事業計画書を作成する際、パワーポイントで作る方法について悩まれる方は少なくありません。
事業計画書はワード(Word)やエクセル(Excel)などでも作成できますが、パワーポイント(PowerPoint)で作成するケースが大半を占めます。
なぜなら、パワーポイントは複雑な情報を分かりやすく整理して伝えることが得意であるため、誰にとっても読みやすい事業計画書になるからです。
特に銀行や投資家といった読み手は、多くの資料を限られた時間で確認しているため、いかに分かりやすく、無駄なく情報を伝えられるかが評価に直結します。
こうした観点から、事業計画書を作成する際は、パワーポイントでの作成が非常に有効です。
本記事では、パワーポイントで事業計画書を作る方法から、具体的な構成・事例までテンプレート付きで体系的に解説します。
初めて作成する方でも実務で使えるレベルまで仕上げられるように説明していますので、ぜひ参考にしてください。
本記事で作成できる事業計画書のサンプル・見本
「Business Jungle 事業計画書作成」と一緒に事業計画書を作成したい方はぜひご連絡ください。刺さる事業計画書を9,800円から作成代行させていただきます。

最高の事業計画書を作成したい方はこちら⇒ Business Jungle 事業計画書作成
.png)
本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業計画書作成や事業戦略立案に関する豊富な経験を有する。
事業計画書とは
そもそも事業計画書とは、どのような事業を行い、どのように収益を上げていくのかを整理した資料です。
具体的には、事業内容・市場環境・競争環境・活動計画・財務計画などを体系的にまとめていきます。
決まりきったルールはないため、非常に自由度の高い資料になります。
しかしながら、どのような事業計画書であったとしても、「市場や競合の動向から自社のあるべき戦略を見定め、それを活動計画や財務計画として落とし込む」といった流れは共通しています。
事業計画書があれば、外部に対しても事業の魅力を伝えることができ、自分自身にとっても道に迷った際の拠り所として機能してくれるため、事業を検討・推進しているのであれば必ず作成しておきたい資料です。
事業計画書を作る目的
すでに少し触れましたが、事業計画書を作る目的について詳しく解説しておきましょう。
事業計画書の目的は、大きく分けて「外部への説明」と「内部の整理」の2つにあります。
まず外部への説明という観点では、銀行や投資家、取引先に対して事業の内容や将来性を伝えるために使用されます。
この場合、相手は事業計画書を見て、あなたの会社が信頼に足るかや、資金提供・取引などの協力に値するかを判断します。
一方で内部の整理という観点では、自社戦略に対する自分自身の考えを明確にし、事業の方向性を定めるために活用されます。
ここでは、誰に対してどのような価値を提供するのか、どのように収益を上げるのか、市場でどのように競争に打ち勝っていくのかなどを言語化します。これにより、事業推進の中で迷いのない意思決定が可能になり、計画とのズレが生じた際には軌道修正を行うきっかけを手にすることができます。
事業計画書をパワーポイントで作る理由
事業計画書のフォーマットには、決まりきったルールはありません。
ワード(Word)やエクセル(Excel)などさまざまな形式で作成することができますが、それぞれに特徴があり、目的に応じた使い分けが重要です。
その中でも、情報を分かりやすく伝えるという観点では、パワーポイント(PowerPoint)での作成がおすすめです。
スライドごとに内容を整理できるため、読み手が短時間で全体像を理解しやすくなるためです。
ここからは、それぞれの形式の特徴を踏まえながら、違いについて整理していきます。
基本的にはパワーポイントを原則としつつ、必要に応じて他の形式も検討してみましょう。
パワーポイント(PowerPoint)
パワーポイント(PowerPoint)は、情報を視覚的に整理しながら伝えることができるため、事業計画書との相性が非常に良い形式です。
1スライドごとにメッセージを整理することで、読み手は短時間で内容を理解することができます。
また、図やグラフを活用することで、数値や要素ごとの関係性を直感的に伝えることができる点も大きなメリットです。
銀行や投資家といった読み手は、多くの資料を短時間で確認しているため、分かりやすさはそのまま評価に直結します。
そのため、しっかりと内容を作り込み、分かりやすく相手に伝えたい場合には、パワーポイントでの作成が適しています。

ワード(Word)
ワード(Word)は文章を中心に情報を整理する形式であり、詳細な説明を短時間で記載することに適しています。
レポート形式でしっかりと説明したい場合や文章量が多くなる場合には有効ですが、デザイン性が低く図解が使われることは少ないため、読み手にとっては理解に時間がかかるという側面もあります。
特に、読み手が全体像を短時間で把握する必要がある場合には、やや不向きなケースもあります。
そのため、内容が重視されない際の簡易提出や、補足資料として活用するケースに適しています。

エクセル(Excel)
エクセル(Excel)は数値の管理や計算に強みを持つ形式であり、事業計画書そのものではなく、財務モデルの作成などに適しています。
売上や費用の前提を変更しながら試算できるため、事業計画の裏付けとなる数値を精緻に作り込むことが可能です。
一方で、全体のストーリーや事業の魅力を伝える資料としては適していないため、単体で事業計画書として使用することは少ない傾向があります。
パワーポイントと組み合わせて使用することで、より完成度の高い事業計画書を作成することができます。

パワーポイントで作る事業計画書の構成・事例
さて、ここまでで事業計画書そのものや、事業計画書をパワーポイントで作る理由について理解できました。
ここからは、パワーポイントで作る事業計画書の代表的な構成について、事例と合わせて見ていきましょう。
基本的には、市場や競合の動向を分析したうえで自社戦略に落とし込み、活動計画や財務計画に落とし込むかたちで整理していきます。
なお、すでにお伝えしていますが、事業計画書の構成に決まりきったルールはありません。
今回ご紹介する構成を踏まえ、自分なりにアレンジしてみることが大切です。
表紙
表紙は、事業計画書全体の第一印象を決める重要なスライドです。
読み手は、まず表紙を見て「どのような事業の計画書なのか」を判断します。
そのため、事業名はもちろん、場面に応じて計画対象期間や作成者といった情報を記載することが必要です。
一方で、情報を詰め込みすぎる必要はありません。
文字数は必要最小限に抑え、事業の雰囲気や方向性が伝わる画像や配色を組み合わせることで、資料全体のトーンを統一することができます。
デザインに自信がない場合でも、画像と文字に絞ってシンプルに配置するだけでも、十分に整った印象になります。
読み手がワクワクしながら次のスライドへ進めるようデザインにしましょう。

目次
目次は、事業計画書の全体像を示すための重要なスライドです。
読み手にとって、ここで資料の構成を把握できるかどうかによって、その後の理解度が大きく変わります。
特に、事業計画書は情報量が多くなりやすいため、最初に資料全体の流れを共有しておくことが欠かせません。
全体像が分からないまま説明が続く資料は、内容が良くても理解しづらく感じられてしまいます。
冒頭で目次を示すことで、事業計画書に対する読み手の不安を取り除き、安心して資料を読み進めてもらえる状態を作ることができます。

エグゼクティブサマリー
エグゼクティブサマリーは、事業計画書全体を要約したスライドです。
この1枚を読むだけで、事業計画書の概要を把握できる状態を目指しましょう。
特に、時間に限りのある金融機関や意思決定者にとっては、最も重要視されるスライドの1つです。
詳細な説明は後続のスライドに任せ、あくまで全体像をつかんでもらうことが目的です。
エグゼクティブサマリーが分かりやすく整理されていると、読み手は後続のスライドを「検証」や「補足」の視点で読み進めることができるようになるため、計画に対する理解度を大きく向上させることができます。

目指す姿
目指す姿では、この事業を通じて何を実現したいのかというゴールを明確に示します。
単なる売上目標や短期的な成果ではなく、「事業を通してどのような価値を提供したいのか」という中長期的な視点で言語化することが重要です。
自分たちの存在意義を整理するスライドと言い換えてもよいでしょう。
目指す方向性が曖昧なままでは、事業計画に一貫性が生まれません。
事業の意思決定の拠り所となる考え方として、誰が見ても分かりやすく、共感できる内容でまとめましょう。

市場分析①(業界の規模・成長性)
ここからは、自社の事業が属する市場について分析し、自社戦略を策定するための前提知識を獲得します。
市場分析は、業界の規模・成長性と、顧客の抱える課題という2つの観点で整理していくことがポイントです。
まず、業界の規模・成長性では、その名の通り事業が属する業界の規模と成長性を整理します。
業界全体の市場規模がどの程度あり、過去から現在にかけてどのような推移をたどってきたのかを把握することで、事業としてのポテンシャルを判断することができます。
例えば、市場規模が極端に小さかったり、将来的に縮小することが避けられない市場は、そもそも事業として成立する前提条件が整っていないと考えられます。
そのため、業界の規模・成長性を通して、本当に自分たちが取り組むべき市場であるかを、客観的な統計数値をもとに検討していく必要があるのです。

市場分析②(顧客の抱える課題)
次は、業界全体の動向を踏まえたうえで、顧客が抱えている課題を具体的に整理しましょう。
業界という大きな概念で市場を捉えるだけでは、自社の戦略に直結する示唆を得ることはできません。
顧客にはどのような課題があり、どのような方法で課題を解決しようとしているのか、そしてその方法にはどのような不満や限界があるのかを把握しておくことが大切です。
業界が成長している背景には、必ず顧客側のニーズや環境変化があります。
その変化を具体的に言語化することで、本事業の必要性や戦略を検討するためのヒントを得ていきましょう。

競合分析①(競合一覧)
市場分析が完了したら、次は競合について目を向ける必要があります。
競合分析の基本的な手順は、競合を一覧化したうえで、市場における競合のポジションを把握することが多いです。
まず、市場内に存在する競合の一覧を整理する際は、競合をいくつかのグループに分類することで、競合の戦い方を正確に捉えることができます。
価格帯、提供内容、ターゲット顧客、提供方法などの観点から整理することで、各競合がどのような強みを持ち、どのような弱みを抱えているのかが明確になります。
そしてこの段階では、優劣をつけることよりも、各社の違いを正確に把握することを重視しましょう。
また、直接的に同じ商品・サービスを提供している企業だけでなく、顧客の課題を別の方法で解決している代替手段も含めて洗い出すことも重要です。
例えば、ワーキングスペースの出店を検討している場合には、「仕事をする空間」という観点でカフェなども競合になるかもしれません。

競合分析②(競合のポジショニング)
次に、一覧化した競合の属性を踏まえて、各社のポジショニングを整理します。
価格(高い・安い)や顧客分類(個人・法人)など、市場を2軸で分解することにより、競合がどの領域に集中しているのかを可視化することができます。
これにより、競合が多くひしめく領域や比較的競争が緩やかな領域、あるいは自社にとって勝ち筋がありそうな領域が見えてきます。
こうした競合のポジショニングを踏まえ、自社としてどの領域でなら強みを発揮できるかを考え、戦い方を決めていくことになります。

自社戦略①(Product)
自社戦略では、市場分析と競合分析の結果を踏まえ、自社がどのような考え方で事業を展開していくのかを具体的に整理します。
ここでは4P(Product・Price・Place・Promotion)の視点を用いることで、戦略の抜け漏れを防ぎ、実行可能性の高い計画へと落とし込みます。
まず、Product(商品・サービス)では、自社がどのような商品・サービスを提供し、顧客のどのような課題を解決するのかを示します。
ここでは、自社の事業について解像度を高く記載しておくことが大切です。
提供する商品・サービスに優先度がある場合や、具体的な機能がある場合など、可能な限り詳細に提供価値を整理しておきましょう。

自社戦略②(Price)
次に、Price(価格)について整理しますが、競合との価格差だけでなく、なぜその価格帯に設定するのか、顧客にとって納得感のある理由を説明します。
価格の決め方はさまざまありますが、基本的には①コストを下回らない価格に設定する、②競合の価格を踏まえて設定する、③商品・サービスの本質的な価値から設定する、という3つの決め方があります。
競合の価格を踏まえて設定する場合は、安さは低品質のシグナルとなってしまうため、必ずしも安いほうがよいわけではありません。
また、商品・サービスの本質的な価値から設定する場合は、まだ世の中に出ていない商品・サービスであることが多いですが、顧客への事前インタビューなどを通して、確からしい価格を見極めることが大切です。

自社戦略③(Place)
Place(販売方法)では、商品・サービスをどのような形で顧客に届けるのかを整理します。
実店舗、オンライン、紹介、提携など、顧客の行動特性に合った接点を検討し、なぜその販売方法を選択するのかを説明しましょう。
提供方法は、商品・サービスが顧客に届くかを左右する重要な要素です。
店舗型であれば周辺店舗や立地などを踏まえて検討し、オンライン型であれば顧客からの信頼を得られるような導線を設計することが大切です。

自社戦略④(Promotion)
最後はPromotion(販促方法)であり、顧客に事業を知ってもらい、利用してもらうまでの集客の流れを設計します。
まず大前提として知っておいていただきたいのは、集客は想像以上にハードルが高いということです。
何か施策を講じたらすぐに顧客が集まるというわけではないため、複数の施策を用意し、費用対効果を早急に見極めた取り組みが重要です。
単発の施策ではなく、継続的に集客につなげる仕組みを設計することで、場当たり的ではない安定した事業運営が可能になります。
「個の集客がうまくいかなかった場合はどうすべきか」を念頭に、根気強く取り組める販促方法を整理しましょう。

活動計画
活動計画では、これまでに整理した自社戦略を、どのような手順で実行に移していくのかを具体化します。
どれほど優れた戦略であっても、実行方法が曖昧なままでは成果につながらないため、事業を現実的に前進させる道筋を示す必要があります。
まず、事業の立ち上げから成長までをいくつかのフェーズに分けて整理しましょう。
初期段階では、最小限のリソースで事業を成立させることを重視し、提供価値の検証や顧客の反応確認に注力します。
そして、各フェーズごとに、いつまでに何を達成するのかを明確にすることが重要です。
売上目標や顧客数だけでなく、仕組みづくりや体制構築といった定性的な目標も併せて整理することで、事業推進中に計画の進捗状況を把握しやすくなります。

財務計画
最後に、財務計画では、事業の収益性を売上・費用・利益といった数値で整理します。
読み手が最も重視するポイントの1つであり、事業計画全体の信頼性を左右する重要なスライドです。
全体を通して、数値そのものよりも、なぜその数値になったのかという根拠の説明を重視しましょう。
まず、売上の見通しについて整理します。
どのような前提で売上が発生するのかを試算し、単価や数量などに分解して説明する必要があります。
その際は感覚的な数字ではなく、活動計画と連動した現実的な数値設定を行いましょう。
次に、費用構造を整理します。
人件費、広告費、外注費など、主要なコスト項目を漏れなく洗い出し、事業規模の拡大に伴ってどのように変動するのかを示しましょう。
さらに、最終的な利益の推移についても触れます。
売上と費用を踏まえ、どのような利益に着地するのかを検討しましょう。
長期にわたって赤字が継続するようであれば、売上・費用の前提を見直す必要があるかもしれません。




裏表紙
裏表紙は、事業計画書の締めくくりとして、資料の終わりを知らせる役割を持つスライドです。
内容を詰め込む必要はなく、「ここで資料が終了する」ということが読み手に伝われば問題ありません。
事業計画書の用途に応じては、読み手からのコンタクトを求めるような場面もあるかもしれません。
そのような場合は、電話番号やメールアドレス、ホームページ情報などを記載しておいてもよいでしょう。

事業計画書に盛り込まれる他項目
ここまで、実際の事業計画書のパワーポイント事例をもとに、基本的な構成についてご紹介させていただきました。
しかしながら、事業内容や事業計画書の作成目的に応じて、事業計画書の構成は柔軟に変更していく必要があります。
例えば、以下で整理しているのは事業計画書に頻繁に盛り込まれるその他の項目です。
自分の状況に合わせて、こうした項目、あるいは他の項目を事業計画書に反映していきましょう。
| 項目名 | 記載内容 | |
| 会社概要 | 会社名、所在地、設立年月、代表者、事業内容などの基本情報を整理し、会社の全体像を簡潔に示す | |
| メッセージ | 事業に対する想いや社会に提供したい価値を端的にまとめ、事業の方向性を伝える | |
| 課題 | ターゲットとなる顧客や市場が抱えている具体的な課題を整理し、事業の必要性を明確にする | |
| 解決策 | 課題に対してどのような商品やサービスで解決するのかを具体的に示し、価値提供を明確にする | |
| MVV(ミッション・ビジョン・バリュー) | 将来の事業のゴールや大切にしたい価値観を整理し、会社としての在り方の根本を示す | |
| メンバー紹介 | 代表者や主要メンバーの経歴や専門性を整理し、事業を実行できる体制であることを示す | |
| 実績 | 過去の成果や取引実績、関連経験などを整理し、事業の信頼性や実行力を裏付ける | |
| ビジネスモデル | 収益の仕組みや提供価値、顧客との関係性を整理し、どのように利益を生むかを示す | |
| 背景と目的 | 事業を立ち上げた背景や目的を整理し、なぜこの事業を行うのかを明確にする | |
パワーポイントの事業計画書のテンプレート
さて、パワーポイントで作る事業計画書について理解することができましたが、それでも自分で作成しようとするとつまずいてしまうものです。
そのような方は、ぜひテンプレートをご活用ください。
テンプレートを活用することで、高品質な事業計画書を短い時間で作成することができます。
冒頭でもご紹介しましたが、こちらはこれまで登場している事業計画書のテンプレートです。
文章を差し替えたり、画像を追加したり、スライドを変更したりすることで、簡単に同じような事業計画書を手にすることができます。

また、エクセルで作成した財務モデルも再掲しておきましょう。
財務モデルをエクセルで作成し、そのうえでパワーポイントの事業計画書に反映させることで、数値変更にも柔軟に対応でき、かつプロフェッショナルな事業計画書に仕上げることができます。

パワーポイントで作る事業計画書のポイント
さて、ここまでご紹介した事例は、非常に読みやすい・理解しやすいと感じていただけたと思いますが、それはなぜでしょうか。
実は、パワーポイントで事業計画書を作成する際は、同じ構成で作成しても、仕上がりには大きな差が生まれてしまいます。
そして、その違いを分けるのが、これからご紹介する5つのポイントです。
各ポイント自体はシンプルですが、すべてを網羅して事業計画書に盛り込むことで、非常に高品質な資料に仕上げることができます。
ぜひ意識して作成してみてください。
ストーリーがあるか
事業計画書は、単に情報を並べた資料ではなく、一貫したストーリーとして構成されていることが重要です。
市場分析・競合分析から自社戦略につながり、活動計画・財務計画へと落とし込む流れが論理的につながっていることで、読み手は自然に内容を理解することができます。
一方で、各スライドが完全に独立していると、全体像が見えにくくなり、事業計画書としての品質が大きく低下してしまいます。
1スライド1メッセージか
パワーポイントで事業計画書を作る際は、1スライドに1つのメッセージを載せることが基本です。
複数の情報を1スライドに詰め込みすぎると、読み手はどこを見ればよいか分からなくなり、理解度が大きく下がります。
その結果、本来伝えたい内容も伝わらなくなってしまいます。
各スライドで「何を伝えたいのか」を明確にし、それ以外の情報は思い切って削る、あるいはスライドを分割することで、分かりやすい資料に仕上げることができます。
数字で語られているか
事業計画書では、思いこみではなく、できる限り数字を用いて説明することで説得力が格段に向上します。
財務数値や市場規模・成長率などを具体的な数値で示すことで、内容の信頼性が大きく向上します。
一方、「大きい」「多い」といった抽象的な表現だけでは、事業計画書としての品質は低くなり、第三者にも信用してもらえません。
どのような情報であっても可能な限り数値に落とし込み、客観的に判断・納得できる情報として提示することが求められます。
根拠が語られているか
数値や結論を示すだけでなく、その根拠が明確に説明されているかも重要なポイントです。
なぜその市場を選んだのか、なぜその売上が見込めるのかといった背景が整理されていることで、読み手は納得感を持って内容を理解することができます。
あなたの頭の中に根拠があったとしても、誰にでも分かるかたちで表現されなければ意味がありません。
結論とあわせて「なぜそう言えるのか」を念頭に置き、事業計画書として言葉にすることが求められます。
美しいデザインか
事業計画書は内容が重要である一方で、資料としての品質を担保するためには、デザインも非常に重要です。
情報が整理されておらず、文字が詰め込まれた資料は、それだけで読みづらく、信頼してもらえません。
一方で、余白や配置、色合いが整っている資料は、それだけで読みやすく、内容も理解しやすくなります。
高度なデザインスキルは必要ありませんが、フォントや色、配置を統一し、見やすい状態に整えることが大切です。
細部まで丁寧に仕上げることは、事業に対する本気度そのものを示すことにもつながります。
パワーポイントで事業計画書を作る方法
それでは、事業計画書を作成する際は、実際にどのような手順で進めていけばよいのでしょうか。
事業計画書は、いきなりスライドを作り始めるのではなく、順序立てて整理しながら作成していくことが重要です。
作成の流れを誤ると、内容に一貫性がなくなったり、手戻りが発生してしまいます。
ここでは、効率的かつ高品質な事業計画書を作るための基本的な5つのステップをご紹介します。
①目的・フォーマットを決める
まずは、事業計画書を「誰に対して、何のために作るのか」を明確にするところから始めます。
銀行向けなのか、投資家向けなのか、あるいは自分自身・社内の整理のためなのかによって、重視すべき内容や表現方法は大きく異なります。
この目的が曖昧なままでは、目的から逆算した資料設計ができません。
また、フォーマットについてもこの段階で決めておくことが重要です。
第三者に見せる場合はパワーポイントを基本としつつ、必要に応じてエクセルで財務モデルを作成するなど、目的の整理に応じた最適なフォーマットを選びましょう。
②構成・ストーリーを考える
次に、事業計画書全体の構成とストーリーを設計することで、事業計画書の骨子を固めます。
目的が決まれば、その目的を達成するために必要な資料構成、言い換えれば目次を逆算することができます。
そして、目次の各項目でどのようなことを説明すべきかという一言メッセージを決めて、全体をつなげあわせることでストーリーが作れます。
1スライド1メッセージを原則として、事業計画書で語るべきことを構成・ストーリーとしてまとめあげましょう。
この段階では、細かな文章やデザインは一切考慮する必要はありません。
③文章を作成する
構成・ストーリーが決まったら、各スライドで述べるべきことが1つのメッセージとして整理されているはずです。
このステップでは、各スライドのメッセージを具体的な文章として落とし込んでいきましょう。
この段階では、デザインを考える必要はなく、文章に集中することが重要です。
多くの場合、文章とデザインを一緒に考えてしまうことが原因で、さまざまな手戻りが発生しているためです。
そのままスライドに掲載できる文章を、しっかりと整理していきましょう。
なお、1スライド1メッセージの原則に当てはまらないため、メッセージに関係しない情報は記載しないでください。
④デザインを整える
文章が整理できたら、ここではじめてデザインを整えていきます。
フォントや色、余白、配置を統一し、読み手にとって見やすい状態にすることが重要です。
また、図やグラフを適切に活用することで、パワーポイントとしての強みを活かし、内容理解をさらに促進することができます。
事業計画書に記載する内容は、ここまででできあがっているはずですので、本ステップではその内容をデザインとしてまとめあげることに注力しましょう。
⑤見直しして最終化する
最後に、全体を通して見直しを行い、事業計画書を完成させましょう。
各スライドの内容に矛盾がないか、数値や前提に違和感がないか、ストーリーとして一貫しているかを確認することが重要です。
また、自分では気づきにくい改善点も多いため、第三者に確認してもらうことも有効です。
こうした見直しを丁寧に行うことで、読み手に刺さる事業計画書に仕上げることができます。
誤字脱字があるだけで、「丁寧に作られていない」という印象を読み手に与え、信頼を失ってしまいます。
パワーポイントの事業計画書でよくある質問
最後に、本記事の集大成として、パワーポイントで事業計画書を作成する際によくいただく質問について整理しておきます。
初めて作成する場合は、細かな点で迷うことも多いですが、ここまでで説明した基本を押さえておけば大きく外すことはありません。
こうした基本に加え、以下の質問を参考にすることで、事業計画書をもう一段高い品質に押し上げましょう。
パワーポイント以外で作ってもよい?
問題ありません。
事業計画書に決まった形式はなく、ワード(Word)やエクセル(Excel)で作成することも可能です。
ただし、読み手に短時間で分かりやすく伝えるという観点では、パワーポイントの方が適しているケースが多いです。
特に銀行や投資家に提出する場合は、視覚的に整理された資料の方が評価されやすいため、事業計画書の目的に応じてフォーマットを選びましょう。
事業計画書は何枚にすべき?
一般的には20枚前後が目安となりますが、重要なのは枚数ではなく、必要な情報が過不足なく整理されているかどうかです。
情報が不足していると説得力が弱くなり、逆に多すぎると読み手の負担が増えてしまいます。
プレゼンなどがある場合は所要時間から逆算して枚数設計することが必要ですが、基本的には必要な分だけ用意するという発想で構いません。
初心者でも作れる?
テンプレートや基本構成を活用すれば、初心者でも十分に作成可能です。
本記事でご紹介した構成やポイントをもとに進めていけば、大きく方向性を誤ることはありません。
まずは完成度を求めすぎず、全体を一度作り切ったうえで、見直しを重ねて徐々に質を高めていきましょう。
もちろん、戦略やデザインを含め、プロが作成したほうが品質は高くなりますので、必要に応じてプロを頼ってもよいでしょう。
作成にはどれほど時間が必要?
簡易的な事業計画書であれば1日程度、本格的に作り込む場合は数日から1週間程度が目安となります。
特に市場分析や競合分析、財務計画などは時間がかかるため、余裕を持って取り組むことが重要です。
急ぐことで品質が低くなってしまうと本末転倒ですので、事業計画書の品質を高めることを最優先に考えましょう。
プレゼン練習は必要?
プレゼンが必要な場合は必ず練習すべきですが、資料提出のみの場合でも簡単に練習しておくことをおすすめします。
資料だけではきれいにまとまっているように見えても、自分で説明しようとすると必ず詰まってしまう部分が見つかります。
それこそが事業計画書の改善余地であり、こうした課題を特定するためにも音読することが欠かせません。
まとめ|事業計画書をパワーポイントで作ろう
事業計画書は事業の全体像を整理した資料であり、外部からの理解や協力を獲得するため、そして自分自身が事業推進の拠り所を得るために極めて重要な役割を担っています。
特に、パワーポイントで作成することで、複雑な情報を分かりやすく整理し、読み手に短時間で理解してもらうことができます。
これは銀行や投資家といった第三者にとって、非常に大きな価値を持つポイントです。
また、事業計画書を作成する過程そのものが、自分自身が事業の戦略を理解し、戦略に照らして日々の意思決定の質を高めることにもつながります。
本記事でご紹介した構成やポイント、作成手順を踏まえながら、ぜひ実務で使える事業計画書を作成してみてください。
パワーポイントを活用することで、伝わる事業計画書へと仕上げることができます。
ちなみに、「Business Jungle 事業計画書作成」と一緒に事業計画書を作成したい方はぜひご連絡ください。刺さる事業計画書を9,800円から作成代行させていただきます。

最高の事業計画書を作成したい方はこちら⇒ Business Jungle 事業計画書作成
目次