近年、企業経営においてパーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)といった概念が注目されるようになっています。
ホームページや採用資料でも目にする機会が増え、「自社でも定義すべきではないか」と考える方も多いのではないでしょうか。
一方で、パーパスとMVVの違いをきちんと理解しないまま使っていたり、正しく使い分けられていないケースも少なくありません。
表面的な言葉だけが先行し、実際の経営や組織運営に活かしきれていないという企業も多く見られます。
本記事では、パーパスとMVVの違いを中心に、ミッション・ビジョン・バリューとの関係や使い分けについてわかりやすく解説します。
それぞれの概念を正しく理解し、自社にとって本当に意味のあるかたちで活用するための考え方を整理していきます。
パーパスやMVVという言葉に振り回されるのではなく、自社の拠り所を明確にするためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
なお、わたしたち「Business Jungle MVV・パーパス策定」と一緒にMVV・パーパスを策定したい方、あるいは浸透させたい方は、いつでもご連絡ください。外資戦略コンサルやデザイナー出身者を含む多様な専門チームが、全力でサポートさせていただきます!

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本記事の監修 松浦英宗(まつうらえいしゅう)
創業・事業成長に必要なサービスをオールインワンで提供するBusiness Jungleの代表。
外資系戦略コンサルティング会社(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)などにおいて、事業戦略立案やMVV・パーパスの策定・浸透に関する豊富な経験を有する。
結論|パーパスとMVVの違いと使い分け
さっそくですが、本記事の結論からご紹介していきましょう。
まず、言葉の定義としては、パーパスは「存在意義」を意味しています。
MVVを分解すると、ミッションが「果たすべき使命」、ビジョンが「将来の理想的な姿」、バリューが「大切にしたい価値観」を意味しています。
ここで、よくパーパス(存在意義)とミッション(果たすべき使命)が混同されてしまいますが、両者には細かな違いはあるものの、基本的には企業が目指すゴールを示す概念として、おおよそ同義で使用されるケースが多いです。
つまり、パーパスやMVVには大きな違いはなく、きちんと意味を理解して使用できている限り、どちらを使用しても問題ありません。
重要なのは、同じ言葉を同じ意味で使用し、社内に浸透させて社員の意識・行動を変え、ゴールに向かって効率的に動いていくことでしかないわけです。
実際に、ミッションを使用せずにパーパスを使用したり、あるいはミッションを使用している企業、あるいはパーパスやMVV以外の独自概念を登場させている企業もあります。
以上が本記事の結論になります。
しかし、これだけではきちんと理解したことになりませんので、この後は各用語の定義から厳密な違い、具体的な事例まで詳しく見ていきましょう。
パーパスとは
パーパスとは、企業がなぜ存在しているのかという「存在意義」を示す概念です。
単に利益を上げるための活動ではなく、社会に対してどのような価値を提供するのかという、企業としての根本的な意義を言語化したものと捉えられます。
こうした存在意義がなければ、組織は何のために活動をしているのか分からなくなってしまいます。
1人の社員の立場になって考えると、自分が取り組んでいる業務の最終的なゴールが分かっていたほうがモチベーションが上がり、会社がより早くゴールにたどり着けるはずです。
消費者や投資家の立場になって考えてみても、社会に対する価値を明言し、それを行動で示している企業を応援したいと感じるのは当然のことでしょう。
パーパスの代表事例としては、ソニーグループの「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」が挙げられます。

パーパスが注目される背景
それでは、なぜ近年になってこのパーパスという考え方が注目されるようになったのでしょうか。
その背景には、企業を取り巻く環境の大きな変化があります。
いわゆるVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性を意味する英語の頭文字)と呼ばれる不確実で変化の激しい時代が到来し、企業には従来以上に明確な方向性や一貫した判断軸が求められるようになりました。
また、単に利益を追求するだけでなく、社会や環境に対してどのような価値を提供するのかが強く問われるようになっています。
さらに、パーパスを軸とした経営が世界的にも広がっていることも大きな要因です。
世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEOラリー・フィンク氏、アメリカ主要企業のCEOで構成される経済団体であるビジネス・ラウンドテーブル、世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)などにおいても、パーパス経営を求める声が挙がりました。
パーパスが必要な理由
このような環境変化を踏まえると、パーパスは単なる理念ではなく、企業が成長し続けるための前提条件になりつつあります。
明確なパーパスを持つことで、企業はステークホルダーからの共感や信頼を得やすくなり、その結果として人材・資金・顧客といった経営資源が集まりやすくなります。
また、パーパスは社内において、「何を重視して経営すべきか」という意思決定の軸としても機能してくれます。
不確実な状況においても判断基準がぶれにくくなり、組織として一貫した行動を取りやすくなります。
こうした理由から、パーパスを策定し、組織に浸透させることができるかどうかが、企業として持続的に成長できるかを左右する重要な要素となっています。

なお、パーパスについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
MVVとは
MVVとは、Mission・Vision・Valueの頭文字を取った言葉であり、企業の目指すゴールと、ゴールにたどり着くための方法を示してくれるフレームワークです。
パーパスが登場する前から使用されてきた考え方であり、非常に多くの企業が採用しています。
本章では、各用語について、定義を中心に解説していきます。
ミッションとは
ミッションは「果たすべき使命」と訳され、企業としてどこを目指していくかを示す効果があります。
パーパスの説明でも述べましたが、企業のゴールが示されていることで、社内に対してはモチベーションアップを通じた効率的な企業運営が、社外に対しては信頼醸成を通じたさまざまなサポートが期待できます。
例えば、Googleは「Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです」と明言しており、Teslaは「世界の持続可能なエネルギーへの移行を加速させる」というミッションを掲げています。

なお、ミッションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ビジョンとは
ビジョンは「将来の理想的な姿」と訳され、具体的な将来像を示すことで人々をワクワク・前進させる効果があります。
先ほど登場したミッションは「果たすべき使命」を意味するため、抽象的な遠い未来を描くことになります。
そのため、その使命が実現された具体的な姿としてビジョンを描くことで、企業のゴールに具体性を付与することができるようになります。
例えば、「チョコレートで世界を幸せにする」という抽象的なミッションだけでは分かりにくいですが、そこに「チョコレートの生産・流通・購買のプラットフォームを構築する」というビジョンがあれば、具体的なイメージが湧いてこないでしょうか。
この具体性こそが、ビジョンの強みであり、ビジョンを策定する意味でもあります。

なお、ビジョンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
バリューとは
バリューは「大切にしたい価値観」と訳され、組織の人材が同じ方向に進んでいくための共通言語です。
パーパス(存在意義)をはじめ、ミッション(果たすべき使命)やビジョン(将来の理想的な姿)は、企業として目指すゴールを意味していました。
しかし、それだけではゴールにたどり着く方法が定義されておらず、社員全員の足並みが揃うことはありません。
そこで活用されるのが、ゴールを目指すために守るべきルールを示してくれるバリュー(大切にしたい価値観)です。
例えば、冒頭で登場したソニーグループにおいては、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」というパーパスを実現するために、「夢と好奇心」「多様性」「高潔さと誠実さ」「持続可能性」という4つのバリューを掲げています。

なお、バリューについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
パーパスとMVVの違い
さて、ここまでパーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の定義についてご紹介してきました。
しかし、これだけではパーパスとMVVの違いについて、よく理解できなかった方も多いと思います。
そのため本章では、パーパスと各用語の違いに絞って解説させていただきます。
簡単に整理すると、パーパスやミッションは企業のゴールを示しており、そのゴールに対して具体性を付与するのがビジョンであり、そしてゴール達成の方法を示すのがバリューという役割分担です。
各用語の違いについて詳しく理解し、正しく用語を使用できるようになりましょう。

パーパスとミッションの違い
さっそくですが、パーパスと最も混同されやすく、違いが難しいミッションから考えていきましょう。
パーパス(存在意義)とミッション(果たすべき使命)は、両者とも企業のゴールを示しており、言葉だけを聞くとほとんど変わりがないように思えてしまいます。
違いを厳密に定義するのであれば、パーパスが「自分たちは〇〇するためにある」という自然と心に湧き上がる内発的動機に基づく概念であることに対し、ミッションは「自分たちは〇〇しなければならない」という義務感から生じる外発的動機に基づく概念です。
しかしながら、実態としてはパーパスという言葉を使用して「果たすべき使命」として捉えている企業もあれば、ミッションを「存在意義」として捉えている企業もあります。
ここで言いたいのは、パーパスやミッションに明確な境界線はなく、企業のゴールを示して社内に浸透させて社員の意識・行動を変えられているのであれば、どのような言葉を使用してもよいということです。
パーパスやミッションという言葉自体を使うことが目的になってはいけません。
そのため、ここで述べたようなパーパスとミッションの定義・違いは理解しておく必要はありますが、理解したうえで自社が納得できる使い方ができれば十分です。
パーパスとビジョンの違い
パーパス(存在意義)とビジョン(将来の理想的な姿)の違いは、ビジョンを説明する際に述べた通り、その具体性にあります。
つまり、パーパスは遠い未来のゴールであるため抽象的になってしまいますが、そこに対して具体的なゴールを示してイメージを持たせてくれるのがビジョンです。
一方で、パーパスとバリューや、ミッションとバリューといったかたちを採用している企業もあります。
シンプルにゴールと到達方法を示す組み合わせですが、具体性を重視してビジョンを登場させるか、あるいは覚えやすさ・シンプルさを重視してビジョンを登場させないかは、企業の考え方によって左右され、ここにも正解はありません。
パーパスとバリューの違い
最後に、パーパス(存在意義)とバリュー(大切にしたい価値観)の違いについてご紹介しますが、これは非常に分かりやすいでしょう。
つまり、パーパスが企業のゴールを示すものであるのに対し、バリューはゴールに到達するための方法を示すという関係性です。
パーパスやミッション、ビジョンといった考え方を採用するかどうかは各企業次第ですが、バリューは大半の企業で採用されていることもポイントです。分かりやすくて必要性も高い概念です。
パーパスとMVVの使い分け
ここまでの説明で、パーパス(存在意義)はミッション(果たすべき使命)と近しい概念であることが理解できたと思います。
そのため、パーパスとMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の使い分けは、実質的には「パーパスとミッションのどちらを使用するべきか」という論点と同じと言えるでしょう。
MVVはもちろん、パーパスも単体で機能するものではありません。
パーパスを採用する場合であっても、バリューと組み合わせて大切にしたい価値観を明確にする必要がありますし、場合によってはビジョンを加えて将来像を具体化することもあります。
そして重要なことは、パーパスやMVVのいずれを使用した場合も、企業のゴールをどの言葉で表現するかという違いでしかなく、本質的な優劣があるわけではないということです。
パーパスとMVVのどちらを採用するかは手段の違いに過ぎません。
重要なのは、自社として定義した言葉・意味が一貫しており、組織の中で意思決定や行動に反映されているかどうかです。
パーパスを採用すべき企業
パーパスとMVVは、原則としてどちらを使用してもよいということがご理解いただけたと思います。
そのうえで、各社がどのように使い分けているのかについて、簡単に触れておきましょう。まずはパーパスについてです。
パーパスを採用する企業は、パーパスとバリューを組み合わせた構成で、自社の存在意義と価値観をシンプルに伝えたい企業が多い傾向にあります。
特に、パーパスは企業規模の小さなスタートアップで人気の考え方です。あるいは、これまで定めていたMVVを刷新したい大企業でも採用されるケースが多くあります。
また、パーパスは「自分たちは〇〇するためにある」という内発的な動機に基づく概念であるため、社会との関係性や存在意義というキーワードをもとにゴールを定めたい企業との相性が良い傾向があります。
MVVのように企業理念を複雑に体系化するよりも、まずはパーパスを一本の軸として明確化し、その軸をもとに意思決定や行動を統一していきたい企業にとっては、パーパスの採用が適している可能性が高いでしょう。
MVVを採用すべき企業
MVVを採用する企業は、ゴールだけでなく、具体的な将来像であるビジョンまで含めて体系的に整理したい場合に適しています。
ミッション・ビジョン・バリューという3つの要素に分解することで、企業のゴールと価値観を具体的に整理することができるため、MVVは組織規模が大きく、多様な人材が関わる大企業において人気の考え方です。
また、ミッションは「自分たちは〇〇しなければならない」という使命感を起点とする概念であるため、組織としての責任や役割というキーワードをもとにゴールを定めたい場合にも向いています。
そのため、多少の複雑さがあったとしても企業のゴールを具体化し、その将来像の実現に向けて進んでいきたいと考える企業にとっては、MVVの採用が適している可能性が高いでしょう。
パーパスの企業事例5選
ここまでで、パーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に関して、定義や違い、使い分けの方法について理解できたと思います。
ここからは、パーパスやMVVの企業事例を参考にすることで、より具体的なイメージを持って行きましょう。
まずは、存在意義を意味するパーパスを活用した企業事例です。
シンプルですが分かりやすく、社内にスムーズに浸透させられる点が魅力的です。
ソニーグループ
企業概要
ゲーム、音楽、映画、半導体、エレクトロニクスなど多岐にわたり事業展開。クリエイティブと技術を融合し、感動体験を提供。イメージセンサーやエンタメ分野で世界的リーダー。
| パーパス (Purpose) | クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。 | ||
| バリュー (Value) | ・夢と好奇心 夢と好奇心から、未来を拓く。 ・多様性 多様な人、異なる視点がより良いものをつくる。 ・高潔さと誠実さ 倫理的で責任ある行動により、ソニーブランドへの信頼に応える。 ・持続可能性 規律ある事業活動で、ステークホルダーへの責任を果たす。 | ||
理念の解説
パーパスとバリュー(同社ではSony’s Purpose & Valuesと呼称)というシンプルな構成です。2019年に策定したパーパスであり、日本で最も有名なパーパスの一つです。
ソニーグループほどの大企業であれば、さまざまな要素を盛り込みたくなるものですが、あえて絞りに絞って、洗練された要素のみを残しています。
出所:同社HPより抜粋
サントリーホールディングス
企業概要
酒類・飲料・食品・健康事業を展開。「水と生きる」をスローガンに環境活動を推進。グローバルブランド育成や研究開発で新市場を開拓。
| パーパス (Purpose) | 人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命の輝き」をめざす。 | ||
| バリュー (Value) | ・Growing for Good ・やってみなはれ ・利益三分主義 | ||
理念の解説
有名な「やってみなはれ」をバリューの一つに掲げています。パーパスとバリューという、非常にシンプルで分かりやすい構成になっています。
「人間の生命の輝き」という独自のキーワードが、自社らしさを際立たせています。
出所:同社HPより抜粋
オリンパス
企業概要
消化器内視鏡や治療機器で世界シェアを持つ医療機器メーカー。早期診断や低侵襲治療技術を普及させ、患者負担軽減に貢献。
| パーパス (Purpose) | 世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現 Making people’s lives healthier, safer and more fulfilling | ||
| バリュー (Value) | ・患者さん第一 Patient Focus ・イノベーション Innovation ・実行実現 Impact ・共感 Empathy ・誠実 Integrity | ||
理念の解説
こちらもパーパスとバリューという分かりやすい組み合わせです。
また英語でも表記していることで、国内だけでなく国外に向けた意気込みも感じられます。海外の事業費率が高いオリンパスだからこそ、海外に対するこだわりが見えてきます。
出所:同社HPより抜粋
サイボウズ
企業概要
グループウェア「kintone」「Garoon」などを開発し、チームワークあふれる社会を目指す。柔軟な働き方や組織文化変革を先導。
| パーパス (Purpose) | チームワークあふれる社会を創る | ||
| バリュー (Value) | ・理想への共感 ・多様な個性を重視 ・公明正大 ・自主自律 ・対話と議論 | ||
理念の解説
サイボウズでは、バリューという言葉を使用せず、「文化 -Culture-」という言葉を使用しています。また、「これからも、社内の状況や時代の変化にあわせて表現を検討し、メンバー全員が納得できる生きた企業理念へとアップデートを続けていく予定です。」と明言している点も特徴的です。
一度決めたら貫き通すこと、あるいは時代の変化に合わせて在り方を変えていくこと。この両方とも、パーパスやMVVとして間違っていません。
出所:同社HPより抜粋
ユーグレナ
企業概要
微細藻類ユーグレナを活用した食品、化粧品、バイオ燃料を展開。サステナビリティや食料・エネルギー問題の解決に挑戦。
| パーパス (Purpose) | 人と地球を健康にする | ||
| バリュー (Value) | 7倍速 Turn it up to 7. 最速で一歩を踏み出し、やり切る ちぎれるほど Burst with imagination and energy. これ以上ないと言えるまで考えに考え抜いて あ・た・ま Bright, Witty, and Forward-Thinking いつでも「明るく楽しく前向きに」 | ||
理念の解説
ユーグレナは、上記のパーパスやバリューに加え、「ユーグレナ・フィロソフィー」として「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」を掲げています。
概念が増えることで浸透せず、行動につながりにくくなることも懸念されますが、一方でより組織の考え方が際立つ可能性もあります。自社の状況に合わせながら、対応を考えていくとよいでしょう。
出所:同社HPより抜粋
本章では、パーパスとバリューの組み合わせに絞ってお伝えしてきましたが、そこにビジョン(将来の理想的な姿)を盛り込んだり、あるいはMVVにパーパスを盛り込んだりするケースもあります。そうした事例についても知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
MVVの企業事例5選
次は、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の企業事例を見ていきましょう。
情報量は増えてしまいますが、その分各社が大切にしている思いがしっかりと伝わってきます。
全日本空輸(ANA)
企業概要
国内最大の航空ネットワークを運営。安全運航と顧客満足を最優先に、ラウンジやデジタルサービスまでを設計。国際線拡充とアライアンス活用でグローバルを強化。
| ミッション (Mission) | 安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します | ||
| ビジョン (Vision) | ワクワクで満たされる世界を 私たちは、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていきます。 | ||
| バリュー (Value) | ・安全(Safety) 安全こそ経営の基盤、守り続けます。 ・お客様視点(Customer Orientation) 常にお客様の視点に立って、最高の価値を生み出します。 ・社会への責任(Social Responsibility) 誠実かつ公正に、より良い社会に貢献します。 ・チームスピリット(Team Spirit) 多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動します。 ・努力と挑戦(Endeavor) グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦します。 | ||
理念の解説
ANAは「グループ経営理念」と称してミッションを、「グループ経営ビジョン」と称してビジョンを、「グループ行動指針」としてバリューを制定しています。
また、ANA創立70周年を機に、経営ビジョンを刷新しています。
出所:同社HPより抜粋
note
企業概要
クリエイターがコンテンツを自由に発信・販売できる場を提供。企業や自治体の情報発信にも活用され、コミュニティ形成やブランド構築を後押し。
| ミッション (Mission) | だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。 | ||
| ビジョン (Vision) | noteがあることで、人々は本当に伝えたいことに専念できるようになる。 | ||
| バリュー (Value) | ・クリエイター視点で考えよう / Creator First ・多様性を後押ししよう / Promote Diversity ・クリエイティブでいこう / Be Creative ・つねにリーダーシップを / Leadership ・すばやく試そう / Try First ・おおきな視点で考えよう / Think Big | ||
理念の解説
大きなミッション、より具体的なビジョン、そしてそれを実現するための明確なバリューという構成が分かりやすいです。
出所:同社HPより抜粋
デジタル庁
企業概要
行政手続きや社会インフラのデジタル基盤整備を担う行政機関。官民データ連携やマイナンバー活用を進め、国民視点で利便性と透明性を高める政策を推進。
| ミッション (Mission) | 誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。 | ||
| ビジョン (Vision) | ・優しいサービスのつくり手へ。 ・大胆に革新していく行政へ。 | ||
| バリュー (Value) | ・一人ひとりのために ・常に目的を問い ・あらゆる立場を超えて ・成果への挑戦を続けます | ||
理念の解説
政府機関らしく、全国民のことを考え抜いたMVVであると感じられます。一方、デジタル関連の取り組みを行っているゆえか、先進的な印象も受けます。
出所:同社HPより抜粋
三井物産
企業概要
世界規模で事業投資を行う総合商社。食料、金属、機械、ICTなど多岐にわたる分野で事業開発を推進。GX(グリーントランスフォーメーション)やサステナビリティを重要テーマに据える。
| ミッション (Mission) | 世界中の未来をつくる 大切な地球と人びとの、豊かで夢あふれる明日を実現します。 | ||
| ビジョン (Vision) | 360° business innovators 一人ひとりの「挑戦と創造」で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続ける企業グループ。 | ||
| バリュー (Value) | ・変革を行動で ・多様性を力に ・個から成長を ・真摯に誠実に | ||
理念の解説
総合商社と聞くと少し保守的な印象を受けますが、三井物産のMVVは革新的な印象を与えてくれます。
出所:同社HPより抜粋
弥生
企業概要
中小企業や個人事業主向けに会計・給与・請求クラウドを提供。金融機関連携や確定申告支援機能を拡充し、経理負担を軽減するソリューションを展開。
| ミッション (Mission) | 日本の中小企業、個人事業主、起業家の事業を支える社会的基盤(インフラ)として、日本の発展に能動的に貢献します | ||
| ビジョン (Vision) | 共有・共生・共創の力を活かし、お客さまの事業の立上げと発展の過程で生まれるあらゆるニーズにお応えする「事業コンシェルジュ」 | ||
| バリュー (Value) | ・お客さまの夢のために お客さまの夢を実現するために、お客さまの立場に立ち、弥生がやるべきことを真摯に考え、着実に実行します ・チーム弥生として よりよいソフトウェアとサービスを提供するために、個々が尊重しあい、皆の力を融合したチーム弥生として、チャレンジし続けます ・末長いお付き合いを 共生の精神で、想いをともにするすべての方と、末長いお付き合いを目指します | ||
理念の解説
他企業よりも少し長いMVVですが、その分熱い思いが伝わってきます。これもMVVの一つの表現方法でしょう。
出所:同社HPより抜粋
パーパス・MVVに関するよくある質問
最後に、パーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に関して、よく頂戴する質問を整理しておきます。
本記事ではご紹介しきれていない内容ですので、ぜひ別記事も含めてご覧いただき、パーパスとMVVに対する理解を深めてください。
パーパス・MVVの策定方法は?
パーパスやMVVの策定は、いきなり言葉を考えるのではなく、まず自社の現状を市場環境・競争環境の視点から整理し、目指すべき方向性を明確にすることから始まります。
そのうえで、企業としてのゴールや価値観をキーワードレベルで落とし込み、最後に具体的な文章として磨き込んでいく流れが重要です。
策定においては、経営陣だけでなく多くの社員を巻き込んで議論することで、社内で当事者意識を醸成しながら進めていくことがポイントです。
そうすることで、浸透段階における手間が格段に減り、社員の意識・行動を変えられる言葉になります。
なお、下記記事はMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の作り方について説明していますが、パーパスも同次方法で作成できますので、ぜひご参照ください。
パーパス・MVVの浸透方法は?
パーパスやMVVは策定して終わりではなく、組織に浸透させて初めて価値を持ちます。
そのためには、経営陣の強いコミットメントのもと、採用・評価制度や日常業務に組み込み、繰り返し活用することが重要です。
社員を巻き込んだ施策や継続的な発信を通じて、パーパスやMVVを共通言語として定着させることが求められます。
まずは代表的な浸透施策を理解したうえで、実施効果や難易度を踏まえたうえで優先順位付けし、優先度の高いものから取り組んでいきましょう。
パーパス・MVVの組み合わせは?
ここまで記事を読んでいただいてご理解いただけたように、パーパスやMVVには決まった正解はなく、さまざまな組み合わせの型が存在します。
パーパス・バリュー、MVV、パーパス+MVVなど、自社に合ったかたちを選ぶことが重要です。
基本の型を理解せずに構築すると、概念同士が重複したり関係性が曖昧になり、組織に混乱を招いてしまいます。
逆に、役割を整理したうえで設計すれば、全社員が共通言語として理解し、実務に活かせる土台をつくることができます。
まとめ|パーパスやMVVという言葉自体に価値はない
本記事では、パーパスとMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の違いを中心に、それぞれの定義や関係性、使い分けについて解説してきました。
結論として、パーパスとMVVには一定の違いはあるものの、本質的にはどちらも企業のゴールを示すための概念であり、どちらを採用しても問題はありません。
実際には、パーパスをミッション的に使っている企業や、ミッションを存在意義として扱っている企業も多く存在します。
パーパスやMVVはあくまで企業のゴールを達成するための手段であり、目的ではありません。
また、どの言葉を使うかではなく、その言葉にどのような意味を持たせ、組織の中で一貫して運用できているかどうかが重要です。
表面的な言葉にこだわるのではなく、自社にとって納得感のあるかたちで定義し、それを使い続けることこそが、企業としての成長につながっていきます。
本記事を参考にして、ぜひ自分たちが心から納得できる組織の羅針盤を手に入れてください。
MVVやパーパスの言語化や社内展開にお悩みであれば、わたしたち「Business Jungle MVV・パーパス策定」がお手伝いできるかもしれません。外資戦略コンサルやデザイナー出身者を含む多様な専門チームが、あなたの会社らしいMVV・パーパスを共にかたちにします。

MVV・パーパスの策定・浸透はこちら⇒ Business Jungle MVV・パーパス策定
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