初めて事業計画書を作成しようとしたとき、立ち止まってしまう方は非常に多いです。
事業アイデアは頭の中にあるものの、それを文章や数字として整理し、第三者に伝わる形にするのは簡単な作業ではありません。特に、事業計画書にはそもそも何を書けばいいのか、どのようにして検討すればいいのかも分からない方が大半でしょう。
しかし、事業計画書は特別な人だけが作るものではありません。正しい考え方を理解すれば、初心者でも十分に作成できます。
本コラムでは、事業計画書を初めて書く方に向けて、基本的な考え方から構成、具体的な記入例、注意点までを分かりやすく解説します。初心者向けに基礎から整理していますので、安心して読み進めてください。
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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業計画書作成や事業戦略立案に関する豊富な経験を有する。
事業計画書とは何か
事業計画書とは、これから取り組む事業、あるいは既に構想している事業について、その内容や方向性、収益の仕組み、将来の見通しを体系的に整理した資料です。
単なるアイデアや思いつきを文章にしたものではなく、事業として本当に成立するのかを、第三者の視点でも確認できる形に落とし込むための設計図の役割を持ちます。
事業計画書を作成する目的は、金融機関からの融資や、投資家からの出資を受けるためだけではありません。
自分自身の頭の中にある考えを整理し、事業の方向性や優先順位を明確にすることも大きな目的の1つです。文章に書き出す過程で、検討が足りていなかった点や、曖昧だった前提条件に気付くことも少なくないでしょう。
初心者にとって事業計画書は難しく感じられがちですが、本来は事業を前に進めるための拠り所となるものです。
誰かに見せるかどうかに関わらず、事業計画書を作成すること自体が、事業を現実のものとして考える第一歩になるでしょう。ぜひ全力で取り組んでください。

初めての事業計画書で多くの人がつまずくポイント
初めて事業計画書を作成する際、多くの方が同じようなところで手が止まります。
それは能力の問題ではなく、事業計画書という形式に慣れていないことが原因であり、知っているか/知っていないかという問題でしかありません。
事業計画書を作成する際は恐れる必要は一切ありません。まずは、不安な思いを持っているのはあなただけではないということを理解することが第一歩です。
ここでは、初心者の方が特につまずきやすい代表的なポイントを整理し、その背景にある考え方を分かりやすく解説していきます。
そもそも何を書けばいいか分からない
初めて事業計画書に向き合うと、多くの方が白紙の前で手が止まってしまいます。
事業計画書には特別な決まりごとがあり、難しいことを書かなければならないと感じてしまうためです。
しかし実際の事業計画書は、事業を一から説明するための整理資料に過ぎません。
どのような事業なのか、誰に向けて何を提供するのか、どのように収益を得るのかといった、事業の骨格となる内容を順番に書き出していくことが重要です。
まずは気を張って専門的に見せようとせず、いつも通り、事業を人に説明する感覚で書き始めることが大切です。

記載する項目が理解できても、どのように検討すればいいか分からない
事業計画書の項目を把握できても、それぞれの項目で何を考えればいいのか分からず、手が止まることも少なくありません。
例えば、市場分析や競合分析、自社戦略といった言葉を聞くと、難しい調査や高度な分析が必要だと感じてしまいがちです。
大切なのは、最初から正解を出そうとしないことです。
自分の経験や身の回りの事例、簡単に調べられる情報、実際の顧客の声などをもとに仮の考えを立てていくだけでも十分です。事業計画書は一度で完成させるものではなく、考えを深めながら更新していく前提で作成するものだと捉えておきましょう。

初心者向けの事業計画書の基本構成・書き方
初心者が事業計画書を作成する際は、いきなり文章を書き始めるのではなく、まず全体の基本構成を理解することが重要です。
一般的な事業計画書は、導入(事業計画書の位置付け)、市場や競合の状況、自社の戦略、具体的な活動計画、そして財務計画といった流れで構成されます。これらは単なる項目の集まりではなく、それぞれがストーリーとして結びつくことで納得感が生まれます。
書き方のポイントとしては、最初に細かな文章を作り込むのではなく、事業全体のストーリーを設計してしまうことです。どのような背景でこの事業を始め、どの市場で、どのような強みを活かし、どのように成長していくのかといった流れを大枠で整理しましょう。
そのうえで、各項目に必要な内容を一つずつ埋めていくと、全体に一貫性のある事業計画書になります。こうすることで「各項目を作り込んだものの、全体として何が言いたいのかよく分からない事業計画書になった」という失敗も避けられるでしょう。

初めてでも分かる事業計画書の記入例
それでは、どのように事業計画書を作成していけばよいのでしょうか。
実際の事業計画書の記入例を参考にしながら、項目ごとに記載すべき内容を考えていきましょう。
なお、今回は最も一般的なパワーポイント形式で作成していますが、事業計画書に決まりきった型はありません。金融機関などから形式を指定されている場合は、従うようにしましょう。
記入例①:この事業計画書の位置付け・ゴールはどのようなものか?
事業計画書の冒頭には、表紙、目次、そしてエグゼクティブサマリや目指す姿を配置します。
表紙や目次は、資料の顔や案内図として最低限の役割を果たせば十分であり、ここで内容を作り込みすぎる必要はありません。
一方で、エグゼクティブサマリは事業計画書全体の要約であり、非常に重要なパートです。事業計画書の概要を簡潔に整理することで、読み手は短時間で事業の全体像を把握できます。
また、目指す姿も記載しておくとよいでしょう。事業を通してどのような世界を実現したいかは、事業計画におけるゴールを指します。最初にゴールを提示しておくことで、読み手は安心して事業計画に目を通し、あなた自身も事業の目的地を見失わずにすみます。




記入例②:市場はどうなっているか?
市場分析の項目では、事業を行う舞台がどのような状況にあるのかを整理します。
初心者の方は難しい市場調査が必要だと感じがちですが、最初はそこまで構える必要はありません。どのような顧客が存在し、どのようなニーズがありそうかを言語化するだけでも十分なスタートになります。
市場の規模感や成長性についても、公開されているデータを参考にしながら、自分なりの理解をまとめていきましょう。市場が存在し、一定の需要が見込めることを示すことで、事業の前提条件に説得力が生まれます。


記入例③:競合は何をしているか?
競合分析の項目では、同じ市場で似た価値を提供している事業やサービスを整理します。
競合がいることは決してマイナスではなく、その市場にすでに需要がある証拠でもあります。価格帯、提供内容、対象顧客などを比較することで、自社との違いが見えてくるはずです。
初心者の段階では、完璧な競合分析を行う必要はありません。思い浮かぶ競合を書き出し、それぞれの特徴を簡単に整理するだけでも十分です。競合を知ることで、自社がどこで勝負すべきか、つまりどのようにして競合と差別化するかを考えることができます。


記入例④:自社はどのような戦略を打ち出すべきか?
市場と競合を整理したあとは、自社としてどのような戦略を取るのかを考えます。
ここでは、4P(Product:商品やサービス、Price:価格、Place:販売方法、Promotion:販促方法)を一貫した流れで整理することが重要です。なぜその戦略を選ぶのかが、市場や競合の分析結果とつながっていると、事業全体に説得力が生まれます。
初心者の方は、差別化しなければならないと意識しすぎる必要はありません。自分が実現したい提供価値を4Pに沿って素直に言語化することが、戦略設計の第一歩になります。
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記入例⑤:どのような活動を計画しているか?
活動計画では、事業をどのようなステップで進めていくのかを時系列で整理します。
事業開始直後から大きな成果を前提にするのではなく、準備期間、立ち上げ期、安定期といったように、事業の発展段階を意識して考えることが大切です。いつ、何を行い、その結果どのような状態を目指すのかを具体的に書き出していきましょう。
活動計画が整理されていると、事業の実行イメージが読み手にも伝わりやすくなります。現実的で無理のない計画を意識することが重要です。

記入例⑥:事業を通してどのような財務結果が得られるか?
財務の項目では、事業を通してどの程度の売上や利益が見込めるのかを整理します。
初心者の方は数字を書くことに不安を感じやすいですが、最初から正確な数値である必要はありません。単価や販売数量、稼働率といった前提条件を一つずつ設定し、そこから数字を積み上げていくことが大切です。
重要なのは数字の大きさではなく、その数字をどのように考えたのかを説明できることです。根拠が整理されていれば、財務計画全体の信頼性も高まるため、数字そのものよりも根拠を重視して検討しましょう。




初めて事業計画書を書く場合の5つの注意点
ここまでで事業計画書に関するおおよそのイメージはついたかと思います。しかし、このまま書き始めてみても、プロが書いたような事業計画書になることは少ないでしょう。
それは、初めて事業計画書を作成する際は、書き方や構成以前に、どのような考え方で向き合うかが完成度を大きく左右するためです。
知識や経験が少ないこと自体は問題ではなく、考え方を誤ることで計画書全体がちぐはぐになってしまうケースが多く見られます。
そのような失敗を避けるためにも、ここでは、初心者が特に意識しておきたい5つの注意点を整理しておきましょう。
注意点①:目的から逆算して設計する
事業計画書は、作成すること自体が目的ではありません。創業準備の整理なのか、融資相談なのか、第三者への説明なのかといった目的によって、強調すべき内容は変わります。
最初に目的を明確にし、そこから逆算して構成や情報量を設計することで、無駄のない一貫性のある事業計画書になります。
注意点②:読み手の目線に立って作成する
事業計画書は自分の考えを整理する資料であると同時に、誰かに読まれる前提の資料でもあります。
金融機関であれば事業の安定性・実現性、投資家であれば事業の成長性など、読み手が何を気にしているのかを意識して内容を検討しましょう。また、専門用語や前提条件は丁寧に説明し、初めて読む人でも理解できるかという視点を意識することが重要です。
注意点③:最初から完璧を求めない
初めて作る事業計画書を、最初から完成度の高いものにしようとすると手が止まりやすくなります。
事業計画書は一度で仕上げるものではなく、考えながら何度も修正していく前提の資料です。まずは書き切ることを優先し、後から内容を磨いていく姿勢が、結果的に事業計画書の質を高めてくれます。
注意点④:分析結果と事業内容を結び付ける
市場分析や競合分析を行っても、それが事業内容や戦略に反映されていなければ意味がありません。
なぜその商品や価格、販売方法や販促方法を選んだのかが分析結果とつながっていることで、事業計画書全体に説得力が生まれます。調査や分析は手段でしかなく、それらを活用して自社戦略の質を高めることにこそ価値があります。
注意点⑤:数字そのものだけでなく根拠も重視する
売上や利益の数字は目を引きやすい一方で、根拠が曖昧だと信頼性を損ねてしまいます。
重要なのは数字のそのものの大きさではなく、どのような前提条件から導き出された数字なのかを説明できることです。単価や数量などを丁寧に積み上げることで、現実味のある財務計画に仕上げましょう。

初めて事業計画書を書く場合の進め方
初めて事業計画書を書く場合は、最初から完成形を目指すのではなく、段階的に進めていくことが大切です。
まずは事業全体のストーリーを大枠で整理し、どのような背景で事業を始め、どの市場で、どのように価値を提供し、どのように成長していくのかを簡単に書き出してみましょう。この段階では、文章のうまさや正確さを気にする必要はありません。
次に、そのストーリーに沿って、事業概要、市場や競合、自社戦略、活動計画、財務計画といった各項目を順番に埋めていきます。内容に迷った場合は、仮の考えでも構わないので一度書いてみることが重要です。
一通り書き終えたら、全体を見直し、内容の重複や抜け漏れ、前後のつながりを調整していきます。この見直しの過程で、事業の理解が深まり、計画書の精度も自然と高まっていきます。
事業計画書は一度で仕上げるものではなく、考えながら更新していく資料だと捉え、焦らずじっくりと進めていきましょう。

【初心者はマネから!】事業計画書の無料テンプレート
事業計画書の書き方について、大枠をご理解いただけたと思います。
しかし、初めて事業計画書を作成する場合、ゼロから構成を考えるのは大きな負担になります。そのようなときは、既に整理されたテンプレートを活用するのがおすすめです。
構成や項目が用意されていることで、何を書くべきかが明確になり、迷う時間を大幅に減らすことができます。
テンプレートは、そのまま完成形として使うものではなく、自分の事業内容に合わせて書き換えていくための参考に過ぎません。まずはテンプレートを使ってマネすることから始め、全体像をつかんで徐々に内容を調整していくことで、自分なりの事業計画書に仕上げていきましょう。
以下にテンプレートをご用意させていただきましたので、初心者の方はぜひご活用ください。
詳細版の事業計画書(PowerPoint)
本コラムで登場したパワーポイント形式の事業計画書です。
しっかりと事業計画内容を作り込みたい方におすすめです。
※権利の関係上、画像などは一部削除しております。

簡易版の事業計画書(Word)
詳細版から記載項目を抜粋したワード形式の事業計画書です。
スピード重視で事業計画内容を検討したい方におすすめです。

財務モデル(Excel)
財務計画を作成するために使用できるエクセル形式の財務モデルです。
毎回ゼロから手動で試算しなくても、数値を変更するだけですぐに自動で試算できます。

業種別の事業計画書の一覧
業種別の事業計画書をまとめています。簡易的な記載形式になっておりますので、クイックに作成することができるはずです。
ぜひ参考にしてください。
事業計画書に関するよくある質問10選
初めて事業計画書を作成する際は、細かな疑問が次々と浮かび、不安に感じることも多いものです。ここでは、初心者の方から特によく寄せられる質問を取り上げ、分かりやすく整理して解説します。
Q.事業計画書は何ページくらい必要ですか?
事業計画書に決まったページ数はありません。目的や用途によって適切な分量は異なります。初心者の場合は、全体像が無理なく伝わる10〜20ページ程度を目安にし、まずは簡潔にまとめることを意識するとよいでしょう。
Q.初めてでも事業計画書は自分で作れますか?
初めてでも問題なく作成できます。専門知識がなくても、事業内容や考えを順序立てて整理すれば十分です。テンプレートを活用しながら進めることで、迷わず形にすることができます。
Q.数字はどこまで正確に書く必要がありますか?
最初から完璧な数字である必要はありません。重要なのは、どのような前提条件からその数字を導いたのかを説明できることです。現実的な仮定を置き、論理的に積み上げることを意識しましょう。
Q.市場分析はどの程度まで書けばいいですか?
初心者の段階では、簡潔な整理で問題ありません。想定する顧客やニーズ、市場の規模感・成長性を言語化できていれば十分です。難しい専門分析よりも、分かりやすさを優先しましょう。
Q.競合が少ない場合はどうすればいいですか?
競合が少ない、あるいは分かりにくい場合でも問題ありません。似た商品や代替手段を広く捉えて整理することが大切です。競合の存在を通じて、自社の特徴を明確にしましょう。
Q.事業計画書では専門用語を使うべきですか?
専門用語を多用することは避けましょう。読み手が理解できることが最優先です。誰が読んでも内容が伝わる表現を意識することで、説得力のある事業計画書になります。
Q.事業計画書の完成度はどこまで求めればいいですか?
最初から高い完成度を目指す必要はありません。事業計画書は考えながら更新していく資料です。まずは全体を書き切り、その後に内容を磨いていく姿勢が大切です。
Q.融資を考えていなくても事業計画書は必要ですか?
融資を予定していなくても、事業計画書は有効です。事業の方向性や優先順位を整理できるため、経営判断の指針として役立ちます。将来の選択肢を広げる意味でも作成しておきましょう。
Q.初めての事業計画書はどれくらいの期間で作成できますか?
初めての場合、全体で2週間から1か月程度かかるケースが一般的です。最初は考えがまとまらず時間がかかりますが、書き進めるうちに整理されていきます。短期間で完成させるよりも、見直しながら少しずつ仕上げる進め方がおすすめです。
Q.事業計画書はどのようなファイル形式で作成すればいいですか?
目的に応じて選ぶのが基本です。メモ書きレベルであればWordやGoogleドキュメントで十分です。金融機関や投資家に提出する場合は、PowerPoint形式が読みやすく好まれます。数字管理にはExcelを併用すると効率的です。
まとめ
初めて事業計画書を作成することは、多くの方にとって大きな挑戦に感じられるかもしれません。
しかし、事業計画書は特別な知識や経験がなければ書けないものではなく、事業を前に進めるために考えを整理するための道具です。完璧を目指す必要はなく、仮説を立て、見直しを重ねながら少しずつ精度を高めていきましょう。
本コラムで紹介した考え方や構成、記入例やテンプレートを参考に、自分なりの事業計画書を形にしてみてください。事業計画書を書き切る経験そのものが、事業を現実へと近づける大きな一歩になるはずです。
そして、最後に一言だけ!
Business Jungleと一緒に事業計画書を作成したい方はぜひご連絡ください。刺さる事業計画書を9,800円から作成代行させていただきます!

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