事業主の場合、事業の成功は経営者個人に大きく依存するため、どのような経験を積んできたのかが重要な判断材料となります。専門性や実務経験が伝わる内容を意識しましょう。

記入例3:取扱商品・サービス
取扱商品・サービスでは、提供する内容を分かりやすく説明します。どのような商品やサービスを、どのような形で提供するのかを具体的に記載し、価格帯や特徴にも触れると理解しやすくなります。
また、競合と比較した際の強みや差別化ポイントを簡潔に盛り込むことで、事業の魅力がより伝わりやすくなるはずです。

記入例4:従業員
従業員の項目では、現在の人員体制を整理します。個人事業主の場合、代表者のみで事業を行うケースも多く、その場合はその旨を正直に記載して問題ありません。
将来的に人員を増やす予定がある場合は、どの段階でどのような役割の人材が必要になるかも念頭に置いておくと、事業を推進している中でも焦らずに済むでしょう。

記入例5:取引先・取引関係等
取引先・取引関係等では、主要な取引先や想定している取引形態を記載します。
すでに具体的な取引先が決まっている場合はその内容を整理し、これから開業する場合は、どのような顧客層を想定しているかを記載するとよいでしょう。安定した取引関係を築ける見込みがあることで、事業の継続性を高められます。

記入例6:関係企業
関係企業の項目は、自身や配偶者が経営している他の会社や団体がある場合にのみ記載します。関連企業を整理することで、自分の事業に対するチャンスやリスクを見つけられるかもしれません。
特に関係企業がない場合は、無理に記載する必要はなく、空欄として問題ありません。

記入例7:借入の状況
借入の状況では、すでに借入がある場合にその内容を整理して記載します。
借入先や残高、返済状況などを簡潔にまとめることで、資金状況を整理し、安全に事業を進めることができます。借入があること自体は悪いことではないため、正確に状況をまとめましょう。

記入例8:必要な資金と調達方法
必要な資金と調達方法では、事業を始めるため、または継続するために必要な資金と、その調達手段を整理します。
設備資金や運転資金などの内訳を大まかに示し、自己資金や融資など、どのように資金を確保する予定かを記載します。金額を何に使って・どのように集めるかを示すことで、計画に現実性が増します。

記入例9:事業の見通し(月平均)
事業の見通しでは、月平均の売上や経費、利益の見込みを整理します。
詳細な数値でなくても構いませんが、売上の根拠や主な経費項目を明確にしたうえで、算出根拠をしっかりと示すことが重要です。無理に楽観的な数字を並べるのではなく、現実的な見通しを示しましょう。

記入例10:自由記述欄
自由記述欄では、他の項目では伝えきれなかった事業への考え方や、今後の展望などをまとめます。
事業を通じて実現したいことや、大切にしている価値観などを整理することで、事業の背景や方向性がより明確になります。

【本格版】個人事業主の事業計画書の書き方・記入例
事業計画書の書き方について、イメージを持っていただけたでしょうか。
ここまででご紹介した事業計画書は、あくまでも【簡易版】になります。一方、本気で事業計画書を作成する場合は、次のような【本格版】の事業計画書を目指してみてもよいでしょう。その後の事業運営にとって大きな拠り所となるはずです。
市場・競合の分析結果に基づいて自社戦略を立案し、活動計画や財務計画に落とし込むという流れで構成されていますが、その品質にワクワクすると思います。
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個人事業主が事業計画書でつまずきやすい失敗例
個人事業主が事業計画書を作成する際、スムーズに進むことはあまり多くありません。ここでは、個人事業主のよくある失敗から、どのような点に気を付ければいいかを学びましょう。
まず、個人事業主が事業計画書を作成する際に多い失敗の一つが、内容が抽象的になりすぎてしまうことです。
事業への思いや意欲は伝わっても、具体的にどのように売上を生み、どのような費用が発生し、どの程度の利益を見込んでいるのかが明確でなければ、第三者には実現性が判断できません。
数値予測が楽観的すぎる点もつまずきやすいポイントです。
根拠のない数字を並べてしまうと、計画全体の信頼性が下がってしまいます。実際の事業規模や市場環境を踏まえた現実的な見通しを作成するようにしましょう。
また、個人事業主の場合、経営者自身の経験や強みを十分に書けていないケースも少なくありません。
事業内容だけを説明し、なぜ自分がその事業を行うのに適しているのかが伝わらなければ、説得力は弱くなります。案外抜け漏れてしまう観点ですが、あなたの強みを理解しておくことは、事業運営において極めて重要です。
事業計画書は、事業をよく見せるための資料ではなく、事業を客観的に整理するためのものです。現実的な視点を持ち、第三者の目線で読み返すことが、こうした失敗を防ぐ大きなポイントとなります。

無料で使える個人事業主向け事業計画書テンプレート
なかなか作成が難しい事業計画書ですが、個人事業主が作成する際には、無料で使えるテンプレートを活用するのも有効な方法です。テンプレートを使うことで、どの項目をどの順番で整理すればよいのかが明確になり、構成・内容に悩む時間を減らすことができます。
特に初めて事業計画書を作成する場合、白紙の状態から書き始めるよりも、型に沿って内容を埋めていく方がスムーズに進められます。事業の全体像を把握しやすくなる点も大きなメリットです。
ただし、テンプレートはあくまで補助的な役割であり、記載例をそのまま使うことは避けるべきです。自分の事業内容や状況に合わせて表現や数値を調整しなければいけません。
以下に事業計画書のテンプレートをご紹介させていただきますので、ぜひご活用ください。
簡易版の事業計画書の一覧(業種別)
業種別の事業計画書をまとめています。簡易的な記載形式になっておりますので、クイックに作成することができるはずです。ぜひ参考にしてください。
本格版の事業計画書(PowerPoint)
本コラムで登場したパワーポイント形式の事業計画書です。
しっかりと事業計画内容を作り込みたい方におすすめです。
※権利の関係上、画像などは一部削除しております。

財務モデル(Excel)
財務計画を作成するために使用できるエクセル形式の財務モデルです。
毎回ゼロから手動で試算しなくても、数値を変更するだけですぐに自動で試算できます。

自分で作成する場合とプロに依頼する場合の違い
事業計画書は、自分で作成することも、プロに依頼することも可能ですが、それぞれにメリットと注意点があります。
自分で作成する場合の最大のメリットは、費用を抑えられる点と、自分自身が事業内容を深く理解できる点です。事業の背景や考えを整理しながら書くことで、経営者としての判断軸が明確になり、日々の意思決定にも役立ちます。
一方で、自分で事業計画書を作成する場合、事業戦略の検討に慣れていないことなどから、どうしても内容の品質が低くなりやすい傾向があります。売上や集客の考え方が場当たり的になったり、数字の根拠が弱くなったりすることで、計画全体に一貫性がなくなってしまうケースも少なくありません。
プロに依頼する場合は、第三者の視点を取り入れながら、評価されやすく実行可能な事業計画書を作成できる点が大きなメリットです。事業内容をヒアリングしたうえで構成や表現を整理してもらえるため、説得力や完成度が高まります。
ただし、丸投げしてしまうと、自分自身の理解が浅くなるため、依頼する場合でも計画内容を把握しながら、プロとコミュニケーションを取って進める姿勢が重要です。

本気で事業計画書を作成するなら
本気で事業計画書を作成するのであれば、単なる書類作成としてではなく、事業そのものを整理する機会として全力で向き合うことが重要です。
Business Jungleでは、個人事業主の状況や事業内容を丁寧に整理したうえで、融資や事業成長を見据えた実務的な事業計画書の作成を支援しています。
テンプレートを埋めるだけでは見えてこない強みや課題を言語化し、第三者にも伝わる形に整え、計画書の完成度を飛躍的に向上させることができます。
決して丸投げできず、ご依頼いただく方にも頭を使っていただく必要がありますが、事業をより良いものにしたい方はぜひご依頼ください。
簡易版の事業計画書を作成する場合はこちら
※簡易版の事業計画書は、日本政策金融公庫の「創業計画書」のフォーマットに基づいて作成させていただきます
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まとめ
個人事業主にとって事業計画書は、必ず提出しなければならない書類ではない一方で、事業の安定性や将来の成長を大きく左右する重要な資料です。
融資を検討する場面だけでなく、これから開業する場合や、事業を次の段階へ発展させたいと考えたときにも、事業計画書は自分自身の判断を支える拠り所になります。
本コラムで紹介した書き方や記入例、無料テンプレートを活用すれば、個人事業主であっても事業計画書の全体像を整理することは十分に可能です。ただし、本気で事業を成長させたい、融資や第三者評価を強く意識した計画書を作成したい場合には、専門的な視点を取り入れることも有効な選択肢となります。
事業計画書をきっかけに、自身の事業と改めて向き合い、次の一歩につなげていきましょう。
そして、最後に一言だけ!
Business Jungleと一緒に事業計画書を作成したい方はぜひご連絡ください。刺さる事業計画書を9,800円から作成代行させていただきます!

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