最近、パーパス(Purpose)という言葉を耳にする機会が増えました。
しかし、パーパスについて、正しく説明できる方は少ないのではないでしょうか。
特に、「そもそもパーパスとはどのような意味を持つのか?」「パーパスは本当に必要なのか」「どのように作ればいいのか?」といった問いに答えるためには、深い理解が必要です。
また、パーパスだけではなく、パーパスに関連するキーワードを理解しなければ、パーパスについて真に理解することはできません。
この記事では、パーパスの意味・企業事例・作り方をはじめ、経営理念やミッションとの違いまで徹底解説しています。
自分だけでパーパスを作成できるワークシートもご用意しておりますので、ぜひご活用ください。
なお、わたしたち「Business Jungle MVV・パーパス策定」と一緒にMVV・パーパスを策定したい方、あるいは浸透させたい方は、いつでもご連絡ください。外資戦略コンサルやデザイナー出身者を含む多様な専門チームが、全力でサポートさせていただきます!

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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案やMVV・パーパスの策定・浸透に関する豊富な経験を有する。
パーパスとは
パーパスとは一言で言うと、「存在意義」として表現されます。
「なぜわたしたちは存在しているのか?」という問いに対する答えと言い換えてもいいでしょう。
パーパス(存在意義)が明確になっていることで、社員はどこを目指して日々の業務を行うべきかが明確になり、やりがいが生まれ、組織に推進力が出てきます。
これこそが、パーパス(存在意義)に代表されるように、企業としての目指す先を決める意味です。
「金儲けを頑張ります」と言っている企業よりも、「社会に〇〇という豊かさをもたらします」と本気で考えて実践している企業を応援したいと思うのは当然であり、それゆえにパーパスを掲げる企業に対して投資や購買が集中するのは、驚くことではありません。
日本で最も有名な事例は「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」というパーパスを掲げているソニーグループかもしれません。
2019年に吉田憲一郎社長が主導し、社員ブログを通じて意見を募るなど、全社参加でパーパス検討を進めたのが大きな特徴です。
また、策定後も「P&V事務局」がビジュアルや動画を活用して浸透を図り、社長自身も各拠点でパーパスの意義を語りました。
その結果、2020年には過去最高益を達成し、社長自身も「パーパスに向かって社員一人ひとりが行動した結果」と振り返っています。
もちろん、パーパスだけで最高益を記録したわけではありませんが、新社長就任のタイミングで全社を挙げて自らの存在意義を問い直し、お飾りにならないように最大限配慮してパーパスを体現した事例として大きな学びがあります。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や経営理念とは
さて、パーパスの概要は理解できたので、次はパーパスと一緒に語られることが多いMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や経営理念の考え方について整理しておきましょう。
パーパスは、単体で語られることは非常に少なく、今から説明するような概念とセットで登場することが大半です。
そのため、正しくパーパスを理解するためにも、他の概念をきちんと理解しなくてはいけません。

MVVとは(ミッション・ビジョン・バリュー)
MVVとは、その名の通りMission・Vision・Valueの頭文字を取った言葉であり、MVVを通して企業が目指す先とそこに至る方法を説明します。
パーパス(存在意義)は比較的最近になって、注目されるようになりました。
それまでは、このMVVを使用して企業の思いを表現することが多かったわけです。
ミッション・ビジョン・バリューの意味や、パーパスとの違いについては、この後説明していきます。
ミッションとは|パーパスとの違い
まず、ミッションは「果たすべき使命」と訳され、企業の目指す先を表現します。
これはパーパス(存在意義)と同様、企業がどこに進むべきかを示し、組織に活力を与えてくれる役割があります。
さて、ここで勘の良い方であれば「ミッション(果たすべき使命)とパーパス(存在意義)の違いって何だろう?」と思ったかもしれません。
頭でっかちな考え方で整理すると、ミッション(果たすべき使命)は「〇〇しなければいけない」という外発的動機(外部からの要請)に基づく目指す先、パーパス(存在意義)は「〇〇したい」「〇〇するためにある」という内発的動機(自分の内から湧き上がってくる意思)に基づく目指す先と言うことができます。
これだけ聞くとミッションは悪で、パーパスは善のように聞こえてしまいますが、決してそんなことはありません。
そもそも、ミッションで内発的動機を表現している企業もあれば、パーパスという言葉を使用していない企業もあります。
つまり、ミッション(果たすべき使命)やパーパス(存在意義)は細かな違いはあるものの、実務の世界ではおおよそ同義として捉えられており、両方とも「企業の目指す先を示す」と覚えておけば十分です。
重要なことは「目指す先が社内外に具体的に共有され、浸透し、人々の行動を変えていること」であり、ミッションやパーパスといった言葉自体にこだわる必要は一切ありません。
パーパス策定においては、こうした本質を理解しておくことが極めて大切です。
なお、ミッションについてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
ビジョンとは|パーパスとの違い
次に、ビジョンは「将来の理想的な姿」と訳されます。
パーパスやミッションだけでは目指す先が抽象的になってしまうので、そこに具体性を付加する役割があります。
例えば、「世界中の人を幸せにする」というパーパスやミッションに加えて、「ランニングを通じてあらゆる人が喜び、肉体的にも精神的にも健康になれる世界を創造する」というビジョンがあれば、目指す先をより具体的にイメージできると思います。
目指す先が抽象的過ぎると、ステークホルダーがワクワクすることができず、組織に推進力が生まれません。
そのため、ビジョンを通して将来の理想的な姿を示し、具体性を加えているわけです。
なお、「すでにパーパスやミッションなどで、目指す先が分かりやすく明示されている」といった理由から、ビジョンを設けていない企業も多くあります。
繰り返しになりますが、パーパスやミッション、ビジョンといった言葉の使い分け自体に意味はなく、大切なのは同じ言葉が同じ意味で組織に浸透し、それが個人の行動を変えていることです。
なお、ビジョンについてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
バリューとは|パーパスとの違い
バリューは「大切にしたい価値観」と訳され、非常に分かりやすい概念です。
パーパスやミッション、ビジョンなどの目指す先にたどり着くため、組織が守るべきルールと言い換えてもよいでしょう。
組織の人材が、各々好き勝手に行動していては、目指す先には一向にたどり着くことができません。
そのため、効率的・効果的にたどり着くためのルールとしてバリューが掲げられます。
例えば先ほどの例ですと、「世界中の人を幸せにする」というパーパスやミッション、そして「ランニングを通じてあらゆる人が喜び、肉体的にも精神的にも健康になれる世界を創造する」というビジョンを達成するために、「まずは自分がランニングを愛する」「ランニングを通して発見する」「発見をユーザーに還元する」といった3つのバリューを定めるといった具合です。
パーパスが目指す先そのものを示す言葉であったのに対し、バリューはそこに至る方法を示すという違いであり、簡単に区別することができます。
なお、バリューについてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
経営理念とは|パーパスとの違い
最後に経営理念について整理しておきましょう。
経営理念とは、MVVと同様、企業が目指す先とそこに至る方法を説明する概念です。
MVVと違うのは、ミッション・ビジョン・バリューだけを対象とするのではなく、パーパスや他の概念などをすべて含むという点であり、MVVよりも上位概念にあたります。
すでに何度もお伝えしていますが、MVVやパーパスに正解はありません。
経営理念についても、今回ご紹介したような定義以外で使用しているケースもあります。
同じ言葉を同じ意味で使用することには価値がありますが、使用する言葉そのものに左右されすぎないようにしましょう。
パーパスが注目される背景と必要な理由
さて、最近になって、このパーパス(存在意義)という考え方が注目を集めています。
その理由を一言で述べるなら、企業を取り巻く環境に大きな変化があり、パーパスを中心に据えた経営を行う企業が成長する状況が成立したからです。
ここでは、パーパスが注目される背景とパーパスが必要となった理由について、3段階で整理していきましょう。
背景①:大きな環境変化
近年は、VUCA(Volatility/変動性、Uncertainty/不確実性、Complexity/複雑性、Ambiguity/曖昧性)と呼ばれる流動的で不確実な時代が到来し、また自社の利益だけでなく社会や環境への貢献が求められるようにもなりました。
このような環境変化の中、自社として一本筋の通った「存在意義」を定め、社内外に示さなければ誰もついてきてくれないようになってしまいました。
言い換えると、パーパスを定めて「存在意義」を証明している企業に、さまざまなステークホルダーからの協力や投資、購買が集中する環境になったわけです。
背景②:パーパス経営の追い風
もう少し深掘りしてみると、パーパス経営が注目されるようになった背景として、さまざまな個人や組織がパーパス経営を推奨するようになったことが挙げられます。
2018年、世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEOラリー・フィンク氏が年次書簡で「A Sense of Purpose(目的意識)」を提唱しました。
書簡では、社会格差の拡大による不安を背景に、企業は財務成果だけでなく社会貢献やステークホルダーへの便益を重視しなければ長期的な繁栄は望めないと指摘しており、パーパスを長期成長と価値創造の原動力と位置づけました。
また、アメリカ主要企業のCEOで構成される経済団体であるビジネス・ラウンドテーブルにおいて、2019年に過去40年続いてきた「株主第一主義(shareholder primacy)」のアップデートが叫ばれました。
具体的には、企業は顧客・従業員・供給者・地域社会・株主のすべてに価値をもたらすべきであるという考え方が提唱されました。
さらに、2020年の世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)においても、グローバル企業に対してステークホルダー資本主義を本格的に採用することが推奨されました。
つまり、パーパスが企業戦略の中心に据えられるべきであると示されたわけです。
パーパスが必要な理由
こうした環境変化が相まって、企業にとってパーパスを策定・浸透させられるかが、自社がステークホルダーから支持されて成長できるかを左右するようになりました。
言い換えれば、パーパス経営を実践できれば、企業として成長できるようになったわけです。
そのため、多くの企業でパーパス経営の重要性が指摘され、取り組みが加速することになりました。

企業がパーパスを定めるメリット
パーパス経営を実践することで、ステークホルダーから支持されて成長できるということをお伝えさせていただきましたが、これだけではパーパス経営のメリットに納得できない方も多くいらっしゃるでしょう。
そのような方に安心していただくためにも、ここではパーパス経営の定量的なメリットについて解説していきます。
パーパス経営を実践することで、企業が成長できることがさまざまな調査で裏付けられています。
これらはパーパス経営のメリットを裏付ける一例でしかありませんが、パーパス経営にどれほどメリットがあるかご理解いただけると思います。
とはいえ、目指す先を明示してそこに至るためのルールを徹底し、全社一体となって前進している組織が、そうではない組織よりも優れていることは直感的にも納得できるはずです。
長期的な株式リターンの向上
米国のイノベーションコンサルティング会社Jump Associatesの「The Payback on Purpose」という研究では、パーパスを重視する上場企業15社のポートフォリオが、20年間にわたり年平均複利成長率(CAGR)13.6%を達成したのに対し、S&P 500指数の平均は5.9%にとどまることが報告されました。
結果的に、パーパス経営企業はS&P 500の最終的なリターンを約5倍上回ったとされています。
売上成長の加速
イギリスの教育関連企業であるEVERFIの「Purpose means profit: Why purpose-driven companies are more successful」という調査では、パーパスドリブンな組織のうち58%が、3年間で10%以上の成長を遂げたのに対し、パーパスを明確にしていない組織ではその割合が42%に留まりました。
ブランドの成長
マーケティング・データ分析企業として名高いKantarの「PURPOSE 2020」という調査によれば、パーパスに基づいた強いブランドは、12年間でブランド価値が175%成長する一方、パーパス意識の弱いブランドは同期間で70%の成長にとどまったという結果があります。
成長率の倍増
米国コンサルティング会社のMcKinsey が発表した「The growth triple play: Creativity, analytics, and purpose」において、「創造性(creativity)」「分析(analytics)」「パーパス(purpose)」の3要素を統合的に活用する企業はわずか7%しか存在しないものの、こうした企業は同業他社に比べて約2.3倍~2.7倍の成長率を達成していることが報告されています。

強いパーパスに共通する3つの条件
既に述べたような背景や理由、メリットからパーパス経営が叫ばれるようになりましたが、策定しさえすればどのようなパーパスでも問題ないのでしょうか。
答えは、否です。
優れたパーパスには押さえるべきポイントが3つあり、これらを網羅したパーパスでなければメリットを得ることができません。
具体的には、パーパスには市場の機会・ニーズ、自社にとっての整合性、強い信念が必ず必要になります。
こうした要素を備えることができれば、それはワクワクできるパーパスになり、人の意識と行動を変えて成果に直結させることができます。
この事実は、もっとも有名な経営学者の1人であるピーター・ドラッカー(Peter F. Drucker)が、ミッション(果たすべき使命)の重要性について説いた以下の文章からも見出すことができます。
条件①:市場の機会・ニーズがある
One asks first, what are the opportunities, the needs?
第一に問うべきは、「どんな機会があり、どんなニーズが存在するのか」である。
パーパスはワクワクしなければ誰も憧れてくれません。憧れてくれなければ、意識を変え、行動を変え、会社を変えることにはつながりません。
そのため、まずは市場機会・ニーズがあるところ(戦えるところ)でパーパスを定める必要があります。
条件②:自社にとっての整合性がある
Then, do they fit us? Are we likely to do a decent job? Are we competent? Do they match our strengths?
第二に考えるべきは、「それは自分たちにふさわしい機会なのか」である。私たちの強みと合致し、十分に力を発揮できる領域かどうかを確認しなければならない。
たとえ市場機会・ニーズがあったとしても、そこに勝ち筋がなければ誰もワクワクしません。
そのため、自分たちの強みが最大限発揮できる領域においてパーパスを定める必要があります。
条件③:強い信念がある
Do we really believe in this?
第三に確かめるべきは、「私たちはその取り組みに本気で価値を感じ、心から取り組めるのか」である。
市場機会・ニーズや勝ち筋があったとしても、心から熱くなれることでなければワクワクすることはできません。
そのため、あなたが、あるいは社員一同が本気になれるようなテーマでパーパスを定める必要があります。

パーパスの企業事例の一覧
さて、ここまでは知識を中心にパーパスについての理解を深めてきましたが、ここからは実際の事例を見ていきましょう。
各社ともに、どのようにしてパーパスを解釈し、自社の経営に活かしているのかが見えてくるはずです。
まずは、味の素株式会社の事例を通して、パーパスに関する具体的なイメージを「質」重視でつかみます。
そのうえで、他企業の事例一覧を参照して、「量」の観点でイメージを膨らませていきましょう。
「味の素」による独自のパーパス経営
日本人なら誰しもが知っている味の素株式会社においては、独自概念に基づいてパーパス経営が行われています。
この独自概念は「Our Philosophy(Purpose・ASV・AGW)」として総称され、以下の3つの考え方から形成されています。
味の素の事例こそパーパス経営の実践であり、掲げるだけで終わってしまう「お飾りのパーパス」とは比較にもなりません。
| Our Philosophy(Purpose・ASV・AGW) |
| 志・存在意義(Purpose) アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する 志を実現する取組み(ASV:Ajinomoto Group Creating Shared Value) 事業を通じた社会価値と経済価値の共創 価値観(AGW:Ajinomoto Group Way) 新しい価値の創造、開拓者精神、社会への貢献、人を大切にする |
そして味の素株式会社は、「Our Philosophy(Purpose・ASV・AGW)」を中心に据えた企業活動になるように、さまざまな取り組みを行っています。
例えば、グローバル全体では「My Purposeワークショップ」を実施し、従業員一人ひとりが自分自身の志(My Purpose)を言語化し、味の素グループ全体のPurposeとの重なりを見つけられるよう支援しています。
組織と個人の重なりを明確にすることで、Our Philosophyへの共感が深まり、従業員のモチベーション向上につなげる意図があります。
さらに2024年度からは専任組織を立ち上げ、6つの地域で約50名のアンバサダーを育成し、グローバル規模で活動を推進しています。
他にも、ASVアワードと称して、ASV(事業を通じた社会価値と経済価値の共創)を体現した取り組みのうち、特に秀逸な事例を表彰する制度を設けています。
これも、Our Philosophyを体現するための有効な取り組みです。
また、この事例からお伝えしたいことは、パーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)という言葉自体には大きな意味がないことでもあります。
自分たちで目指す先とそこに至るための方法を解釈・定義し、社内外に浸透させられれば「勝ち」であり、それさえできれば変にこだわりを持って複雑な考え方を導入する必要や、パーパスやMVVといった言葉にこだわる必要はありません。
味の素独自のASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)やAGW(Ajinomoto Group Way)も、正解の一つのかたちなのです。

その他企業のパーパス事例一覧
味の素株式会社の事例は、パーパスを深く理解するうえで非常に有益です。
一方、1社だけではパーパスについて具体的なイメージを持ちにくいかと思いますので、ここでは有名企業のパーパスを一覧形式でご紹介させていただきます。
きっと、お気に入りのパーパスが見つかるはずです。
こうした事例を踏まえて、自分たちでパーパスを作成する際のヒントを得ていきましょう。
| 企業名 | パーパス(存在意義) | ||
| 花王 | 豊かな共生世界の実現 | ||
| 武田薬品工業 | タケダは、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献するために存在します。 | ||
| 日本航空(JAL) | 多くの人々やさまざまな物が自由に行き交う、心はずむ社会・未来を実現し、世界で一番選ばれ、愛されるエアライングループを目指します。 | ||
| 三菱UFJ銀行 | 世界が進むチカラになる。 | ||
| ソニーグループ | クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。 | ||
| サントリーホールディングス | 人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命の輝き」をめざす。 | ||
| オリンパス | 世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現 Making people’s lives healthier, safer and more fulfilling | ||
| サイボウズ | チームワークあふれる社会を創る | ||
| ユーグレナ | 人と地球を健康にする | ||
| ライオン | より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する (ReDesign) | ||
| 三井住友トラスト・ホールディングス | 託された未来をひらく ~信託の力で、新たな価値を創造し、お客さまや社会の豊かな未来を花開かせる~ | ||
| 東京海上ホールディングス | お客様や社会の“いざ”をお守りする | ||
| ネスレ | 食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます | ||
| 第一三共ヘルスケア | 世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する | ||
| JT | 心の豊かさを、もっと。 | ||
| 小松製作所 | ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く | ||
| 富士フイルム | 地球上の笑顔の回数を増やしていく。 | ||
| オリックス | 変化に挑み、柔軟な発想と知の融合で、未来をひらくインパクトを。 | ||
| 第一生命グループ | 共に歩み、未来をひらく 多様な幸せと希望に満ちた世界へ | ||
| NEC | Orchestrating a brighter world | ||
なお、パーパスだけではなく、ミッション・ビジョン・バリューの事例についても体系的に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
パーパスの作り方5ステップ
ここまでで、パーパスについてしっかりと理解できました。
しかしながら、実際に自分でパーパスを作ろうとしても、まだ手が動かないと思います。
そのため、本章ではパーパスを作成する際の5ステップをご紹介し、自分でもパーパスを作れるようにしていきます。
ポイントとなるのは、パーパスはそれ単体で完結するものではないため、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とセットで考えていくということです。
各考え方同士を整合させることで、社内で浸透し、最終的な行動変化にまでつながるパーパスができあがります。
ステップ①:プロジェクトの発足・活動準備
最初に行うべきことは、なぜ今パーパスを作るのかという目的を明確にすることです。
そのうえで、タスク、スケジュール、役割分担を整理し、社長や経営陣が本気で関与する体制を整えましょう。
目的が曖昧なままでは、途中で議論がぶれてしまい、良い言葉ができたとしても社内に浸透しません。
また、重役の熱量を示さなければ、パーパスで人の意識や行動が変わらず、単なるお飾りになってしまいます。
また、メンバー全員がMVVやパーパスに関する最低限の知識を共有しておくことで、その後の議論が格段に進めやすくなります。
ステップ②:現状の整理
次に必要なのは、自社の現在地を客観的に把握することです。
こうした現状理解があるからこそ、後のパーパスが独りよがりなお飾りではなく、実態に根ざした内容になります。
既存の理念がある場合は、その浸透度合いや機能不全の有無を確認し、社員アンケートや関係者ヒアリングを通じて、自社の魅力や課題を整理しましょう。
さらに、市場や顧客ニーズ、競合の動き、自社のこれまでの歩みも調査することで、自分たちが置かれている状況が鮮明に見えてきます。
ステップ③:あるべき方向性の策定
現状を整理したら、その結果を踏まえて将来的に自社がどのような存在であるべきかを、「方向性」レベルで考えます。
ここで重要なのは、いきなり完成したパーパスの文章を作ろうとしないことです。
まずは、自社がどこを目指すべきか、どのような価値を社会に提供したいのかを検討し、いくつかのキーワードを抽出していきます。
遠回りに感じるかもしれませんが、すぐにパーパスを作ろうとせずにこの中間ステップを挟むことで、現状調査と最終的な言語化の距離が縮まり、納得感のあるパーパスを作りやすくなります。
ステップ④:パーパスの作成(MVV・パーパスの作成)
方向性が見えてきたら、ここで初めてパーパスやMVVを言葉にします。
やり方はさまざまですが、まずは3案程度の候補を作り、それぞれの良し悪しを比較しながら磨いていくと進めやすいです。
その際は、できるだけ多くの社員を巻き込み、自分たちの言葉として考えてもらうことが非常に重要です。
社員投票などを活用すると納得感の高い決定につながります。
多くの社員を巻き込むことは手間に感じると思いますが、最終的なゴールは社員の行動を変えることです。
「自分もMVV・パーパスの作成に関与した」という実感は、行動を変える大きな追い風になります。
ステップ⑤:パーパスの浸透(MVV・パーパスの浸透)
最後に何よりも大切なのは、作ったパーパスを社内に浸透させることです。
そのため、発表して終わりではなく、社内説明会、研修、制度設計、採用広報などを通じて繰り返し伝え続ける必要があります。
さらに、四半期から1年ごとに社員アンケートを実施し、浸透状況を定点観測しながら改善を重ねていくことも重要です。
人は、認識し、理解し、納得して初めて行動を変えます。
パーパスは作ることより、日々の行動に組み込まれることで初めて価値を持ちます。

パーパスの作り方について、もっと詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
記事内ではミッション・ビジョン・バリューについて書かれていますが、これらをパーパスとして読み替えれば、そのまま適用できます。
自分でパーパスを作るためのワークシート
ここまで、パーパスを形にしていくための流れを整理してきました。
ただ、実際に自社の存在意義を言葉にしようとすると、何から考えればよいのか分からず、手が止まってしまうことも少なくありません。
そこで本章では、質問に沿って考えるだけで、自社らしいパーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を整理できるワークシートをご用意しました。
一見すると項目数が多く、面倒くさいと感じられるかもしれません。
しかし、一つずつ順番に向き合っていくことで、自社がなぜ存在するのか、どのような価値を社会に届けたいのかが少しずつ明確になっていきます。
パーパスは、組織の未来を左右する極めて重要なテーマです。
ぜひ時間を確保したうえで、表面的な言葉選びで終わらせず、自社の本質と向き合いながら丁寧に取り組んでみてください。
| ステップ | パーパスを作成するために答えるべき質問 | |
| ステップ①: プロジェクトの発足・活動準備 | (準備段階のため該当する質問なし) | |
| ステップ②: 現状の整理 | あなたの会社が属している業界にはどのような特徴があり、将来的にはどのような変化が生じると思いますか? | |
| あなたの会社の既存顧客・潜在顧客にはどのような特徴があり、将来的にはどのような変化が生じると思いますか? | ||
| あなたの会社の競合はどのような特徴を有しており、将来的には競争環境がどのように変化すると思いますか? | ||
| あなたの会社の競合は、どのようなMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やパーパスを掲げていますか? | ||
| あなたの会社はどのような思いから設立され、現在に至るまでどのような歴史がありましたか? | ||
| あなたの会社は、何を実現するためにどのような戦略を掲げており、その過程でどのような強み・弱みが見えてきましたか? | ||
| ステップ③: あるべき方向性の策定 | 現状整理の結果を踏まえると、将来的に自社としてどこを目指していきたいですか? | |
| 上記で定めたあるべき方向性は、どのようなキーワード(いくつかの単語)に落とし込むことができますか? | ||
| 検討したキーワードのうち、「特に大切にしたいもの」という観点で高・中・低に分類するとどうなりますか? | ||
| ステップ④: パーパスの作成(MVV・パーパスの作成) | 自社のあるべき方向性、そこに至るための価値観を表現するために、MVV型(ミッション・ビジョン・バリュー型)、PV型(パーパス・バリュー型)、あるいは他の型のいずれを採用したいですか? | |
| 【パーパスを策定する場合のみ回答】 あるべき方向性や具体的なキーワードを踏まえると、どのようなパーパス(存在意義)が適切ですか? | ||
| 【ミッションを策定する場合のみ回答】 あるべき方向性や具体的なキーワードを踏まえると、どのようなミッション(果たすべき使命)が適切ですか? | ||
| 【ビジョンを策定する場合のみ回答】 あるべき方向性や具体的なキーワードを踏まえると、どのようなビジョン(将来の理想的な姿)が適切ですか? | ||
| 【バリューを策定する場合のみ回答】 あるべき方向性や具体的なキーワードを踏まえると、どのようなバリュー(大切にしたい価値観)が適切ですか? | ||
| ステップ⑤: パーパスの浸透(MVV・パーパスの浸透) | 今から、あるいは将来的にMVV・パーパスを社内に浸透させるための施策として、どのようなものが考えられますか? | |
| 考えた施策のうち、自社の特徴を踏まえると、どの施策が効果的だと考えられますか? | ||
パーパスに関するよくある質問
最後に、今回ご紹介しきれていなかった、パーパスに関するよくある質問を整理しておきます。
パーパスを検討するうえで、しばしば登場する考え方です。しっかりとマスターしておきましょう。
パーパスとは?簡単に言うと?
パーパスを簡単に言うと「存在意義」です。企業が進む先を示してくれます。
パーパス経営とは?
パーパス経営とは、企業が定めた存在意義を経営の中心に据え、意思決定や事業運営、人材採用、組織づくりまで一貫して進めていく考え方です。
単に利益を追うのではなく、自社はなぜ存在するのかを軸に行動することで、社内外からの共感を集め、長期的な成長につなげていきます。
本記事でご紹介したパーパスを実践する経営、と捉えればよいでしょう。
パーパスドリブンとは?
パーパスドリブンとは、存在意義を起点に物事を考え、意思決定や行動を行う姿勢を意味します。
企業が目先の利益や短期的な成果だけで動くのではなく、自分たちは何のために存在しているのかという問いに立ち返って進む状態だと考えると分かりやすいでしょう。
パーパスドリブンを実践することが、パーパス経営につながっていきます。
パーパスブランディングとは?
パーパスブランディングとは、企業の存在意義を社外に伝え、ブランド価値の向上につなげる考え方です。
商品やサービスの機能だけで差別化しにくい時代において、自社が社会にどのような価値をもたらしたいのかを示すことで、顧客や取引先、求職者からの共感や信頼を獲得しやすくなります。
パーパスを社内に対してだけではなく、社外に対しても積極的にアピールする取り組みです。
パーパスステートメントとは?
パーパスステートメントとは、企業の存在意義を社内外に伝わるように文章化したものです。
パーパスそのものが存在意義に対する考え方全般を指すのに対し、パーパスステートメントは存在意義を短い文章やメッセージとして明文化したものと言えるでしょう。
しかしながら、本記事を含め、多くのケースではパーパスとパーパスステートメントは同義として捉えられており、深く区別する必要はありません。
パーパスウォッシュとは?
パーパスウォッシュとは、立派なパーパスを掲げているにもかかわらず、実際の経営や現場の行動がまったく伴っていない状態を指します。
見た目だけ立派な存在意義を語っても、行動が伴わなければ社員や顧客はすぐに違和感を覚えます。
だからこそ、パーパスは作ること以上に、日々の行動や制度に落とし込み、組織に浸透させることが重要です。
まとめ|わたしたちはなぜ存在するのか
パーパスとは「わたしたちはなぜ存在するのか?」という問いに答えるものであり、組織の存在意義を示す言葉です。
明確なパーパスを掲げることで、社員一人ひとりが進むべき方向を理解し、日々の行動に意義を感じられるようになります。
また、顧客や投資家からの共感を得やすくなり、購買などの支援が集まりやすくなるというメリットもあります。
ただし、パーパスは思い付きで考えてはいけません。
優れたパーパスには、市場の機会やニーズを捉えていること、自社の強みと整合していること、社員が心から共感し行動できるテーマであること、という3つの条件が必要です。
これらを意識しながら、ご紹介したワークシートなどを活用し、最高のパーパスを完成させてください。
理想と現実のバランスを取りながら、何度も言葉を磨き上げ、組織全体が共感し行動に移せるパーパスを作りましょう。
もし、MVVやパーパスの言語化や社内展開にお悩みであれば、わたしたち「Business Jungle MVV・パーパス策定」がお手伝いできるかもしれません。外資戦略コンサルやデザイナー出身者を含む多様な専門チームが、あなたの会社らしいMVV・パーパスを共にかたちにします。

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