法人設立後、多くの方が最初につまずきやすい手続きの一つが法人口座の開設です。
マネーロンダリング対策や不正利用防止に関する規制の強化が行われた結果、以前に比べて法人口座開設の審査が厳しくなっています。その結果、必要書類を揃えて申請したものの、追加資料の提出を求められたり、開設を断られてしまうケースも珍しくありません。
その中で、近年とくに重要性が高まっているのが事業計画書です。
法人口座開設において、事業計画書は必須書類と明示されていない場合もありますが、実務上は提出を求められることが多く、審査結果に大きく影響します。
本コラムでは、法人口座開設において事業計画書が求められる理由から、銀行が見ているポイント、具体的な構成や書き方までを整理して解説します。
本記事で作成できる事業計画書のサンプル・見本
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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業計画書作成や事業戦略立案に関する豊富な経験を有する。
法人口座開設時に必要な書類
法人口座開設時に一般的に求められる書類は、金融機関によってさまざまありますが、代表的なものでは以下のようなものがあります。
・登記事項証明書
・印鑑証明書
・定款
・代表者の本人確認書類
・事業内容が分かる資料(契約書類/事業計画書など)
この中で、「事業内容が分かる資料」として求められることが多いのが事業計画書です。
特に、設立直後で実績がない法人の場合、取引先との契約書類などを提示することはできません。そのような中でも、銀行は書類上の情報から事業の実態を判断する必要があるため、事業計画書の役割が非常に大きくなるというわけです。
なお、メガバンクや地方銀行は事業計画書の提出を求められるケースが多いですが、ネット銀行では事業計画書の提出が不要なケースも見られます。

法人口座開設で事業計画書が求められる理由
銀行が法人口座開設時に事業計画書を求める最大の理由は、その法人が実体のある事業を継続的に行う意思と計画を持っているかどうかを確認するためです。
繰り返しになりますが、設立されたばかりの法人は、売上実績や取引履歴が存在しないため、銀行は将来の事業内容を事前に把握することが非常に難しいです。そのため、判断材料のひとつとして、事業計画書の重要性が高まっているのです。
特に近年は、マネーロンダリング対策や不正利用防止の観点から、金融機関に求められる管理体制が強化されており、法人口座開設時の審査基準も年々厳格化しています。その結果、登記情報や定款といった形式的な書類だけでは、事業の実態を十分に判断できないと考えられるケースが増えているのです。
事業計画書があることで、
どのような事業を行い、
どの市場を対象とし、
どのような仕組みで収益を得ていくのか
といった事業の全体像を具体的に示すことができます。
これは、銀行にとって将来的な取引内容やリスクを判断するうえで非常に重要な情報となります。また、事業計画書は単に事業の将来性を説明する資料ではなく、法人としての信頼性や代表者の事業理解度を補強する役割も担っています。
そのため、法人口座開設において事業計画書が求められる場面が増えているのです。

法人口座開設に必要な事業計画書の構成・書き方
それでは、法人口座の開設にあたっては、どのような事業計画書を作成する必要があるのでしょうか。ここでは、どのような構成・書き方で事業計画書を仕上げればいいのかを説明します。
決まりきった型はありませんので、自社の状況に応じてアレンジすることがポイントです。今回はパワーポイントで作成する前提で記載しておりますが、ワードでもエクセルでも問題ありません。
表紙
法人名や事業名、作成年月日などを簡潔に記載し、事業内容が一目で伝わるシンプルな構成にします。
目次
銀行の担当者が事業計画書全体の流れと構成を一目で把握できるように整理します。
エグゼクティブサマリ
事業内容と収益の仕組みを短時間で理解できるよう、資料概要を簡潔にまとめます。
目指す姿
売上目標だけでなく、法人としてどのような価値を提供し続けたいのかを整理します。
市場分析
対象市場の規模や動向を示し、なぜその市場で事業を行うのかを客観的に説明します。
競合分析
競合となる企業やサービスを整理し、自社の立ち位置と差別化ポイントを明確にします。
自社戦略
商品やサービスの特徴、価格、販売方法などを整理し、市場分析や競合分析と一貫した内容にします。
活動計画
法人口座開設後にどのような流れで事業を進めていくのかを時系列で示します。
財務計画
売上や費用の見通しを整理し、事業として成立させるための収益構造が分かるようにします。
裏表紙
連絡先や補足情報などを簡潔にまとめ、事業計画書の終わりを明確にします。
事業計画書のテンプレート
本章では、ここまでお話ししたような内容がまとめられた事業計画書のテンプレートをご紹介させていただきます。
そのまま使用できるわけではありませんが、法人口座開設において大きな参考となるはずです。記載されている内容を編集しながら、あなただけの事業計画書を作成してください。
詳細版の事業計画書(PowerPoint)
冒頭からご紹介しているパワーポイント形式の事業計画書です。
しっかりと事業計画内容を作り込みたい方におすすめです。
※権利の関係上、画像などは一部削除しております。

簡易版の事業計画書(Word)
詳細版から記載項目を抜粋したワード形式の事業計画書です。
スピード重視で事業計画内容を検討したい方におすすめです。

財務モデル(Excel)
財務計画を作成するために使用できるエクセル形式の財務モデルです。
毎回ゼロから手動で試算しなくても、数値を変更するだけですぐに自動で試算できます。

業種別の事業計画書の一覧
今回ご紹介した内容を形式は異なりますが、業種別の事業計画書をまとめています。ぜひ参考にしてください。
銀行が見ている事業計画書のチェックポイント
法人口座開設において、銀行が事業計画書で重視しているのは、事業の派手さや新規性ではありません。重要なのは、その法人が実体のある事業を継続的に行うかどうかを、計画書から読み取れるかという点です。
具体的には、銀行は主に、次の5つのポイントを確認しています。これらのポイントを網羅した事業計画書を作成し、スムーズに法人口座を開設しましょう。
1つ目は、事業内容が具体的かつ分かりやすく整理されているかどうかです。
どのような商品・サービスを提供し、誰からどのように収益を得るのかが明確に説明されていない計画は不透明だと判断されやすくなります。抽象的な表現が多い場合、評価は下がってしまいます。
2つ目は、事業計画書がストーリーを持っているかです。
例えば、市場分析や競合分析で示した内容と、自社戦略や活動計画が論理的につながってなければ、事業としての流れが理解できません。各章がバラバラに存在している計画は、信頼性に欠ける印象を与えてしまいます。
3つ目は、収益構造が現実的かどうかです。
どのように売上が発生し、どのような費用がかかるのかについては、銀行から厳しく見られます。細かい数字の大小よりも、その裏にしっかりと根拠があることが重要です。
4つ目は、事業の継続性が感じられるかどうかです。
一時的な取引や短期的な収益だけでなく、継続して事業を行うことができる前提になっているかが確認されます。地に足の着いた、将来の活動計画を示す必要があるでしょう。
5つ目は、代表者自身が事業内容を十分に理解しているかどうかです。
事業計画書は提出して終わりではなく、必要に応じて説明ですることが求められます。代表者が事業計画書を振り返り、きちんと説明できることを改めて確認しましょう。

【法人口座開設だけではない】事業計画書を作成すべき本当の理由
ここまで、法人口座の開設をゴールとして、事業計画書の作成方法について考えてきました。しかし、事業計画書は、法人口座開設のためだけに作成するものではありません。
事業計画書の本来の役割は、事業の方向性や判断基準を明確にし、事業を安定的に進めるための土台をつくること、あるいは事業を大きく発展させることにあります。
また、事業計画書は、今後実行し得る金融機関からの借入や、投資家からの資金調達においても、必ず必要になる書類です。口座開設時に提出した事業計画書を、その後の融資相談や事業拡大の場面で再度活用することができるわけです。一度きちんと作成しておくことで、将来的な手続きが、極めてスムーズになるでしょう。
さらに、事業計画書は社内外との共通認識をつくる資料でもあります。代表者自身が事業をどのように捉えているのかを言語化することで、社員は安心することができますし、会社に対する忠誠心も向上するでしょう。また、第三者とも目指す世界を共有することができるはずです。
こうしたことから、法人口座開設をきっかけに事業計画書を作成することは、長期的に見ても大きな意味を持つ取り組みだと言えるでしょう。ぜひ一度、法人口座開設のタイミングにて、本気の事業計画書を作成することを強くおすすめします。

まとめ
法人口座開設において、事業計画書は法人の事業実態や信頼を伝える重要な資料です。
ただし、事業計画書があれば必ず口座が開設できるわけではなく、銀行がどのような視点で審査を行っているのかを理解したうえで準備を進めることが欠かせません。
事業計画書は、口座開設だけでなく、その後の事業運営や資金調達にも活用できる基盤となります。
ぜひ本コラムを参考に、目先の手続きだけでなく、将来を見据えた事業計画書づくりに取り組んでみてください!
そして、最後に一言だけ!
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