ビジョンとは「将来の理想的な姿」を意味し、ビジネスの世界において頻繁に使われる言葉です。
一見するとシンプルで分かりやすい言葉に聞こえます。
しかし、ミッションやバリュー、あるいはパーパスといった言葉との違い、そもそもの必要性など、じっくり考えてみると、奥が深い言葉でもあります。
本記事では、ビジョンについて知らない方がゼロから基本を理解できるように、その意味・企業事例・作り方はもちろん、混同される言葉との違いなどを整理しています。
自分でビジョンを作成できるように、ワークシートもご用意しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、わたしたち「Business Jungle MVV・パーパス策定」と一緒にMVV・パーパスを策定したい方、あるいは浸透させたい方は、いつでもご連絡ください。外資戦略コンサルやデザイナー出身者を含む多様な専門チームが、全力でサポートさせていただきます!

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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案やMVV・パーパスの策定・浸透に関する豊富な経験を有する。
ビジョンとは
冒頭でもお伝えしましたが、ビジョンは「将来の理想的な姿」を意味しています。
人は誰しもワクワクすることでなければ前に進んでいくことができません。そして、ビジョンがあれば明るい将来に向かって、一歩一歩進んでいくことができます。
例えば、有名なビジョンとして、求職者と企業とを結びつける人材サービスなどを展開しているパーソルホールディングスの「はたらいて、笑おう。」というものがあります。
| パーソルホールディングス グループビジョン |
| はたらいて、笑おう。 はたらくことは、生きること。 はたらき方は、一人ひとり違うもの。 だから、自分の“はたらく”は、自分で決める。 すべての“はたらく”が、笑顔につながる社会を目指して。 |
さて、ここで考えたいのが、単純に「人材マッチングを行います」と言っている企業と、「人材マッチングを行うのは、人々の笑顔を創り出し、それを世界中に広げるためです」と言っている企業を比較した際、
あなたにとっては、どちらの会社が魅力的に映るでしょうか?
あなたにとっては、どちらの会社で働きたいと思うでしょうか?
あなたにとっては、どちらの会社を応援したいと感じるでしょうか?
答えは言うまでもないかと思います。
このようにビジョンを掲げて浸透させることで、社員や顧客などのあらゆるステークホルダーがワクワクし、サポートしてくれます。
これが企業の活力となり、事業成長やその先のビジョンの実現につながっていくのです。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)・パーパスとは
ここまでで、ビジョンについては何となくイメージが付いたと思います。
しかし、ビジョン単体で意味や事例を理解したとしても、あまり価値はありません。
なぜなら、ビジョンはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)・パーパスといった概念とセットで語られることが大半であり、これらの関係性を理解しないと、ビジョンを真に理解することができないからです。
これらの関係性についてはさまざまな解釈がありますが、基本的には次のように考えればよいでしょう。
はるか先の未来としてミッション(果たすべき使命)やパーパス(存在意義)があり、その手前に近い将来としてビジョン(将来の理想的な姿)があります。そして、ミッションやビジョンの達成に至るために組織で遵守すべきルールとしてバリュー(大切にしたい価値観)があるというかたちです。
この後は、それぞれの意味やビジョンとの違いについて詳しく見ていきましょう。

MVVとは(ミッション・ビジョン・バリュー)
まずMVVから考えていきますが、これは非常にシンプルです。
その名称からも分かるようにMission・Vision・Valueの頭文字を取った概念であり、企業がどこを目指し、どのようにゴールに到達するかを体系的に表します。
こうしたMVVという言葉が一般的に使用されていることからも、ビジョンを単体として扱うのは注意が必要で、ミッションやバリューといった言葉とセットで考えるべきであると分かります。
ミッションとは|ビジョンとの違い
ミッションは「果たすべき使命」と訳され、企業が目指すべき長期的なゴールを表しています。
ミッションがあることでゴールが示され、企業に属するメンバーは一丸となってゴールを目指すことができるようになります。
ここで、ややこしいのが「将来の理想的な姿」を示すビジョンとの関係性です。
ミッションの「果たすべき使命」も、ビジョンの「将来の理想的な姿」も、同じように感じる方は多いのではないでしょうか。
両者の違いは一言でいえば、ミッションは抽象的な未来を表し、ビジョンは具体的な将来を表すという点にあります。
例えば、「世界の食事を変える」という抽象的なミッションを掲げても、壮大ではあるものの、実感が湧かないためワクワクしないと思います。
そこに対して「世界一美味しい料理を、誰でも自宅で食べられるようにする」という具体的なビジョンがあれば、ワクワク度合いが大きくなるのではないでしょうか。
このように、抽象的ではあるものの広がりを持つミッションと、具体的ではあるものの広がりのないビジョンを組み合わせることで、具体的な広がりのあるゴールが生まれるわけです。
なお、ミッションについてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
バリューとは|ビジョンとの違い
バリューとは「大切にしたい価値観」を意味しており、企業が目指す先に到達するために守るべきルールを指します。
先ほどの例を引用するのであれば、ミッションである「世界の食事を変える」ため、そしてビジョンである「世界一美味しい料理を、誰でも自宅で食べられるようにする」ためにバリューを作成します。
例えば、「食の安全を最優先に考える」「生産者・消費者の双方を大切にする」「何よりも自分自身が食を楽しむ」といった具合です。
ミッションやビジョンが目指す先であることに対して、そこに至る手段がバリューと考えると、非常に分かりやすいでしょう。
なお、バリューについてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
パーパスとは|ビジョンとの違い
パーパスは「存在意義」を意味します。
まず大前提として、パーパスとビジョンの関係性を整理すると、「存在意義」を示すパーパスは遠くて抽象的な未来を示し、「将来の理想的な姿」を示すビジョンは近くて具体的な将来を示すという違いがあります。
この違いは問題なく理解できるでしょう。
補足:ミッションとパーパスの違い
上記の話を踏まえ、勘のよい方は「どこかで聞いた話だ」とも感じたのではないでしょうか。
結論を述べると、上記の説明はミッション(果たすべき使命)とビジョン(将来の理想的な姿)を整理した際にも行っていました。
つまり、パーパス(存在意義)はミッション(果たすべき使命)と極めて近しい概念なのです。
正確に述べると、「外発的動機(わたしたちは〇〇しなければならない)に基づいているミッションと異なり、パーパスは内発的動機(わたしたちは〇〇するためにある)に基づく未来像」という細かな定義があります。
しかし、パーパス(存在意義)とミッション(果たすべき使命)の境界線は曖昧であり、おおよそ同義と捉えれば問題ありません。
これだけ聞くと、少しややこしく感じてしまうかもしれませんが、「目指す先」と「そこに至るための方法」が明示されており、それが社内に同じ定義で浸透していればどのような言葉を使用してもよいと覚えておきましょう。
実際、企業によってさまざまな組み合わせを採用しています。
パーパス・ミッション・ビジョン・バリューをすべて組み合わせている「説明重視」の企業もあれば、ビジョンを掲げずにパーパスとバリューのみを組み合わせた「分かりやすさ重視」の企業もあります。あるいは、まったく別の概念を登場させている企業も散見されます。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やパーパスの組み合わせに唯一無二の正解はありません。
策定理由から逆算したうえで、自分が心から納得できる組み合わせを選び取る必要があるのです。
なお、パーパスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
企業にビジョンが必要な理由
先ほど、ビジョンとミッションの違いについて触れました。
そして、ミッションは抽象的な未来を表している一方、ビジョンは具体的な将来を表しており、これが社内外にワクワクを与える要因であると説明しました。これこそが、企業にビジョンが必要な理由です。
例えば、日記やコラム作成サービスを提供しているnote株式会社においては、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」というミッション(果たすべき使命)を掲げています。
そして、ビジョン(将来の理想的な姿)は「noteがあることで、人々は本当に伝えたいことに専念できるようになる。」です。
ミッションだけでは抽象的であったnote株式会社の目指す先が、ビジョンがあることで具体的になりました。
このようにビジョンがあるおかげで、組織が目指す先が明確になり、それに伴い人々のワクワクが大きくなります。
もしあなたが従業員だったら、理想に向かって進んでいる企業であれば全力で頑張りたいと思わないでしょうか?
もしあなたが求職者だったら、理想に向かって進んでいる企業で働きたいと思わないでしょうか?
もしあなたが顧客だったら、理想に向かって進んでいる企業の商品・サービスを購入したいと思わないでしょうか?
もちろん、ミッション(果たすべき使命)やパーパス(存在意義)に具体性を持たせて、ビジョン(将来の理想的な姿)を兼任してもらうことも一つの手です。
ミッション・ビジョン・バリュー・パーパスをすべて作らないといけないというわけでもありません。自社にあったかたちで、自分たちが納得できる内容を、自由な方法で描くことが大切です。

企業がビジョンなどを作る4つのメリット
さて、企業にビジョンが必要な理由については理解できたと思います。
ビジョンがあることで、企業が目指す先が具体的になり、その結果ステークホルダーはワクワクしてサポートしてくれるという理由です。
ここでは、この理由をもう少しだけ深掘りして、企業がビジョンなどを作る4つのメリットについて整理しましょう。
これらのメリットはビジョンだけではなく、いわゆるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やパーパスなど、企業として目指す将来像とそこに至る方法を定めるメリットと言い換えることができます。
メリット1:組織文化・結束力の強化
ビジョンが明確であれば、社員は共通のゴールを共有することができます。
これにより部門や役職を越えた協力が生まれ、組織全体が同じ方向へ進むことができるようになります。
ゴールが見えないままでは、人は努力を続けることができません。
一緒に目指すゴールがあるからこそ、人は力を発揮し、組織としての活力が生まれます。
メリット2:意思決定の迅速化・一貫化
ビジョンが組織の共通言語になることで、判断の軸が揃います。
現場でも経営層でも「この意思決定はビジョンの実現につながるか」を基準に判断できるため、意思決定のたびに方向性が変わるということがなくなります。
このスピードと一貫性は、変化の激しい市場において競争優位を生み出してくれます。
つまり、より一層顧客に選ばれる企業になれるというわけです。
メリット3:信頼性・ブランド価値の向上
ビジョンは社内だけではなく、社外に対しても大きな効果を発揮します。
企業が何を目指しているのかが明確になることで、顧客や投資家、取引先からの信頼を得やすくなります。
また、ビジョンに基づく一貫した行動は企業の姿勢を強く印象づけ、ブランドロイヤルティを高めます。
その結果、価格競争などにも巻き込まれにくい、差別化されたポジションの確立につながります。
メリット4:採用力の向上と人材定着
他にも社外に向けた効果を挙げると、企業のビジョンに共感する人材が集まりやすくなります。
採用段階から目指す先に共感した人材が集まることで、ミスマッチによる早期離職が減り、入社後のエンゲージメントも高まります。
優秀な人材が集まりやすくなるだけでなく、採用や教育にかかるコストの削減にもつながります。
組織において人材は最も重要な資産であり、ビジョンはこうした観点でも大きな効果を発揮します。

強いビジョンに共通する3つの条件
では、いざビジョンを作成する場合、どのようなビジョンが「強いビジョン」と言えるのでしょうか。
結論を申し上げると、「強いビジョン」になるための条件としては、具体性・社会性・将来性の3つがあります。
そして具体性・社会性・将来性のいずれかが欠けると、ビジョンとしての魅力がなくなり、ワクワクできなくなります。
社員・顧客・求職者をはじめとする、あらゆるステークホルダーを惹き付けるビジョンには、必ずこの3要素が備わっています。
それでは、各条件について詳しく見ていきましょう。
条件1:具体性がある
まず、具体性に関して、ビジョンは詳細に描かれていないとワクワクできません。
たとえば「おいしいチョコレートをつくる会社になる」というのは抽象的で、どの会社にも当てはまりそうです。
これでは社員も顧客も心が動きません。
一方で「カカオ農園から消費者の手に届くまで、一粒一粒に物語を宿すチョコレートを届ける」というように描けば、どんな世界をつくろうとしているのかが具体的にイメージでき、共感を呼び込むことができます。
条件2:社会性がある
次に、社会性に関して、ビジョンは自分中心であるとワクワクできません。
「チョコレート業界の売上トップになる」というのは会社の利益追求にしか聞こえず、人を動かす力は弱いです。
一方、「途上国のカカオ生産者に正当な報酬を還元し、地球にも人にも優しいチョコレート文化を広げる」とすれば、社会全体にポジティブな影響を与える理想が描かれ、多くのステークホルダーの共感を得られます。
条件3:将来性がある
最後に、③将来性に関して、ビジョンは数年後という短い展望で語ってもワクワクできません。
「来年までに新しいフレーバーを10種類発売する」というのは努力次第ですぐに実現し得る目標であって、ビジョンとは言えません。
それよりも「チョコレートを通じて世界中の人々が心豊かなひとときを共有する文化を築く」といった実現し得るものの、その実現には時間が必要となる世界を描くことで、社員や顧客を長く惹きつけ続けるビジョンとなります。

ビジョンの事例一覧
ここまでで、ビジョンや関連する概念について、しっかりと理解することができました。
ここからは、実際のビジョンの事例を見て、具体的なイメージをつかんでいきましょう。
個人のビジョン事例として、キング牧師の「I have a dream」をご紹介したうえで、企業のビジョン事例を一覧形式でご紹介します。
個人のビジョン事例|キング牧師「I have a dream」
ビジョンの効果を実感するためには、何も企業の事例だけが有効ではありません。
個人のビジョンを通して人々が感銘を受けた事例として、キング牧師の「I have a dream」という有名なスピーチがあります。
キング牧師は、アメリカで人種差別撤廃を訴えたアフリカ系アメリカ人であり、黒人差別が横行していた1963年に観衆に向けてスピーチを行いました。
誰もが知るこのスピーチの一説を見てみましょう。
| キング牧師「I have a dream」 |
| I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and the sons of former slave owners will be able to sit down together at the table of brotherhood. 私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。 |
彼が唱えたビジョンは、具体性・社会性・将来性のいずれの要素も含まれており、優れたビジョンとしての条件を網羅しています。
このスピーチがここまで世界を動かし、人々の意識・行動を変えた理由は、彼が優れたビジョンを有していたからに他なりません。
ビジョンが人々をワクワクさせ、行動を変える事例としてご理解いただけたかと思います。

企業のビジョン事例|一覧形式で紹介
もちろん、キング牧師をはじめとする個人だけではなく、ビジョンは企業においても極めて大切になります。
こちらでは、有名企業のビジョンを一覧形式でご紹介しています。
各社がどのような「将来の理想的な姿」を描いているのかをご覧いただくことで、自分自身がビジョンを作成する際のヒントを得ていきましょう。
| 企業名 | ビジョン(将来の理想的な姿) | ||
| トヨタ自動車 | 可動性を社会の可能性に変える。 不確実で多様化する世界において、トヨタは人とモノの「可動性」=移動の量と質を上げ、人、企業、自治体、コミュニティができることをふやす。そして、人類と地球の持続可能な共生を実現する。 | ||
| パナソニック ホールディングス | 人を想う技術と創造力でくらしを支えるベストパートナー | ||
| 日立製作所 | 日立は、社会が直面する課題にイノベーションで応えます。優れたチームワークとグローバル市場での豊富な経験によって、活気あふれる世界をめざします。 | ||
| 楽天グループ | グローバル イノベーション カンパニー | ||
| ソフトバンクグループ | 世界の人々から最も必要とされる企業グループ | ||
| キリンホールディングス | 食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる ※2027年の目指す姿:ビジョン | ||
| 全日本空輸(ANA) | ワクワクで満たされる世界を 私たちは、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていきます。 | ||
| note | noteがあることで、人々は本当に伝えたいことに専念できるようになる。 | ||
| デジタル庁 | ・優しいサービスのつくり手へ。 ・大胆に革新していく行政へ。 | ||
| 三井物産 | 360° business innovators 一人ひとりの「挑戦と創造」で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続ける企業グループ。 | ||
| 弥生 | 共有・共生・共創の力を活かし、お客さまの事業の立上げと発展の過程で生まれるあらゆるニーズにお応えする「事業コンシェルジュ」 | ||
| 出前館 | 地域の人々の幸せをつなぐライフインフラ | ||
| ランサーズ | For Business 10x your business with Lancers すべてのビジネスを「ランサーの力」で前進させる For Individual Be your own boss with Lancers 誰もが自分らしく才能を発揮し、「誰かのプロ」になれる社会をつくる | ||
| DeNA | DeNAは、インターネットやAIを自在に駆使しながら一人ひとりの人生を豊かにするエンターテインメント領域と日々の生活を営む空間と時間をより快適にする社会課題領域の両軸の事業を展開するユニークな特性を生かし挑戦心豊かな社員それぞれの個性を余すことなく発揮することで世界に通用する新しいDelightを提供し続けます | ||
| セブンイレブン | ・価値ある商品・サービスを通じて、健康な社会を実現する ・地域と共に生きる社会を実現する ・環境に配慮した循環型社会を実現する ・多様な人財が活躍し、幸せな社会を実現する | ||
| 三井住友フィナンシャルグループ | 最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグローバルソリューションプロバイダー | ||
| Sansan | ビジネスインフラになる | ||
| 花王 | 人をよく理解し期待の先いく企業に | ||
| 武田薬品工業 | すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために。 私たちはこの約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続けます。 | ||
| 日本航空(JAL) | 思い描く未来の社会: 私たちが思い描く未来の社会は、心はずむつながりが社会全体に広がるサステナブルでウェルビーイングな未来です。 JAL Vision 2035: JALグループの強みを生かした価値を提供し、Sustainable Well-being Futureの実現に貢献してまいります。 | ||
| 三菱UFJ銀行 | ・お客さまの期待を超えるクオリティを、グループ全員の力で ・お客さま・社会を支え続ける、揺るぎない存在に ・世界に選ばれる、アジアを代表する金融グループへ | ||
| リクルートホールディングス | Follow Your Heart | ||
| タイミー | 一人ひとりの時間を豊かに | ||
| ココナラ | 一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中をつくる | ||
| マツリカ | 創造性高く遊ぶように働ける環境を創る | ||
| 三井住友トラスト・ホールディングス | 三井住友トラストグループは、信託の受託者精神に立脚し、高度な専門性と総合力を駆使して、銀行機能、資産運用・管理機能、不動産機能を融合した新しいビジネスモデルで独自の価値を創出する、本邦最大かつ最高のステイタスを誇る信託グループとして、グローバルに飛躍してまいります。 | ||
| 第一三共ヘルスケア | 2030年ビジョン OTC医薬品、機能性スキンケア・オーラルケア・食品を中心に人生100年時代のQOLを支え、独創的な製品と情報で新たな価値を生み出し、サステナブルな社会の発展に貢献する日本発コンシューマーヘルスケア企業 | ||
ビジョンの作り方|5ステップ
ビジョンの事例について理解できたところで、次は自社のビジョンを作りたいと考えている方に向けて、作り方を解説します。
ビジョンは思いつきで決めるものではなく、段階を踏んで整理することで、組織として腹落ちできる内容になります。
具体的には、①作成の準備を行い、②現状を整理し、③将来の方向性を描き、④ビジョンを言語化し、⑤最後に組織へ浸透させるという5ステップで進めていく方法が効果的です。
また、ビジョンだけを単独で検討してはいけません。
ミッションやバリュー、パーパスといった概念との関係も整理しながら考えることで、理念全体としての整合性を保つことが大切です。
それでは、それぞれのステップについて見ていきましょう。
ステップ①:プロジェクトの発足・活動準備
最初に行うべきことは、ビジョンを策定する目的を明確にし、プロジェクト体制を整えることです。
なぜ今ビジョンを作るのか、どのような未来を描くための取り組みなのかを整理しておかなければ、途中で議論の方向性がぶれてしまいます。
そのため、関係者や進め方、スケジュールを整理するとともに、ミッション・ビジョン・バリュー・パーパスの違いや役割についても基本的な理解を共有しておくことが重要です。
ステップ②:現状の整理
次に行うのは、自社の現在の状況を客観的に整理することです。
ビジョンは将来の理想的な姿を描くものですが、現在地を理解していなければ現実的な絵を描くことはできません。
現状把握を行うことで、現実とかけ離れた机上の空論になることを防ぐことができます。
そのため、事業の状況や市場環境、顧客のニーズ、競合の動き、自社の強みや課題などを整理していきます。
また、既存の理念や方針がある場合は、それがどの程度組織に浸透しているかを確認することも重要でしょう。
ステップ③:あるべき方向性の策定
現状を整理したら、その情報をもとに将来どのような企業を目指すのかという方向性を考えていきます。
ビジョンを考える際に陥りがちなのが、「言葉」の表現ばかりに意識が向いてしまうことです。
しかし重要なのは、どのような未来を実現したいのかという「中身」です。
そのため、いきなりビジョンを作成したいと感じてしまうかもしれませんが、まずは「言葉」と切り分けて「中身」から考えていきましょう。
ステップ④:ビジョンの作成(MVV・パーパスの策定)
方向性が整理できたら、やっと具体的な言葉としてビジョンをまとめていきます。
ここでは将来実現したい姿を、組織のメンバーが納得できるかたちで言語化します。
ビジョンは組織の将来を示す指針となるため、覚えやすく、かつ企業らしさが伝わる表現にすることが重要です。
ミッションやバリュー、パーパスについても一緒に考え、これらの関係性を踏まえてビジョンを考えることが大切です。
ステップ⑤:ビジョンの浸透(MVV・パーパスの浸透)
ビジョンは作成することが目的ではなく、組織の中で共有され、行動につながってこそ意味があります。
そのため、社内説明会や研修、評価制度、採用活動などを通じて、ビジョンを繰り返し共有していくことが重要です。
日々の意思決定や行動の中でビジョンを意識できる環境を整えることで、組織全体が同じ将来に向かって進むようになります。

なお、実際にビジョンなどを作成する際は、こちらの記事もご覧ください。
今回ご紹介した5ステップについて、詳しく整理しています。
自分でビジョンを作るためのワークシート
ビジョンを作成するためのステップについて整理してきましたが、「自分だけでは難しい」と感じている方も多いと思います。
そのため、質問に答えるだけでビジョン、そしてミッション・バリュー・パーパスなどを作成することができるワークシートをご用意させていただきました。
質問が多く、時間がかかってしまうと思うかもしれません。
しかし、企業の在り方を左右する大事な検討です。ぜひじっくりと時間をかけて、本気で取り組んでいきましょう。
| ステップ | ビジョンを作成するために答えるべき質問 | |
| ステップ①: プロジェクトの発足・活動準備 | (準備段階のため該当する質問なし) | |
| ステップ②: 現状の整理 | あなたの会社が属している業界にはどのような特徴があり、将来的にはどのような変化が生じると思いますか? | |
| あなたの会社の既存顧客・潜在顧客にはどのような特徴があり、将来的にはどのような変化が生じると思いますか? | ||
| あなたの会社の競合はどのような特徴を有しており、将来的には競争環境がどのように変化すると思いますか? | ||
| あなたの会社の競合は、どのようなMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やパーパスを掲げていますか? | ||
| あなたの会社はどのような思いから設立され、現在に至るまでどのような歴史がありましたか? | ||
| あなたの会社は、何を実現するためにどのような戦略を掲げており、その過程でどのような強み・弱みが見えてきましたか? | ||
| ステップ③: あるべき方向性の策定 | 現状整理の結果を踏まえると、将来的に自社としてどこを目指していきたいですか? | |
| 上記で定めたあるべき方向性は、どのようなキーワード(いくつかの単語)に落とし込むことができますか? | ||
| 検討したキーワードのうち、「特に大切にしたいもの」という観点で高・中・低に分類するとどうなりますか? | ||
| ステップ④: ビジョンの作成(MVV・パーパスの策定) | 自社のあるべき方向性、そこに至るための価値観を表現するために、MVV型(ミッション・ビジョン・バリュー型)、PV型(パーパス・バリュー型)、あるいは他の型のいずれを採用したいですか? | |
| 【パーパスを策定する場合のみ回答】 あるべき方向性や具体的なキーワードを踏まえると、どのようなパーパス(存在意義)が適切ですか? | ||
| 【ミッションを策定する場合のみ回答】 あるべき方向性や具体的なキーワードを踏まえると、どのようなミッション(果たすべき使命)が適切ですか? | ||
| 【ビジョンを策定する場合のみ回答】 あるべき方向性や具体的なキーワードを踏まえると、どのようなビジョン(将来の理想的な姿)が適切ですか? | ||
| 【バリューを策定する場合のみ回答】 あるべき方向性や具体的なキーワードを踏まえると、どのようなバリュー(大切にしたい価値観)が適切ですか? | ||
| ステップ⑤: ビジョンの浸透(MVV・パーパスの浸透) | 今から、あるいは将来的にMVV・パーパスを社内に浸透させるための施策として、どのようなものが考えられますか? | |
| 考えた施策のうち、自社の特徴を踏まえると、どの施策が効果的だと考えられますか? | ||
ビジョンに関するよくある質問
最後に、ビジョンに関してよくある質問を整理しました。
ここまでご紹介しきれていない、しかし大切な考え方についてまとめていますので、しっかりと目を通しておきましょう。
ビジョンとは?簡単に言うと?
ビジョンとは、「将来の理想的な姿」を意味します。ミッションでは表現しきれない将来像について、具体的に示すことで人々をワクワクさせ、組織に活力を生み出してくれます。
ビジョンと目標の違いは?
よくある勘違いとして「ビジョン」と「目標」を混同してしまうケースがありますが、両者は似て非なるものです。
目標は、努力すれば短期間で確実に達成できそうな「定量的な数字」であり、ワクワクはしません。
「当社は売上1,000億円を目指します」と言っている企業に対して、すごいなとは思うかもしれませんが、きっとそれ以上の感想はないでしょう。
一方、ビジョンは、長期間努力してもなかなか手が届きそうにないがまったくの絵空事ではない、そして達成した際の社会的な好影響が計り知れない「将来の理想的な姿」であり、心の底からワクワクさせてくれます。
経営理念とビジョンの違いは?
経営理念は、ミッション・ビジョン・バリューやパーパスを含めた、「企業の目指す先とそこに至る方法」を総称する言葉です。
つまり、将来の理想的な姿を示すビジョンに対して、その上位概念として経営理念があるわけです。
なお、企業によっては経営理念としてミッション・ビジョン・バリューやパーパスのいずれかを指すケースもあります。
本記事でもご紹介したように、使用する言葉や定義は組織内で共通化されていれば問題なく、使用する言葉自体に優劣はありません。
ビジョンは必ず必要?
「企業の目指す先」という意味であれば、原則としてはビジョンがあったほうがよいでしょう。
しかし、「ビジョンという言葉そのもの」という意味であれば、別の言葉を使用してもまったく問題ありません。
実際、ビジョンという言葉を使用していない企業もさまざまあります。
これらの企業は、ビジョンという言葉を使用せずに別の言葉で将来像を示したりしています。
繰り返しになりますが、ビジョンという言葉自体には意味はありません。
企業が進む先を示すことができれば、そのための手段は重要ではないのです。
ビジョンはどれくらいの期間を想定すべき?
明確な正解はありませんが、数カ月や1年程度の短期ではなく、中長期で目指す将来像として考えるのが一般的です。
すぐに達成できる内容ではなく、時間をかけて目指す理想的な姿であることが重要です。
多くの企業では、10年前後から数十年単位を見据えたビジョンを採用しています。
まとめ|ビジョンでワクワクすれば人は動く
本記事では、ビジョンの基本的な意味から、ミッションやバリュー、パーパスとの違い、さらに良いビジョンの条件や実際の事例、そして作り方のステップまで幅広く解説してきました。
繰り返しになりますが、ビジョンとは「将来の理想的な姿」です。
単なる数字目標や一時的なスローガンではなく、社員や顧客、求職者などあらゆるステークホルダーをワクワクさせ、行動を変える力を持つものであり、具体性・社会性・将来性の3要素を含みます。
あなたの会社にも、社員や顧客が心からワクワクできるビジョンはあるでしょうか。
もしないのであれば、今日からでも「自分たちはどんな世界を描きたいのか」という問いを立ててみてください。
その一歩が、組織を大きく前進させる原動力になるはずです。
もし、MVVやパーパスの言語化や社内展開にお悩みであれば、わたしたち「Business Jungle MVV・パーパス策定」がお手伝いできるかもしれません。外資戦略コンサルやデザイナー出身者を含む多様な専門チームが、あなたの会社らしいMVV・パーパスを共にかたちにします。

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