大企業のミッション・ビジョン・バリューとは?事例50選・作り方・浸透方法まで解説

大企業のミッション・ビジョン・バリューとは?事例50選・作り方・浸透方法まで解説

あなたが大企業に属している、あるいは属したことがあれば、「ミッション・ビジョン・バリューは本当に必要なのか」「自社では形骸化していて、意味がないと感じてしまう」といったことを一度は感じたことがあるかもしれません。

しかしながら、大企業にとってMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は極めて重要な考え方であり、大勢いる社員が同じ意思で、同じ方向に向かっていくために必要不可欠です。

本記事では、大企業において「お飾り」になりがちなMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の必要性について、事例も参照しながら大企業の目線で考えていきます。

具体的な作成・改定方法はもちろん、MVVがお飾りになってしまう理由や、作成したMVVを社内に浸透させる方法についても解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、わたしたち「Business Jungle MVV・パーパス策定」と一緒にMVV・パーパスを策定したい方、あるいは浸透させたい方は、いつでもご連絡ください。外資戦略コンサルやデザイナー出身者を含む多様な専門チームが、全力でサポートさせていただきます!

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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案やMVV・パーパスの策定・浸透に関する豊富な経験を有する。

大企業におけるミッション・ビジョン・バリューとは

大企業にとってのミッション・ビジョン・バリューの必要性について考える前に、まずは言葉そのものの定義について説明します。

ミッション・ビジョン・バリューを一言で述べるのであれば、「目指す先とそこに至るための方法」です。
それぞれの役割について、きちんと理解しておきましょう。

ミッションとは

ミッションは「果たすべき使命」を意味しています。
大企業として最終的に目指す先を示し、ステークホルダーにゴールを見せるために使用されます。

例:世界中の知識を、言語や環境を問わず誰もがアクセスできる形にする

ビジョンとは

ビジョンは「将来の理想的な姿」を意味しています。
抽象的になりがちなミッションを具体化することで、大企業の目指す先の解像度を上げるために使用されます。

例:一人ひとりの学びの履歴と興味に基づき、最適な本や教材が自動的に届く社会を実現する

バリューとは

バリューは「大切にしたい価値観」を意味しています。
ミッションやビジョンを通して示した目指す先に、どのようにたどり着けばよいかという方法を決めるために使用されます。

例:①学び手中心のサービス設計、②知の多様性を尊重、③常に成長し続ける姿勢

近年注目されているパーパスとは

さて、ミッション・ビジョン・バリューについては正しく理解することができたと思います。
ここではもう一歩踏み込んで、近年注目されている概念であるパーパスについても説明しておきましょう。

パーパスは「存在意義」を意味し、大企業が事業を通して、最終的に実現したいことを示す役割があります。
しかしながら、お気づきの方もいるかもしれませんが、ミッションの「果たすべき使命」と非常に近しい概念でもあります。

パーパス(存在意義)とミッション(果たすべき使命)の違いは厳密にはあるのですが、多くの大企業においては、明確に区別されて使われているわけではありません。
パーパスを果たすべき使命という意味で使用している企業もあれば、ミッションを存在意義として使用している企業もあります。

そのため、パーパス(存在意義)とミッション(果たすべき使命)は、両方とも大企業が目指す先を示していると考えておけば問題ありません。
大切なのは、どの言葉を使用するかではなく、同じ言葉を同じ意味で使用し、最終的に社内外の人々の意識・行動を変えることでしかありません。

なお、本記事では、この後ミッション・ビジョン・バリューという言葉が度々登場しますが、それらにはパーパスも含まれると理解して読み進めてください。

今回ご紹介したミッションとパーパスの正確な違いも含め、ミッション・ビジョン・バリューやパーパスについて基本から詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

大企業にミッション・ビジョン・バリューが必要な理由

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の役割とは、企業においてさまざまな考え方を持った社員に向けた「共通言語」として、目指すべきゴールとそこに至るために遵守すべき価値観を示し、実践してもらうことにあります。

MVVが社内における共通言語として機能するからこそ、大きな集団であっても、同じ方向を同じ考え方で目指していけるわけです。
反対に、MVVがなければ全員がバラバラな動きをしてしまい、極めて非効率な組織になってしまいます。

特に、大企業は集団の人数が非常に多いです。
スタートアップのように、経営陣が社員一人ひとりと密に対話し、軌道修正を促すようなこともできません。

こうした内容を踏まえると、MVVに基づいた経営を行えるか否かで「単なる個の集まり」になるのか、あるいは「効率的な組織」になれるのかが決まります。
これは、MVV次第で大企業の成長が左右されると言い換えてもよいでしょう。

また、大企業の場合、顧客・株主・投資家などのステークホルダーの数も多いため、こうした方々からの信頼を得る手間も、どうしても大きくなってしまいます。
こうした状況においても、MVVは自分たちがどのような経営を志しているのかを示し、信頼を勝ち取るための材料として機能するため、社内だけではなく社外に対しても重要な位置づけと断言することができます。

大企業のミッション・ビジョン・バリューの事例

大企業にとってミッション・ビジョン・バリューがどれほど重要かを理解できたところで、実際の大企業の事例を参照していきましょう。

ここでは、世界を代表する大企業であるAmazonと、日本を代表する大企業であるソニーグループの事例を詳細に確認した後、それ以外の大企業の事例をご説明します。

これらの事例をご確認いただくことで、大企業にとってミッション・ビジョン・バリューがどれほど大切かが理解できるはずです。
いずれの大企業も、目指す先とそこに至る方法を示すことで、大きな成長を実現しています。

Amazonの事例

今や、Amazonを知らない人はいないでしょう。

インターネット上での書籍販売から始まったAmazonは、世界中で使われる欠かせない存在になりました。
そして、この大成長の背景には、創業者のジェフ・ベゾス氏がずっと大切にしている「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」というミッションがあります。

このミッションは、リーダーシップ・プリンシプル (Leadership Principles)と言われるミッションを実現するための16個のバリューとあわせて従業員にも深く浸透しており、それゆえにAmazonのサービス体験は優れた状態を保ち、成長を続けられているのです。

実際、Amazonのサービスを利用した際、他サービスと比較してまったくストレスがないことを皆さんも体験されているかと思います。

それは、「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」というミッションを体現するために全社員がバリューを順守しており、その結果としてカスタマーレビューやワンクリック注文、パーソナライズされたおすすめ商品など、優れた機能が開発・実装されているからです。

Amazonほどミッションを体現し、その実現に向かって何十年もぶれることなく取り組めている企業はいないかもしれません。

ソニーグループの事例

こちらはミッション・ビジョン・バリューではなく、パーパス・バリューという組み合わせですが、国内で最も有名な事例の一つであるため確認しておきましょう。
繰り返しになりますが、ミッション・ビジョン・バリューやパーパスという名称自体には大きな意味はなく、目指す先とそこに至る方法を示し、人々の意識・行動を変えられればよいわけです。

さて、ソニーグループは、2018年に代表執行役社長兼CEOに就任した吉田憲一郎氏が主導して、2019年1月に「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というパーパスと、「夢と好奇心・多様性・高潔さと誠実さ・持続可能性」というバリューを策定しました。

吉田氏は社長就任にあわせて「ソニーらしさ」「ソニーの存在意義」について検討をはじめ、社員向けブログを開設のうえ社員の意見を求めるなど、社員も検討プロセスに参加してもらいながら、最終的にパーパス・バリューに落とし込みました。

また、策定するだけではなく浸透施策もしっかりと講じている点も特徴です。
「P&V事務局(Purpose & Values)」が中心となってキービジュアルやビデオを作成のうえ全世界の社員に届け、社長本人もグローバルの事業拠点で実施したタウンホールミーティングでパーパスへの思いを語っています。
また、各事業のマネジメント層に対して事業戦略を語る際は必ずパーパスと関連付けることを求めるなど、社員がパーパスを身近に感じ、行動に直結させられるような工夫を散りばめています。

このような取り組みも相まって、パーパス・バリューを策定した翌年の2020年には過去最高益を記録し、社長自身も経営方針説明会にて「パーパスに向かって社員一人ひとりが行動したからこそ」と振り返っています。

その他大企業の事例一覧

Amazonやソニーグループの他にも、数え切れないほど多くの大企業が、ミッション・ビジョン・バリューを活用して成長を遂げています。

ここでは、大企業の事例を一覧形式でまとめておりますので、ぜひ各社の思いを感じ取ってください。

トヨタ自動車

企業概要
世界トップクラスの自動車メーカー。次世代モビリティの社会実装を目指し、EV、燃料電池車、自動運転など新技術開発に積極投資。交通安全やカーボンニュートラルにも注力し、移動体験そのものの革新を狙う。

ミッション
(Mission)
わたしたちは、幸せを量産する。
だから、ひとの幸せについて深く考える。
だから、より良いものをより安くつくる。
だから、1秒1円にこだわる。
だから、くふうと努力を惜しまない。
だから、常識と過去にとらわれない。
だから、この仕事は限りなくひろがっていく。
ビジョン
(Vision)
可動性を社会の可能性に変える。
不確実で多様化する世界において、トヨタは人とモノの「可動性」=移動の量と質を上げ、人、企業、自治体、コミュニティができることをふやす。そして、人類と地球の持続可能な共生を実現する。
バリュー
(Value)
トヨタウェイ
ソフトとハードを融合し、パートナーとともにトヨタウェイという唯一無二の価値を生み出す。

【ソフト】
よりよい社会を描くイマジネーションと人起点の設計思想。現地現物で本質を見極める。
【ハード】
人とモノの可能性を高める装置。パートナーとともにつくるプラットフォーム。これらをソフトによって柔軟に、迅速に変化させていく。
【パートナー】
ともに幸せをつくる仲間(顧客、社会、コミュニティ、社員、ステークホルダー)を尊重し、それぞれの力を結集する。

理念の解説
ミッションが「幸せの量産」という大きなテーマでありますが、ビジョンに「可動性」というキーワードを出してトヨタらしさと具体性を出しています。また、トヨタウェイという独自の考え方もユニークです。

出所:同社HPより抜粋

パナソニックホールディングス

企業概要
暮らしと産業双方に関わる多様な事業ポートフォリオを保有。分社化による意思決定スピードを高め、環境負荷低減やウェルビーイング向上に寄与する製品・サービスを開発。社会課題解決と事業成長の両立を志向。

ミッション
(Mission)
Life tech & ideas 人・社会・地球 を 健やかにする。
ビジョン
(Vision)
人を想う技術と創造力でくらしを支えるベストパートナー
バリュー
(Value)
お客様に寄り添い、考え抜きます。
くらしと調和する技術を追求します。
柔軟な発想で、常にオペレーションを進化させます。

理念の解説
これらのミッション・ビジョン・バリューに、次のような文章も続きます。
人:一人ひとりに寄り添い、その人にあった「くらしの質」の向上
社会:社会活動を維持・向上する安心安全な「くらしインフラ」の提供(空気・水・光・電気・食)
地球:省エネ・資源保全が可能な商品・クリーンエネルギー創出・利活用による脱炭素・循環経済への貢献

出所:同社HPより抜粋

日立製作所

企業概要
社会インフラ、産業機械、ITプラットフォームを統合したソリューションを展開。エネルギー、都市開発、ヘルスケア分野など、幅広い領域まで事業を拡大。グローバル市場で「社会イノベーション企業」を標榜。

ミッション
(Mission)
優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する
ビジョン
(Vision)
日立は、社会が直面する課題にイノベーションで応えます。優れたチームワークとグローバル市場での豊富な経験によって、活気あふれる世界をめざします。
バリュー
(Value)
・和
・誠
・開拓者精神

理念の解説
日立製作所のMVVは、ミッション(果たすべき使命)とバリュー(ミッション実現のために大切にしていく価値)の後に、ビジョン(これからのあるべき姿)という構成で整理されています。

出所:同社HPより抜粋

楽天グループ

企業概要
オンラインショッピング、金融、通信、デジタルメディアを相互連携させたエコシステム戦略を構築。ポイント経済圏を拡張し、ユーザー接点を最大化。国内外で新領域へ進出し、生活インフラとしての存在感を高める。

ミッション
(Mission)
イノベーションを通じて人々と社会をエンパワーメントする
ビジョン
(Vision)
グローバル イノベーション カンパニー
バリュー
(Value)
楽天主義
楽天グループのあり方を明確にすると同時に、全ての従業員が理解し実行する価値観・行動指針が「楽天主義」です。「ブランドコンセプト」「成功のコンセプト」の2つで構成されています。

【ブランドコンセプト】
・大義名分 -Empowerment-
・品性高潔 -気高く誇りを持つ-
・用意周到 -プロフェッショナル-
・信念不抜 -GET THINGS DONE-
・一致団結 -チームとして成功を掴む-

【成功のコンセプト】
・常に改善、常に前進
・Professionalismの徹底
・仮説→実行→検証→仕組化
・顧客満足の最大化
・スピード!!スピード!!スピード!!

理念の解説
楽天主義というバリューを、ブランドコンセプトと成功のコンセプトという2つで構成している点が特徴的です。
ミッション・ビジョンもシンプルで分かりやすいです。

出所:同社HPより抜粋

ソフトバンクグループ

企業概要
通信と投資の二本柱で成長。AI群戦略を掲げ、ロボティクス、IoT、自動運転など次世代産業に出資・育成。長期視点の資本政策とスピード経営でテクノロジー主導の産業変革をリード。

ミッション
(Mission)
情報革命で人々を幸せに
ビジョン
(Vision)
世界の人々から最も必要とされる企業グループ
バリュー
(Value)
・No.1
・挑戦
・逆算
・スピード
・執念

理念の解説
ソフトバンクは、ミッションを「理念」という言葉で表現しており、その下にビジョンがあります。
また、ビジョンの下には「戦略」があり、各概念がきちんと整理されているのが分かります。

出所:同社HPより抜粋

キリンホールディングス

企業概要
飲料・医薬・バイオ領域でポートフォリオを展開。健康志向の高まりに対応し、機能性飲料や食品を強化。持続可能な社会実現に向け、原料調達から製造・販売まで環境配慮を徹底。

ミッション
(Mission)
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します
ビジョン
(Vision)
食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる
※2027年の目指す姿:ビジョン
バリュー
(Value)
熱意・誠意・多様性〈Passion. Integrity. Diversity.〉

理念の解説
キリンでは、ビジョンを都度都度更新しており、「2027年の目指す姿:ビジョン」を設計しています。
MVV、特にビジョンは策定して終わりではなく、時代に合わせてアップデートすることも多々あります。

出所:同社HPより抜粋

全日本空輸(ANA)

企業概要
国内最大の航空ネットワークを運営。安全運航と顧客満足を最優先に、ラウンジやデジタルサービスまでを設計。国際線拡充とアライアンス活用でグローバルを強化。

ミッション
(Mission)
安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します
ビジョン
(Vision)
ワクワクで満たされる世界を
私たちは、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていきます。
バリュー
(Value)
・安全(Safety)
安全こそ経営の基盤、守り続けます。

・お客様視点(Customer Orientation)
常にお客様の視点に立って、最高の価値を生み出します。

・社会への責任(Social Responsibility)
誠実かつ公正に、より良い社会に貢献します。

・チームスピリット(Team Spirit)
多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動します。

・努力と挑戦(Endeavor)
グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦します。

理念の解説
ANAは「グループ経営理念」と称してミッションを、「グループ経営ビジョン」と称してビジョンを、「グループ行動指針」としてバリューを制定しています。
また、ANA創立70周年を機に、経営ビジョンを刷新しています。

出所:同社HPより抜粋

三井物産

企業概要
世界規模で事業投資を行う総合商社。食料、金属、機械、ICTなど多岐にわたる分野で事業開発を推進。GX(グリーントランスフォーメーション)やサステナビリティを重要テーマに据える。

ミッション
(Mission)
世界中の未来をつくる
大切な地球と人びとの、豊かで夢あふれる明日を実現します。
ビジョン
(Vision)
360° business innovators
一人ひとりの「挑戦と創造」で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続ける企業グループ。
バリュー
(Value)
・変革を行動で
・多様性を力に
・個から成長を
・真摯に誠実に

理念の解説
総合商社と聞くと少し保守的な印象を受けますが、三井物産のMVVは革新的な印象を与えてくれます。

出所:同社HPより抜粋

弥生

企業概要
中小企業や個人事業主向けに会計・給与・請求クラウドを提供。金融機関連携や確定申告支援機能を拡充し、経理負担を軽減するソリューションを展開。

ミッション
(Mission)
日本の中小企業、個人事業主、起業家の事業を支える社会的基盤(インフラ)として、日本の発展に能動的に貢献します
ビジョン
(Vision)
共有・共生・共創の力を活かし、お客さまの事業の立上げと発展の過程で生まれるあらゆるニーズにお応えする「事業コンシェルジュ」
バリュー
(Value)
・お客さまの夢のために
お客さまの夢を実現するために、お客さまの立場に立ち、弥生がやるべきことを真摯に考え、着実に実行します

・チーム弥生として
よりよいソフトウェアとサービスを提供するために、個々が尊重しあい、皆の力を融合したチーム弥生として、チャレンジし続けます

・末長いお付き合いを
共生の精神で、想いをともにするすべての方と、末長いお付き合いを目指します

理念の解説
他企業よりも少し長いMVVですが、その分熱い思いが伝わってきます。これもMVVの一つの表現方法でしょう。

出所:同社HPより抜粋

DeNA

企業概要
モバイルゲームを主力としながら、スポーツ球団経営、医療ヘルスケア、オートモーティブ領域へ事業多角化。AI活用や研究開発に積極投資。

ミッション
(Mission)
一人ひとりに想像を超えるDelightを
ビジョン
(Vision)
DeNAは、インターネットやAIを自在に駆使しながら一人ひとりの人生を豊かにするエンターテインメント領域と日々の生活を営む空間と時間をより快適にする社会課題領域の両軸の事業を展開するユニークな特性を生かし挑戦心豊かな社員それぞれの個性を余すことなく発揮することで世界に通用する新しいDelightを提供し続けます
バリュー
(Value)
DeNA Promise
あらゆる行動を通じて、社会に約束するDeNAの提供価値
・プロダクト、サービスへのこだわり
・共存共栄の精神
・挑戦と誠実さ
・社会の公器にふさわしい透明性
・多様な社員が活躍し成長する環境作り
・持続可能な企業活動の推進

DeNA Quality
DeNAで働くすべての人の日々の行動や判断の拠り所とする、共有の価値観
・「こと」に向かう
・球の表面積
・全力コミット
・発言責任・透明性
・みちのりを楽しもう

理念の解説
DeNAは、バリューを「DeNA Promise」と「DeNA Quality」の2つに分けて表現している点が特徴的です。

出所:同社HPより抜粋

セブンイレブン

企業概要
日常の生活圏に密着した店舗網を展開。消費者ニーズに応える商品開発と物流網を構築し、24時間営業による利便性を提供。

ミッション
(Mission)
次の便利の扉を開き、世界中に豊かな暮らしを実現する
ビジョン
(Vision)
・価値ある商品・サービスを通じて、健康な社会を実現する
・地域と共に生きる社会を実現する
・環境に配慮した循環型社会を実現する
・多様な人財が活躍し、幸せな社会を実現する
バリュー
(Value)
・挑戦・変革
・自律・自立
・共創・共感
・信頼・誠実
・感謝・貢献

理念の解説
セブンイレブンは、MVVの他にも「目指す姿」として「明日の笑顔を 共に創る Building a joyful future, together.」を掲げています。

出所:同社HPより抜粋

三井住友フィナンシャルグループ

企業概要
銀行を中核とする総合金融グループ。リスク管理と収益性のバランスを重視し、法人・個人・海外事業の成長を追求。

ミッション
(Mission)
・お客様に、より一層価値あるサービスを提供し、お客様と共に発展する
・事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る
・勤勉で意欲的な社員が、思う存分にその能力を発揮できる職場を作る
・社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する
ビジョン
(Vision)
最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグローバルソリューションプロバイダー
バリュー
(Value)
・Integrity
・Customer First
・Proactive&Innovative
・Speed&Quality
・Team“SMBC Group”

理念の解説
金融機関らしく少しお堅めの印象を受けますが、それが誠実さも体現しています。

出所:同社HPより抜粋

本記事でご紹介した事例は一部のみであるため、他にも事例を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

大企業におけるミッション・ビジョン・バリューの作成・改定方法

本章では、実際に大企業がMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を作成する、あるいは既存内容を改定する方法について解説していきます。

基本的な流れは5ステップで整理されます。
まずはプロジェクトを発足し、現状整理を行ったうえであるべき方向性を定め、そしてMVVを作成のうえ浸透させるという流れです。

これらのステップに基づいて作成・改定することで、MVVが「絵に描いた餅」で終わる可能性を、限りなくゼロにすることができます。

①プロジェクトの発足・活動準備

まずはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の作成に必要な準備を行います。
活動目的を明確化し、プロジェクトチームを組成したうえで、MVVに対する共通理解を醸成していきましょう。

特に大企業においては、社長を筆頭とした経営層の関与が不可欠です。
経営としての本気を示すことができなければ、作成したMVVに対して誰も本気になることができません。

また、可能な限りさまざまな部署の人材を巻き込むことで、より現実的なMVVを作成することができます。
あわせて、巻き込む人数も多くなればなるほど、最終的にMVVが自分事化され、浸透しやすくなります。

②現状の整理

自社の置かれている現状を正しく理解できなければ、この先どこに進んでいくべきかも分かりません。
そのため、ここでは社員アンケートや関係者ヒアリング、市場・競合・自社調査などを通じて、自社の現在地を整理していきます。

大企業の場合、部署ごとに目標や価値観が異なることも多いため、現場レベルで実際に何が起きているのかを丁寧に把握することが重要です。
あわせて、既存のミッション・ビジョン・バリューなどがどの程度機能しているかも確認し、現状の立ち位置を明確にしておきましょう。

③あるべき方向性の策定

多くの場合、すぐにミッション・ビジョン・バリューを作成してしまうケースが多いですが、それではうまく機能するものにはなりません。
まずは、「どのような言葉にするか」ではなく、「どのような中身にすべきか」という方向性の議論から始めることが重要です。

大企業においては、複数の事業や組織を横断して機能する共通の思いを見出す必要があります。
現状整理の結果を踏まえ、企業としてどのような価値を提供し続けるのか、どのような判断基準を持つべきかを、キーワードレベルで整理していきましょう。

④MVVの策定

方向性が定まれば、ミッション・ビジョン・バリューを具体的な言葉に落とし込んでいくことができます。
大企業の場合、抽象的すぎても現場で使われず、具体的すぎても全社での汎用性が失われるため、バランスが重要になります。

あるべき方向性の検討で整理したキーワードをもとに複数案を作成し、プロジェクトチーム内での議論を通じて磨き上げていきます。
また、全社員投票などを通じて、ここでも可能な限り一般社員を巻き込みながら、全社の納得感・当事者意識を高めて最終案を絞り込んでいきましょう。

⑤MVVの浸透施策の企画・実行

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は、作成して終わりではなく、むしろここからが本番です。
作成したMVVをどのように社内に浸透させていくかという施策を企画し、計画的に実行していきましょう。

大企業では、単なる周知だけでは浸透せず、人事評価や育成制度、会議や意思決定の場面など、日常業務の中で繰り返し意識・実践される仕組みを組み込むことが重要です。
また、社員アンケートなどを通じて浸透度を定期的に測定し、課題を特定しながら改善を続けていきましょう。

今回ご説明したミッション・ビジョン・バリューの作成方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

大企業でミッション・ビジョン・バリューがお飾りになる理由

ここまで述べてきたように、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の必要性を分かっているからこそ、大半の大企業においてもMVVが策定されているのですが、その多くは社内にまったく浸透していません。
本記事をご覧になっている大企業に所属している方も「うちのMVVは何だろう」と感じているのではないでしょうか。

ここで強調しておきますが、掲げるだけ掲げて、行動が伴っていないMVVは無価値であり、存在していないものと同義です。むしろ、「口だけ経営」というレッテルを張られてしまう害悪と言えるかもしれません。
社員の行動を変えるほどに浸透させてこそ、MVVを策定する意味があるのです。

例えば、大企業の数多くは次のような状況に陥ってしまい、せっかく策定したMVVが形骸化しています。
あなたの企業でも心当たりがあるのではないでしょうか。

理由①:現場の腹落ち感がない

【具体的に言うと】MVVの策定・改定が経営陣主導で行われており現場の腹落ち感がない

大企業では、時間効率や調整負担の観点から、経営層と限られた部門(経営企画・人事など)だけで策定・改定プロジェクトを進める傾向があります。

結果として、現場の声や顧客接点からのリアルな視点が十分に反映されず、「立派だけど、現実感がない」内容になりがちです。
また、大半の社員にとっては無関係なプロジェクトとなるため、当事者意識も醸成することが一切できません。

組織規模が大きい分、現場との距離が遠く、策定過程での温度差が生まれやすくなるのです。

理由②:特定の人にしか関係ない

【具体的に言うと】特定の事業や部門にしか関係ないMVVになっている

多角的な事業を抱える大企業では部門ごとに市場環境や顧客層が異なっているため、一部の花形事業や花形部門の目線でMVVを作成してしまうこともあります。

そのため、MVVが現場業務と直結しておらず、「うちの部署には関係ない」と受け止められてしまいます。
結果として、MVVが部門ごとにバラバラの解釈で使われたり、自分たちには関係ないものとして無視されてしまいます。

理由③:日常的に耳にしない

【具体的に言うと】日常的にMVVを耳にする機会がない

大企業では、MVVが社員の日常会話や業務上のやり取りに登場しない場合が大半です。
多くの場合、MVVは策定直後の発表会や全社メール、社内ツールへの掲載で一度だけ大きく打ち出されます。

しかし、その後は年度方針や業務連絡など別の情報が優先され、日常的に触れる機会が極端に減ってしまいます。
特に大企業では、部門や階層が多く、経営層からのメッセージが現場に届くまでに時間も距離もかかってしまいます。

大企業でミッション・ビジョン・バリューを浸透させる方法

それでは、せっかく策定したMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を社内に浸透させ、具体的な行動変革にまでつなげるためにはどうすればよいでしょうか。

大企業でMVVを浸透させる方法を、「策定フェーズにおける工夫」と「浸透フェーズにおける工夫」という2つの観点から整理していきましょう。

策定フェーズ:できる限り多くの社員を巻き込む

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定において最もやりがちなミスが、現場を一切巻き込まずに、経営陣や外部専門家だけで内容を決めてしまうことです。

小規模スタートアップであれば、創業者の思いを前面に押し出して策定し、その後社内に浸透させるといった方法も考えられますが、大企業の場合はそのような方法では納得感が生まれません。

もちろん、非常に多くの人材がいる大企業において、「全社員を巻き込むなんて無理だ」という声が聞こえてきそうですが、先のソニーグループの事例のように社員向けブログを開設して意見を求めるなどの方法は確かに存在します。
他にも、全社から希望者を募ってMVV策定チームを組成する、全部署横断で1名を必須参加させるなど、さまざまな方法が考えられます。

最終的に全社員の意見をMVVに反映させることは不可能ですが、大事なのは全員で一緒に作り上げた感情を醸成することです。
これさえできれば、社員にとってMVVが「偉い人が知らない間に作っていた空虚な言葉」から、「自分も関与した、これからのわたしの拠り所」になってくれます。

浸透フェーズ:制度と言動の両面で本気を示す

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の「策定」は全力で取り組む大企業が多いのですが、策定した内容を全社に「浸透」させるための工夫を施す企業は極めて少ないです。
見せかけだけではないMVVを目指すのであれば、制度と言動の両面での仕掛けが必ず必要です。

まず制度について、評価基準(社内)や採用基準(社外)にMVVに関する条項を盛り込んだうえで、表彰制度などを介して定期的にMVVについてリマインドするなどして経営陣の本気を見せましょう。
やはり大規模な組織である以上、仕組みを整備しなければ場当たり的な取り組みで終わってしまいます。

次に言動について、社長を筆頭とした経営陣は何度も何度もMVVについて語り、またMVVに相応しくない投資は徹底的に拒否するなど、言葉と行動でMVVに対する本気を見せましょう。
社員から「あんなに大々的に策定したのに、言動が伴っていない」と思われたら終わりです。
社員は経営陣の言動を踏まえ、自分たちの言動を考えるということを忘れないでください。

なお、こちらの記事では浸透施策の詳しい内容について解説していますので、気になる方はご覧ください。

まとめ|大企業にはミッション・ビジョン・バリューが必要

大企業にとって、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は単なるスローガンではなく、組織の方向性を示し、数千〜数万人規模の社員を同じゴールに向かわせるための羅針盤です。

しかし、現実には多くの大企業においてMVVは形骸化し、「存在はしているが誰も意識していない」という状態に陥っています。

Amazonやソニーグループの事例が示すように、MVVは経営陣の思いを明文化するだけではなく、策定プロセスに社員を巻き込み、日常の意思決定や業務行動に結びつけ、制度や評価に反映させることではじめて力を発揮します。
逆に、発表して終わりの「お飾りMVV」は、社員の共感を得られないどころか、経営に対する信頼を失わせてしまいます。

大企業だからこそ、トップメッセージの発信力、制度設計の影響力、社員一人ひとりの行動量は圧倒的です。
その力をMVV浸透に向けて活かすことができれば、MVVは単なる言葉を超え、企業の成長を支える基盤となってくれます。

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