【実例公開】スタートアップピッチ資料とは?基本構成・作り方・事例まで徹底解説

【実例公開】スタートアップピッチ資料とは?基本構成・作り方・事例まで徹底解説

スタートアップにとって、ピッチ資料は単なる説明資料ではありません。
投資家や金融機関、提携先候補などに対して、自社の事業内容や戦略などを短時間で伝え、資金調達や事業提携といった次の一歩につなげるための重要な資料です。

一方で、何をどこまで盛り込めばよいのか分からず、情報が散らかったり、見た目に統一感がなかったりして、せっかくの事業の魅力が十分に伝わらないケースも少なくありません。

本記事では、スタートアップピッチ資料とは何かという基本から、良い資料の条件、基本構成、作り方、押さえるべきポイントまでを、実際の資料を交えながら解説していきます。
また、すぐに使える資料テンプレートもご用意しておりますので、ぜひご活用ください。

これから初めて作成する方はもちろん、すでにピッチ資料はあるものの、より伝わるかたちに改善したい方にとっても参考になる内容を目指しました。
自社の魅力が正しく伝わるピッチ資料を作るためにも、ぜひ最後までご覧ください。

Business Jungleと一緒に作成できるスタートアップピッチ資料のサンプル

なお、今回ご紹介するピッチ資料のテンプレートは、こちらからダウンロードできます。
※権利の関係上、一部画像は差し替えております。

なお、資料作成にお困りの方は、「Business Jungle資料作成」をご利用ください。1枚3,000円から、あっと驚く資料作成のお手伝いをさせていただきます!

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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案や資料作成に関する豊富な経験を有する。

スタートアップピッチ資料とは

スタートアップピッチ資料とは、スタートアップが自社の事業について第三者に理解してもらうためのパワーポイント資料であり、市場や競合の動向、それを踏まえた自社戦略、活動計画・財務計画などをまとめた内容が一般的です。

主な受け取り手としては投資家や金融機関、ピッチ審査員、提携先候補などであり、出資や融資などの資金調達や、その他事業協力などを取り付ける目的で作成されます。
短時間のプレゼンテーションを行う場合もあれば、ピッチ資料だけ送付して読んでもらう場合もあります。

こうした相手は限られた時間の中で複数の案件を比較しているため、ピッチ資料は相手にとって必要な判断材料を過不足なく示し、事業の魅力を端的に伝えることが重要です。

良いスタートアップピッチ資料の条件

それでは、どのようなピッチ資料を作成すれば投資家や金融機関などを満足させることができるのでしょうか。

その答えを簡潔に述べると、評価されるピッチ資料の条件としては、課題設定・市場性・競争優位性・収益性・将来性の5つの観点が網羅されている必要があります。

ピッチ資料を作成する際はこれらの条件を必ず意識して、相手に刺さるピッチ資料を完成させましょう。

投資家が評価する観点説明
課題設定誰のどのような課題を解決しており、課題は解決するにふさわしい内容か?
市場性市場規模は十分であり、今後の成長も期待できるか?
競争優位性競合はどのような取り組みを行っており、どのようにして差別化するか?
収益性事業として利益を生み出せる構造になっているか?
将来性将来的にも事業は成長していくか?

スタートアップピッチ資料の基本構成|必須スライド

ここまでで、スタートアップピッチ資料の概要や、備えるべき条件についてご理解いただけたと思います。
しかし、まだまだ具体的なイメージが湧かないと思います。

そのため、ここからはどのようなスタートアップピッチ資料でも押さえておきたい必須スライドを、わたしたちBusiness Jungleのピッチ資料の実例とあわせて整理していきます。

スタートアップのピッチ資料に決まりきった型はありませんが、必須スライドを網羅するだけで、ストーリー性があり、引き込まれるような資料に仕上げることができます。まずは、模倣からチャレンジしていきましょう。

スライド記載する内容
表紙第一印象を決めるスライドであり、資料名や会社名などを記載する
目次ピッチ資料のスライド構成を記載することで、全体像を示す
エグゼクティブサマリーピッチ資料全体の内容を要約し、本スライドだけで内容理解を促す
目指す姿事業を通して最終的に目指したいゴールを記載する
市場分析業界の規模・成長性や、顧客が抱える課題について深掘りする
競合分析競合を一覧化のうえポジショニングを分析し、自社の勝ち筋を定める
自社戦略自社の商品・サービスや価格、販売方法や販促方法について説明する
活動計画目指す姿を実現するための方法を、数年分の活動計画として落とし込む
財務計画売上・費用・利益など、事業の結果を数値として試算する
裏表紙資料の終わりを伝えたうえで、必要に応じて連絡先などを記載する

なお、今回ご紹介するピッチ資料のテンプレートは、こちらからダウンロードできます。
※権利の関係上、一部画像は差し替えております。

表紙

どのようなスタートアップピッチ資料も、まずは表紙から始まります。
ピッチ資料において第一印象は非常に大切であり、表紙を見せたときに相手をワクワクさせられるかで相手の期待値が大きく変わります。

シンプルで高級感のあるデザイン、画像を使用したインパクトのあるデザインなど、自分たちに合った雰囲気で作成しましょう。
記載するのは、会社名や事業名など必要最小限の情報のみです。

目次

プレゼン用のスタートアップピッチ資料でない場合や、資料のページ数が多くなるような場合には、目次も用意しておくと親切です。

目次があるだけで、ピッチ資料の全体像が分かるため、相手の資料理解が格段に容易になります。
細かな情報を1つずつ積み重ねて提示されるよりも、まずは全体像を提示された方が理解しやすいことは、きっと直感的にもご理解いただけるのではないでしょうか。

エグゼクティブサマリー

スタートアップピッチ資料において、全体の要約として機能してくれるのがエグゼクティブサマリーです。

文章を中心に構成し、「このスライドだけ読めばピッチ資料の内容が分かる」という状態を目指しましょう。
特に、ピッチ資料の読み手は時間がない方ばかりであり、そうした方はエグゼクティブサマリーだけを確認することも少なくありません。

また、ピッチ資料を作成する側の立場で考えても、エグゼクティブサマリーがあることで「資料全体のストーリーに抜け漏れがないか」「分かりやすいピッチ資料になっているか」をチェックすることができるため、ぜひ作成しておきたいスライドです。

目指す姿

忘れがちな内容ですが、ピッチ資料では事業を通して最終的に目指すゴールも示さなければいけません。
一般的には、目指す姿やミッション(果たすべき使命)・ビジョン(将来の理想的な姿)、あるいはパーパス(存在意義)といった言葉で表現されます。

このゴールにたどり着くための手段として、ピッチ資料で各種分析や商品・サービス紹介を行うことになります。
できる限り大きな、しかし現実的なゴールを示して、読み手をワクワクさせることがポイントです。

市場分析

ここからは市場や競合について分析し、自社の事業や戦略の妥当性を示す材料を整理していきます。
まずは、市場分析を通して、「業界の規模・成長性」と「顧客が抱える課題」について考えていきましょう。

市場の規模が小さく成長性も見込めない場合、事業に取り組んでも成長を見込むことができません。
あるいは、顧客に明確なニーズがない場合や、顧客のニーズが把握できていない場合は、事業として成立させることは難しいでしょう。

このような点から、市場の規模・成長性が大きく、顧客のニーズもしっかりと把握しておく必要があります。
あなたの事業に価値があるという裏付けを行うのが、市場分析の目的です。

競合分析

競合分析では、競合の動向を踏まえて、市場における自社のあるべき位置付けを表現していきます。

競合が多数存在している市場、あるいは差別化が難しい市場に参入しても競争に敗れてしまうのは言うまでもないでしょう。
そのため、主要な競合を一覧化・マッピングすることで、市場のどこに、自社としての勝ち筋があるのかを見極めることが大切です。

マッピングに際しては、市場を2軸に分けて考えていくことをおすすめします。
例えば、価格・地域という2軸で分解した場合、「高価格のプレミアム市場は、〇〇地域においては競合が少なく展開余地がありそう」といったヒントを得ることができるかもしれません。

自社戦略

市場・競合の分析が完了した後は、やっと自社の事業戦略について語ることができます。
市場や競合の動向を踏まえたうえで、顧客の課題を解決するアプローチとして、自社の商品・サービスについて徹底的に解説しましょう。

これがピッチ資料における骨子であり、自社の商品・サービスが顧客に提供する価値について、納得できる情報を提供します。
その表現方法は自由ですが、4P(Product:商品・サービス、Price:価格、Place:流通経路、Promotion:販促方法)のフレームワークを使用するなど、相手が気になる情報を網羅的に提供できるようにしましょう。

活動計画

事業を通して目指すゴールは、一足飛びで実現できるわけではないため、段階的な活動計画に落とし込むことも忘れてはいけません。

ピッチ資料を見た人が、事業の実現可能性を高く評価してくれるように、いつまでに・何をするのかを整理しておきましょう。
おおよそ5~10年程度の期間を取り、その間にどのような成長を描くのかを示す必要があります。

投資家や金融機関は、スタートアップが示すゴールに対してのみワクワクするわけではありません。
そのゴールが現実的な計画に落とし込まれていることで、初めて期待してくれるのです。

財務計画

ピッチ資料として評価されるためには、思い・熱量だけではなく、最終的な利益という結果も求められます。
特に、投資家や金融機関は数字の使用を好むため、数年分の財務計画を整理しておきましょう。

数字そのものよりも、数字の裏にある根拠を誰でも納得できるかたちで提示することがポイントです。
数字だけを表面的に計上しても、妥当性・納得感がなければ誰も評価してくれません。

なお、財務計画はエクセルでまとめておくと、各種数値の前提条件が変更された場合でも自動で再試算することができます。
エクセルで作成した財務モデルのテンプレートをご用意しておきますので、ぜひご活用ください。

裏表紙

スタートアップピッチ資料の締めくくりを示すのが、裏表紙の役割です。

シンプルな最終スライドを用意することで、読み手に「この資料の終わり」を伝えることができます。
もし、読み手からの問い合わせなどを期待している場合は、連絡先情報を記載してもよいでしょう。あるいは、特に伝えたいメッセージがあれば、その内容を記載しておいてもよいでしょう。

スタートアップピッチ資料の基本構成|追加スライド

ここまでで述べたのは必須スライドについてでしたが、スタートアップピッチ資料作成の目的に応じて、他にも追加すべきスライドがたくさんあります。

必須スライドを中心に置きつつ、必要に応じて一部スライドを削除したり、順番を入れ替えたり、あるいは追加スライドを加えたりすることで、より目的達成に近い資料ができあがります。

本章では代表的な追加スライドを、いくつか確認しておきましょう。
ここまで登場したBusiness Jungle以外の事例を掲載しておりますので、雰囲気の違いも感じ取ってください。

スライド記載する内容
メッセージピッチ資料を通して伝えたいことを自由に記述して熱意を伝える
課題市場における課題をできる限り具体的に記載する
課題解決課題を解決するための方法を記載する
会社概要会社の名称・事業概要・住所・代表者などを説明する
沿革現在に至るまでに会社で起きた主要な出来事を記載する
組織図会社の部署や部長、役員・メンバーなどを俯瞰して紹介する
選ばれる理由・強み商品・サービスの特徴を説明し、自社ならではの価値を訴求する
お客様の声自社や、自社の商品・サービスに対する声を集めて信頼を醸成する
実績自社のこれまでの売上や受賞歴、主な契約先などを整理する
ビジネスモデル誰にどのような価値を提供し、対価として何を受け取るかを整理する
自己紹介プレゼンターの自己紹介を行う
メンバー紹介会社に属するメンバーの名前や経歴を説明する
業績自社のこれまでの売上・費用・利益などを記載する
スケジュール今後の取り組みについて、具体的なタスク・スケジュールを記載する

メッセージ

ピッチ資料全体を通して最も伝えたい内容を端的に示すスライドです。

事業に対する想いや背景、なぜ事業に取り組むのかといったことを言語化し、読み手の共感を引き出しましょう。
最初に配置してもよいですし、あるいは最後に配置しても魅力的なピッチ資料に仕上がります。

権利の関係上、AI生成の画像・イラストを使用しています

課題

市場や顧客が抱えている課題を具体的に整理するスライドです。

誰がどのような問題を抱えているのかを明確にし、事業の必要性を示します。
抽象的ではなく具体例や数値を用いることで、読み手に納得感を与えることが重要です。

課題解決

提示した課題に対し、自社がどのように解決するのかを示すスライドです。

商品やサービスの概要や特徴などを整理し、自社だからこそ解決できる理由を説明します。
読み手が納得できるよう、具体性と分かりやすさを意識しておきましょう。

会社概要

会社の基本情報を簡潔にまとめるスライドです。

会社名や事業内容、所在地などを整理し、読み手に安心感と信頼性を与えます。
必要な情報は過不足なく整理することで、一目見れば会社の概要が分かるようなスライドにすることが大切です。

権利の関係上、AI生成の画像・イラストを使用しています

沿革

これまでの主要な出来事を時系列で整理するスライドです。

創業背景や重要な転機を示し、企業の成長ストーリーを伝えることができます。
重要な事実に絞って整理していくことで、会社に対する信頼を高めることができます。

組織図

会社の組織構造を俯瞰して示すスライドです。

部署や役割を整理し、事業を実行する体制を明確にしましょう。
単純に組織のみを羅列してもよいですし、役員・部長・メンバーといった登場人物を反映してもよいでしょう。誰が何を担うのかを示すことで、実現可能性への信頼を高めることができます。

選ばれる理由・強み

競合と比較した際の自社の優位性を示すスライドです。

自社の特徴を数点、概要・詳細などとセットで記述していきましょう。
読み手に「なぜ勝てるのか」「なぜこの会社でないといけないのか」を納得させることが重要です。

権利の関係上、AI生成の画像・イラストを使用しています

お客様の声

自社の商品・サービスに対する顧客からの評価やコメントを紹介するスライドです。

第三者の視点を加えることで、自分たちだけで語るよりも事業に対する信頼を高めてくれます。
具体的なエピソードや生の声を交えることで、事業に対してより一層の説得力を持たせていきましょう。

権利の関係上、AI生成の画像・イラストを使用しています

実績

これまでの成果を数値や事実で示すスライドです。

売上や導入社数など、自社の権威を伝えるための情報を整理し、事業に対する魅力を伝えます。
具体的な数字を用いることで、客観的な説得力を高めることが大切です。

権利の関係上、AI生成の画像・イラストを使用しています

ビジネスモデル

収益の仕組みを分かりやすく示すスライドです。

誰に価値を提供し、どのように収益を得るのかを図解を用いながら整理しましょう。
複雑な事業モデルであっても分かりやすく整理することで、読み手にとって理解しやすいピッチ資料に仕上がります。

権利の関係上、AI生成の画像・イラストを使用しています

自己紹介

プレゼンターの経歴や強みを紹介するスライドです。

ピッチ資料自体の内容も大切ですが、ピッチを受ける側からすると、誰が話すのかも非常に大切です。
「この人が事業を推進するのであれば大丈夫」「良い人そうだ」と思ってもらえるような情報を記載しましょう。

権利の関係上、AI生成の画像・イラストを使用しています

メンバー紹介

チームメンバーの経歴や役割を紹介するスライドです。

誰が事業を推進するのかを明確にします。
特にスタートアップは、人こそが資産です。どのような人材が事業を担うのかは重要な評価ポイントとなるため、安心してもらえるような記載を心掛けましょう。

権利の関係上、AI生成の画像・イラストを使用しています

業績

売上や利益などの実績を示すスライドです。

これまでの事業成長の推移を可視化し、事業の魅力やポテンシャルを伝えます。
思いや熱量も大切ですが、最終的な投資判断に直結するのは数字であるため、事実に基づいて数字を整理していきましょう。

スケジュール

事業を推進するうえでの今後の取り組みや計画を整理するスライドです。

具体的なタスクを棚卸しし、各タスクに要するスケジュールを整理していきましょう。
計画性と実現可能性を伝えるために重要な要素となるため、特に直近数ヵ月や1年以内でマイルストーンがある場合は、ぜひ盛り込んでおきたいスライドです。

スタートアップピッチ資料のテンプレート

ここまでで、スタートアップピッチ資料の基本構成についてご理解いただけたと思います。

しかし、今回ご紹介したスライドを自分だけで作成しようとしても、なかなかハードルが高いことも事実でしょう。
そのため、登録不要ですぐに利用できる無料テンプレートをご用意させていただきました。

まずは、すでに何度かご紹介していますが、「必須スライド」の章でご紹介したBusiness Jungleのテンプレートです。
権利の関係上、画像は差し替えておりますので、ぜひお気に入りの画像を使用してご活用ください。

他にも、「追加スライド」の章でご紹介したスライドを含め、他にもさまざまなテンプレートがあります。
テンプレート一覧ページから、お気に入りのスライドを見つけて、アレンジしてご活用ください。

無料のテンプレートを探してみる⇒ テンプレート一覧

スタートアップピッチ資料の作り方

さて、テンプレートをご紹介させていただきましたが、ただ単純にテンプレートを活用するだけではいけません。
投資家や金融機関に刺さるスタートアップピッチ資料に仕上げるためには、作り方の基本を理解しておく必要があります。

繰り返しになりますが、スタートアップにとってピッチ資料は、資金調達や事業成長の成否を左右する重要なアウトプットです。
思いつきでスライドを作り始めてしまうと、伝えたいことが散漫になり、評価されない資料になってしまいます。

本章では、スタートアップでも実践しやすいピッチ資料の作り方を、5つのステップに分けて整理します。
目的を整理し、構成・ストーリーに落とし込み、文章・デザインを作成して最終化していくことで、誰でも高品質なピッチ資料を手にすることができます。

①目的を整理する

最初に行うべきは、ピッチ資料を作成する目的の明確化です。

投資家向けなのか、金融機関向けなのか、あるいはビジネスコンテスト用なのかによって、強調すべきポイントは大きく変わります。
誰に、何を判断してもらいたいのかを言語化することで、ピッチ資料全体の軸が定まり、目的達成に向けて過不足のない資料に仕上がります。

②構成・ストーリーを考える

目的が整理できたら、次はピッチ資料全体の構成・ストーリーを設計します。

いきなりスライドを作るのではなく、まずは目次と各章で伝えたいことを一言メッセージで整理することが重要です。
読み手の目線に立って納得できるストーリーを仕上げなければ、文章・デザインの作成に着手してはいけません。

③文章を固める

構成・ストーリーが決まったら、各スライドに記載する具体的な文章を作成していきます。

この段階では、デザインを考慮する必要は一切なく、ピッチ資料にそのまま記載できる文章を作り上げることが最優先です。
デザインを並行させずに文章から固めることで、修正発生時の手戻りを大幅に減らすことができます。

④デザインを作り込む

ピッチ資料の文章が定まったら、後はデザインを作り込んでいくだけです。

スライド作成に慣れていないと手間取るかもしれませんが、大切なことはデザインを模倣することです。
本記事でご紹介してきた資料やテンプレートなどを活用することで、デザインを模倣して品質を高めていきましょう。

⑤見直して最終化する

ピッチ資料を作り終えたら、見直しすることも忘れてはいけません。

投資家や金融機関の立場で考えると、誤字脱字や細かなミス・矛盾があるだけで、期待は一気に地に落ちてしまいます。
改めて資料全体を読み直してみると、説明のしにくさや改善点も見つかってきますので、最後まで油断せずにブラッシュアップしていきましょう。

スタートアップピッチ資料を作るポイント

ピッチ資料の作り方について、ご理解いただけたでしょうか。
そのうえで、ピッチ資料をより良いものに仕上げるためには、守るべきポイントがあります。

本章ではピッチ資料を作成する際に必ず押さえておきたい3つの基本原則を整理します。
ピッチ資料を作成する際は、忘れずに守るようにしてください。あなたのピッチ資料の品質を1段引き上げてくれるはずです。

基本構成を模倣・アレンジする

最初から独自性を強く出そうとすると、投資家や金融機関が確認したい重要論点が抜け落ちやすくなります。

そのため、まずは本記事でご紹介したようなピッチ資料の基本構成に沿って全体像を整理し、テンプレートを活用しながら必要な要素を一通り揃えることが重要です。
そのうえで、事業の特性や目的に応じて順番や表現を調整していくと、分かりやすさと独自性を両立できます。

基本の型を土台にすることで、資料全体の説得力を安定させましょう。
慣れないうちはゼロから考えるよりも、限りなく正解に近い内容を模倣することが大切です。

相手目線で作成する

ピッチ資料は、自分が伝えたいことを並べる資料ではなく、読み手が判断するための材料を提示する資料です。
そのため、投資家や金融機関など、あなたのピッチを受ける相手の立場になることが極めて重要になります。

特に、事業に対する思いはもちろん、課題設定・市場性・競争優位性・収益性・将来性といった観点をチェックしています。
こうした観点を網羅しながら、思いこみではなく数字と根拠を持って、相手に刺さるピッチ資料を完成させましょう。

1スライド1メッセージを徹底する

1枚のスライドに情報を詰め込みすぎると、結局何を伝えたいのかが分かりにくくなります。
そのため、各スライドで伝えるメッセージは必ず1つに絞り、そのメッセージを支える最低限の情報だけを配置するようにしましょう。

事業に対する思いが強いあまり、とにかく情報を「追加したい」と考えがちですが、情報は「捨てる」ほうが大切です。
それが結果として、簡潔で分かりやすく、印象に残るピッチ資料に仕上げてくれます。どうしても情報を盛り込みたい場合は、スライドを分割する勇気も持ちましょう。

スタートアップピッチ資料はプロに依頼すべきか

さて、スタートアップピッチ資料の作り方や押さえるべきポイントを理解できました。
ご紹介した内容をしっかりと実践することができれば、自分1人でも作成することができるはずです。

しかしながら、自分だけでピッチ資料を作ることに対して、高いハードルを感じている方もいるかもしれません。
わたしたち「Business Jungle資料作成」は、スタートアップを対象としてピッチ資料の作成をお手伝いしておりますので、相手に刺さるピッチ資料を本気で作成したいという方はぜひお気軽にご連絡くださいませ。

繰り返しになりますが、自分でピッチ資料を作成できるのであれば、無理にプロに依頼する必要はありません。
「確実に成果を手にしたい」「投資家や金融機関に刺さる資料にしたい」という方だけ、プロへの依頼を検討してみましょう。

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プレゼン当日までの準備

ピッチ資料を完成させた後は、当日に向けた準備も欠かせません。

どれだけ優れた資料であっても、伝え方や受け答え次第で評価は大きく変わります。
プレゼンの流れや時間配分を整理し、各スライドで何を説明するのかを具体的にイメージしておくことが重要です。

また、会場の設備やオンライン環境、使用する機材の確認なども事前に行い、当日のトラブルを防ぐことが求められます。
本番で余計な不安を抱えずに、自信を持ってプレゼンに集中できる状態を整えておきましょう。

プレゼンの練習を行う

プレゼン本番で成果を出すためには、事前の練習が不可欠です。
話す順序や時間配分を確認しながら、スライドごとの説明内容を整理し、スムーズに話せる状態まで繰り返し練習しましょう。

可能であれば第三者に聞いてもらい、分かりにくい部分や冗長な箇所を指摘してもらうことで、客観的な視点から改善することができます。
頭で想像しているだけでは、ピッチ資料の改善点に気づきません。実際に声に出して練習することが大切です。

想定質問と回答を用意する

ピッチでは質疑応答も重要な評価ポイントとなります。

事業のリスクや収益性、市場性、競合との差別化など、投資家や金融機関が気にするポイントを想定し、事前に質問を洗い出しておきましょう。
回答もあらかじめ整理しておくことで、プロフェッショナルさが感じられるピッチになります。

落ち着いて受け答えができることは、事業に対する理解の深さや準備の丁寧さを示すことにもつながります。
質疑応答まで含めてプレゼンであるという意識を持つことが重要です。

本番環境を想定しておく

プレゼン当日は、資料の内容だけでなく、環境面の準備も評価に影響します。

そのため、本番と同じ状況を想定した事前準備が重要です。
資料の印刷や配布方法、投影の見え方、フォント崩れの有無などを事前に確認しておきましょう。

また、会場の設備やオンライン環境、使用するPCや接続機器の動作確認も欠かせません。
画面共有や音声のチェック、ネットワーク環境の安定性なども含めて検証しておくことで、当日のトラブルを防ぎ、安心してプレゼンに集中できる状態を作ることができます。

スタートアップピッチ資料の事例

ここまでで、スタートアップのピッチ資料について、おおよその要点は理解できました。
基本構成・作り方・押さえるべきポイントなど、ご紹介した内容を理解することで、最高のピッチ資料を手にすることができます。

この章では、学んだことをより一層具体的にイメージするためにも、実際のピッチ資料の事例をいくつかご紹介しておきましょう。
いずれも、要点を網羅したスタートアップピッチ資料であり、投資家や金融機関に響く内容になっています。

Business Jungle

スタートアップの創業・事業成長に必要な機能を提供する「Business Jungle」のピッチ資料です。
ここまででご紹介した通り、王道の基本構成を採用しており、論理を積み上げて丁寧に説明したいケースにおすすめです。

自治コン

自治体がビジネスコンテストを開催できるプラットフォーム「自治コン」のピッチ資料です。
左側に説明文、右側に図表という定型フォーマットで読みやすくなっています。また、ピッチで事前開示されていた評価基準について、各スライドで対応関係を明示している点も特徴的です。

Wellbeing Lab

AIを活用した健康増進サービスを提供する「Wellbeing Lab」のピッチ資料です。
課題→解決策をまっさきに提示するスタイルで、直感的に理解することができます。また、スタートアップならではの要素として、チーム体制、資金調達額と用途などの記載も特徴的と言えるでしょう。

Airbnb

誰もが知っている超有名企業「Airbnb」も、最初はスタートアップでした。
デザインは優れているわけではありませんが、必要な情報が絞り込まれています。投資家や金融機関の目線に立っており、相手が欲しいと思う情報を漏れなく提示できています。

Tinder

オンラインマッチングで有名な「Tinder」も、ピッチ資料を作成しています。
画像を中心としており、口頭説明に振り切った資料と言えるでしょう。「読む資料」として作成することも一案ですが、参加するピッチに応じては「説明する資料」として作成してもよいでしょう。

LinkedIn

ビジネス向けSNSの「LinkedIn」にもピッチ資料はあります。
とにかく細かく分析しており、まさに「読む資料」と言えます。インパクト重視のプレゼンよりも、必要な情報を細かく積み上げるプレゼンが望まれるケースも多々あります。

スタートアップピッチ資料に関するよくある質問

ここまででスタートアップピッチ資料の基本的な考え方や構成については理解できたかと思います。
しかし、実際に作成・活用する段階になると、細かな疑問や不安が生じることも少なくありません。

本章では、本記事の集大成として、ピッチ資料に関するよくある疑問を整理します。
ピッチ資料の完成度をさらに高めるための考え方を解説していきますので、ぜひ理解しておきましょう。

一般的なプレゼン資料の違いは?

一般的なプレゼン資料は、情報共有や説明を目的とすることが多く、内容の網羅性や分かりやすさが重視されます。
一方で、ピッチ資料は意思決定を促すことを目的としており、読み手が投資や提携といった判断を下せる状態を作る必要があります。

そのため、単なる説明にとどまらず、課題設定・市場性・競争優位性・収益性・将来性といった観点を網羅し、相手が知りたい情報を過不足なく提示することが重要です。

ピッチ資料以外に必要なことは?

ピッチ資料は重要なアウトプットですが、それだけで評価が決まるわけではありません。

実際のプレゼンにおける話し方やストーリーの伝え方、質疑応答への対応力なども大きな評価ポイントとなります。
また、事業の裏付けとなるデータや財務モデル、補足資料なども用意しておくことで、より深い理解と信頼を得ることができます。

資料・プレゼン・質疑応答を一体として準備することが、ピッチの成功確率を高めるためのポイントです。

ピッチ資料のデザイン方法は?

デザインはゼロから考えるのではなく、本記事でご紹介した優れた資料やテンプレートを模倣することが基本です。

そのうえで、配色やフォント、レイアウトを統一し、読み手にとって理解しやすい資料に仕上げましょう。
また、1スライド1メッセージを徹底することで、情報の詰め込みすぎを防ぐことも重要です。

シンプルで見やすいデザインこそが、結果的に最も伝わる資料を生み出します。事業に対する熱量が大きいあまり、情報量が多くなってしまうことは避けましょう。

ピッチ資料は何ページ必要?

ピッチ資料のページ数に明確な正解はありませんが、一般的には20枚前後に収めるケースが多く見られます。
ただし、重要なのはページ数そのものではなく、必要な情報が過不足なく整理されているかどうかです。

内容が不足していれば説得力が下がり、逆に多すぎれば読み手の負担が大きくなります。
目的や相手に応じて最適なボリュームを見極めることが重要であり、それさえできていればページ数に制限はありません。

ピッチ資料に最適な構成は?

ピッチ資料には絶対的な型はありませんが、基本となる構成を押さえることが重要です。
一般的には、本記事で紹介したような市場→競合→自社戦略→計画→財務といった流れで整理することで、論理的で納得感のあるストーリーを構築することができます。

また、最初に課題と解決策を示し、その後に詳細説明していくような構成もよく見られます。
ピッチ資料はスライド1枚1枚よりも、全体のストーリーが整合していることが大切であり、それが最終的な評価を大きく左右します。

まとめ|スタートアップピッチ資料が成功を左右する

スタートアップピッチ資料は、単に事業内容を説明するための資料ではありません。

読み手に対して「投資すべきか」「協業すべきか」という判断を促すための資料です。
そのため、情報の網羅性だけでなく、納得感のあるストーリー設計と意思決定に必要な材料の提示が必要不可欠です。

重要なのは、自分たちが伝えたいことを並べるのではなく、相手が知りたいことを起点に構成することです。
課題・市場性・競争優位性・収益性・将来性といった観点を意識し、情報を論理的に積み上げることで、初めて評価される資料になります。

また、ピッチ資料は完成させて終わりではなく、プレゼンや質疑応答まで含めて一体として磨き込む必要があります。
資料だけではなく、資料以外も含めて細部まで準備を徹底することで、資料の価値は大きく高まります。

本記事で解説した内容を踏まえ、読み手の意思決定を動かすスタートアップピッチ資料を作成し、事業の成長につなげていきましょう。
最高のピッチ資料が完成することを応援しています。

ちなみに、「自分で資料を作るのは大変・・・」「プロの力を借りたい!」という方は、「Business Jungle資料作成」をご利用ください!1枚3,000円から、あっと驚く資料作成のお手伝いをさせていただきます。まずはお気軽にご相談くださいませ。

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